NE式写真電送装置(国立科学博物館)2011年11月22日 00時00分00秒

NE式写真電送装置送信装置(国立科学博物館):Nikon D300、Ai Nikkor 20mm F2.8S

昨日も記事の更新ができなくてすまん。ネタもないようなので自分でネタ振りをしてみる。

このあいだ国立科学博物館(東京・上野)に行ったときに、NE式写真電送装置というものがあった。1928年(昭和3年)11月6日に昭和天皇の即位の式典が東京で行われ、その写真を大阪に送るのに使われたものらしい。

NE式写真電送装置
昭和天皇の即位の式典にあたり、新聞各社はその様子を各地にできるだけ早く伝えるため新しい技術を競って採用した。このとき、不調に陥ったフランス製に替わって国産のNE式写真電送装置が大活躍し、日本の機械製品が外国の技術と渡り合えることを示した。

奥の横長の箱の中にはドラムがあって、ここにフィルムを巻き付けて回転させ光線を当てる。それを光電管で電気信号に変えて電話線で送るのが、送信装置の仕組みのようだ。ドラムスキャナみたいな感じ。

NE式写真電送装置受信装置(国立科学博物館):Nikon D300、Ai Nikkor 20mm F2.8S

受信装置は、電話回線で来た信号に応じてミラーが動き、光源の光を受信側のドラムに当てたり当てなかったりするようだ。それで受信側のドラムに印画紙が巻き付けてあって露光する仕組みのようだ。

FAXのご先祖様、ドラムスキャナのご先祖様というかフィルムスキャナのご先祖様のようなものだ。光源がもっと信号に追従性が高ければ、ミラーでパタパタしなくても光源の明滅のみで露光できるのだろうが、白熱球だろうから、ミラーでパタパタしないと残光でシャープな像にならないと思われる。

これ考えた人偉いなぁ。デジカメってこんな装置がカメラに入っているようなもんだな(笑)。

【関連】
CP+ 2011行ってきました(その3)ニコン・フィルム編 ― 2011年02月11日
ニコン社長木村真琴氏はフィルムダイレクト電送装置開発者 ― 2010年09月03日

写真のデジタル化で失ったもの(山形豪・自然写真撮影紀)2011年11月22日 00時00分01秒

国立科学博物館地球館:Nikon D300、Ai Nikkor 20mm F2.8S、F2.8、1/30sec、ISO-Auto(ISO1400)、-0.3EV、L37c、ピクチャーコントロール:ポートレート、AWB

ITmediaデジカメプラスに写真のデジタル化で失ったもの(山形豪・自然写真撮影紀)という記事が載っている。

しかし、大きな変革がもたらすのは必ずしもありがたいものばかりではない。生き馬の目を抜くがごときカメラメーカー同士の生存競争は、プロダクト・ライフサイクルの極端な短縮という副産物を生み出した。デジタル一眼レフカメラも、パソコンやケータイ同様、矢継ぎ早に新モデルが登場する。ひとつのカメラを使い倒す前に、より高性能の機種が登場し買い替えを余儀なくされる状況は、決して好ましいものではない。

かく言う私も、2003年にデジタルで撮影を始めて以来、ニコン「D100」「D2H」「D200」「D300」と乗り換え、現在では「D700」と「D7000」を使用している。ひとつ売り払っては次を買いといった具合で、後生大事にカメラを手元に置いておく余裕もない。性能の向上は朗報だが、回転が速すぎると感じているのは私だけではあるまい。

経済的負担以外にも、最近のデジタル一眼レフカメラには釈然としないものを感じる。デジタルに移行する前は、「F3T」や「F4S」「F5」といった機種を何年にも渡り愛用していた。また、写真のイロハを教えてくれたのは父から譲り受けた「ニコンF」だ。使い続けるうちに手になじんでいったそれらのカメラには今でも愛着があり、もはや仕事の撮影で使うことはないものの、たまにキャビネットから取り出して遊んでいる。

だよねぇ。GR DIGITALなどはサイクルを長くすると公言していても6年で4代目だものねぇ。デジタル一眼レフもコンパクトデジタルカメラに比べれば少しサイクルが長いが、それでも今回電池や充電器やバッテリーグリップなどが在庫限りや出荷終了になってしまった。さらにニコンの場合、古いレンズとの互換性がいつ切り捨てられるかはっきりしないから余計にむずむずする。新しい機種の新機能や性能向上に期待しつつも他方で互換性がなくされるんじゃないかと心配になる。非常に不安定な存在だ。

ところが、昨今のデジタルカメラには、そのような感情を抱かせる何かが足りない気がする。単なる製品の耐久性とは別次元の、デジタル特有のはかなさというか、長い年月の経過に耐え得るだけのDNAのようなものが備わっていないように思われてならないのだ。これはカメラだけでなく、写真そのもののあり方にも関係している。

