インタビュー:リコーに聞く「GR DIGITAL IV」の進化(前編)(デジカメWatch)2011年11月14日 00時00分00秒

国立科学博物館:Nikon D300、Ai Nikkor 20mm F2.8S、F4AE(1/20sec)、ISO3200(ISO-Auto)、L37c、マルチパターン測光、AWB、オプションピクチャーコントロール:PORTRAIT

デジカメWatchにインタビュー:リコーに聞く「GR DIGITAL IV」の進化(前編)という記事が掲載されている。初代GR DIGITALユーザとしては4代目はどうなったのか気になるところだ。

――コンセプトは「最強のストリートスナップカメラ」です。

樋口:もともとGR DIGITALは、携帯性が高くどこにでも持って行けるカメラなので、ストリートスナップはやりやすいカメラだと思います。ただ、携帯性だけでは他にも小さなカメラはあります。高画質、AF速度、自分の意思を伝えられる操作性そういったことが重要になります。開発中に社内で、前モデルに比べてもまだまだやれることはあると、ここを目指そうと言うことでコンセプトにしていたのですが、最終的にカメラのキャッチフレーズとして外部に出しました。

そうなんだよねぇ。GR DIGITALはシャツの胸ポケットに入るからさっと出して撮れるし、町中でGR DIGITALを構えていてもコンパクトデジカメでなんか撮ってるなという感じで警戒されにくいのだ。一眼レフカメラってレンズも含めて大きいのでやっぱりあやしい(笑)。

――GR DIGITALユーザーがカメラに対して持っている要望は何でしょうか?

樋口:毎回、満足度調査をやっているのですが、これまでの機種は製品全体の満足度自体は非常に高かったのです。ただ、個別項目で見ると満足度の低い部分もあって、AFの速度だとか、高感度の画質、晴天下で液晶が見えにくいといった部分では満足度が低かった。今回、GR DIGITAL IVではその辺りを集中的に改善しています。

AFの速度は、パッシブAF併用の初代GR DIGITALだったからか、そんなに気にならなかったが(半押ししてから撮ってるし)、高感度の画質と、晴天下での背面液晶の見づらさだけは本当に何とかして欲しいと思っていた。3代目を経てもまだそこが課題だったのか。デジタル一眼レフの背面液晶モニターは晴天下でもちゃんと見えるのにどうしてGR DIGITALではそうならないのか。電池の大きさと、背面液晶モニターでフレーミングするのがデフォルトで電池を食う撮影形式なのがネックなのかな。だったら、光学ファインダーを内蔵するしかないんじゃないかな。外部ファインダーは、見えはいいけど、装着すると胸ポケットに入らなくなるからGR DIGITALの良さをなくしてしまう。

――今回から「ブリーチバイパス」と「ボジフィルム調」というエフェクトを搭載しました。

樋口:最近はポジフィルムが減ってきて、使いたくてもなかなか使えない状態です。そこで、ポジフィルの色合いをカメラで作れたら楽しめるのではないかと考えて搭載しました。市場では同様なモードでかなり強調した色を作るカメラメーカーが多いですが、それだと最初は良くても飽きてしまうので、我々は普通の撮影でも使える色味にしています。パッと見、変わらないじゃないかと思われるかも知れませんが、その辺りは狙っています。

北條:ポジフィルム調は、実在のある銘柄を目標に色作りをしました。その銘柄は赤やイエローがこってりした独特な発色で、完全に再現が難しい色なのですが、イメージは近づけることができたと思います。ブリーチパイパスとポジフィルム調では、周辺減光も表現できるようになっています。この減光具合は、銀塩カメラ「GR1」(1996年発売)のレンズの周辺光量落ちを目標に再現しています。かなり落ちますね。

こらっ、ポジフィルムの種類は減ってきているけど使いたくても使えないからGR DIGITAL IVのポジフィルムモードっていうのはおかしいぞ(笑)。まだ売ってるんだからポジフィルム使えよなぁ。ヨドバシドットコムの通販でも買えるぞ。まあ近くでリバーサルフィルムが売っていないような地域では、現像も時間が掛かることが予想されるわけで、使いにくいのは分かるが、「最近はポジフィルムが減ってきて、使いたくてもなかなか使えない状態です。そこで、ポジフィルの色合いをカメラで作れたら楽しめるのではないかと考えて搭載しました。」っていうのはちょっと納得がいかないなぁ。喝ッですな。