写真がフィルムという物質的存在から、磁石を近付けただけで消え去ってしまう、もろいバイナリデータに変化した。いくら多重バックアップを取り、クラウドにデータを乗っけてみたところで、結局のところ実体のない1と0の集合でしかない。その電子情報を作り出すのがデジカメだ。つまりカメラが光のA/D変換を行う電子機器になってしまったのだ。そこにはフィルムカメラの持つ、人間と機械、そして写真との物理的なつながりが欠落している。私がデジタルカメラにいまいち愛着を抱ききれない理由はその辺りにあるのかもしれない。

フィルムで写真を撮った経験のない方はこのような悩みとは無縁であろう。昭和時代に生まれたアナログ人間による、他愛(たあい)もないぼやきであることは重々承知の上での発言であることをご了承いただければ幸いである。

データの儚さもあるけれども、私がデジタル一眼レフに愛着を感じないのは、ピントが見えないファインダーだからだ。チープなF-501でもちゃんとピントが見えたから愛着があった。DX機の絶望的なファインダーで毎回ストレスが溜まるのに愛着が持てるわけがない。以前から書いているが、ニコンの廉価機ではAFが効かないAFレンズがたくさんある。一眼レフなんだからMFでピントを合わせればいいのだが、そのピントが分からないファインダーだ。D300はAi連動もするが、MFの広角レンズを使うのは非常にストレスが溜まる。ピントが分かりにくいのでぱっと撮れないのだ。

山形氏は仕事だからそれでも黙々と撮るしかないだろうが、私は趣味なので楽しくなければやめるしかない。こんなカメラだけになったら写真趣味は終わるだろうなと思う。私にとって終わるだけでなく社会全体で写真趣味が終わると思う。そうなるとすればカメラメーカー自身の方向性によるのだから自業自得だろう。

あと、交換レンズもなんか値段が高くなってきたように思う。チープなレンズか高価なレンズしかラインナップされなくなってきているように思う。安価だけれどもコンパクトでちゃんと写る単焦点レンズもDXの広角側にはないし。終わっているシステムなんだなぁと思う。【追記】さらにいうと最近のレンズは高価なレンズなのに絞りリングもないから、頑張ってあのレンズを買おうという気にならない。まあその意味で財布に優しいかもしれないが(笑)。【追記ここまで】


国立科学博物館地球館:Nikon D300、Ai Nikkor 20mm F2.8S、F2.8、1/30sec、ISO-Auto(ISO1400)、-0.3EV、L37c、ピクチャーコントロール:ポートレート、AWB

ゾナータイプ?ビオゴンタイプ?2011年11月22日 00時00分02秒

デジカメドレスアップ主義:装着不能レンズに明光が射す(デジカメWatch)書き換え前Googleのキャッシュから

デジカメドレスアップ主義:装着不能レンズに明光が射す(デジカメWatch)の記事の内容が何の断り書きもなく書き換えられているので自分用にメモしておく。

書き換え前(2011年11月21日 15:08:08 GMTに取得されたGoogleのキャッシュから)※強調は引用者

ジュピター12 35mm F2.8はロシア製で、戦前のビオゴン35mm F2.8をデッドコピーしたレンズといわれている。ビオゴン銘ながら構成はゾナー型のため、ゾナーコピーならぬゾナービオゴンというわけだ。マテリアルや加工精度こそ異なるものの、特に手を加えずにコピーしているため、安価で写りのよいレンズとして定評がある。開放からシャープで発色がよく、ボケ味も滑らかで破綻がない。凄みのような描写は感じられないものの、1万円前後で入手できることもあり、そのコストパフォーマンスは抜群だ。

書き換え後

ジュピター12 35mm F2.8はロシア製で、戦前のビオゴン35mm F2.8をデッドコピーしたレンズといわれている。ゾナーコピーならぬビオゴンコピーというわけだ。マテリアルや加工精度こそ異なるものの、特に手を加えずにコピーしているため、安価で写りのよいレンズとして定評がある。開放からシャープで発色がよく、ボケ味も滑らかで破綻がない。凄みのような描写は感じられないものの、1万円前後で入手できることもあり、そのコストパフォーマンスは抜群だ。

最初に書き換え前の文を読んで「へー」と思ったので、さっき書き換え後の記事を見て「あれ?」と思った。書き換え後は強調部分が削除されているので、どうして「ゾナーコピーならぬビオゴンコピーというわけ」なのか分からない(なお、書き換え前は該当部分は「ゾナーコピーならぬゾナービオゴンというわけ」だった)。意味不明の文章になっている。こういうのはよくないなぁ。訂正したのなら断り書き入れなきゃ。普段は「初出時は~」という訂正文言が入るのに、こういうこっそり改ざんはデジカメWatchでは珍しい。

Google
WWW を検索 haniwa.asablo.jp を検索
asahi-net.or.jp/~sp5j-hys/ を検索
※ブラウザで「保護されていない接続」「安全ではありません」などの表示が出る場合はSSL対応のhttps://haniwa.asablo.jp/blog/の方にアクセスしてください。お気に入り・ブックマークもSSL対応の方に変更をお願いします。(2021/02/23)