――“GRブルー”と呼ばれる青色の再現も意識したそうですね。

樋口:初代GR DIGITALのときから青の表現が独特だといわれていました。合わせ込んできてはいるのですが、2代目、3代目でも“初代の青はよかったね”という声が一部から聞かれていました。そこで、GR DIGITAL IVでは初代の青の表現を今まで以上に意識した絵作りにしています。

おう、気づいていたのか(笑)。GR DIGITAL IIが出たときに買う気がしなかった理由はこれだ。初代と絵作りが全然違っていたからだ。色も違うし線の描写もコントラストも違う。コニカのネガフィルム使ってたら、コダックのリバーサルフィルムに変えろと言われたようなもんだ。「GRブルー」って初めて聞いたけどね(笑)。でもIVはIIIの改良型だから、初代のようにはそう簡単にはならないんじゃないかなぁ。まあ作例をよくよく見させてもらいますよ。

デジタル一眼レフのニコンD300を購入して、高感度がいいから最近Ai Nikkor 20mm F2.8Sを付けて持ち歩くことが多いのだが、色々問題がありますな。そもそもD300でMFはし辛いし、なによりもカメラが大きい。もう1台フィルムカメラを持ち歩きたくても、重くて嵩張るから持って行く気にならない。これがGR DIGITALなら、フィルム一眼レフやCONTAX G1などを首からぶら提げて胸ポケットにGR DIGITALを入れることで、フィルムとデジタルの併用が可能だった。D300と併用するならフィルムのGR1を胸ポケットに入れるのがいいか。それにしてもD300はそれにあう小型の広角単焦点レンズがないから、やっぱりD300とGR1の組み合わせよりは、フィルムカメラとGR DIGITALの方がよいな。


国立科学博物館:Nikon D300、Ai Nikkor 20mm F2.8S、F4AE(1/20sec)、ISO3200(ISO-Auto)、L37c、マルチパターン測光、AWB、オプションピクチャーコントロール:PORTRAIT

GR DIGITALの作例でなくてすまんが、初代GR DIGITALの不満の一つは高感度の画質だから、比較のためにAPS-Cサイズのデジタル一眼レフの作例を挙げた。D300のISO3200でも初代GR DIGITALのISO400よりもきれいだと思う。センサーの大きさと画素数は高感度の画質に直結しているなぁと思う。

最近、D300のピクチャーコントロールをスタンダードからオプションピクチャーコントロールのポートレートにして使ってみている。色味は肌色にちょっと赤みが差す感じで、全体に色の飽和が少ない感じだ。アンシャープマスクもほとんど掛かっていない感じ。小さめに撮った人物の睫毛が等倍に拡大したときに、スタンダードだとちゃんと睫毛の線がでているのだが、ポートレートだとフィルムで撮ったときのように睫毛がややぽわんとしている。睫毛に関しては線がはっきりしている方がいいのかもしれないが、その線の強調が他の部分で不自然さに繋がるように思うので、これでいいのだと思っている。等倍に拡大しないと分からない差だからだ。肌は赤みが差すよりはマゼンタが乗った方がいいように思うがまあ好みの問題か。

ニコンではこのピクチャーコントロールの「ポートレート」を以下のように説明している。

被写体固有の階調や色合いをより忠実に再現する「ニュートラル」をベースに、人物の肌の描写を重視した画作りをするピクチャーコントロールです。

特に人物の肌は、プロ用ネガフィルムのように滑らかな階調で立体的に描写。透明感のある自然な仕上がりになります。 また、人物の肌以外は色鮮やかに再現するので、より印象的な表現が可能です。

PORTRAIT:Nikon Imaging | PICTURE CONTROL SYSTEM

プロ用ネガフィルムのようにって言い過ぎだと思う(笑)。それにそこの作例、うちのモニターだとスタンダードとポートレートで違いがほとんど分からない(泣)。

作例の違いはあんまり分からないが、実際にD300で撮った画像は背面液晶モニターで見てもうちの液晶モニターで見てもスタンダードとポートレートの違いはちゃんと分かる。

初代GR DIGITALは何を撮ってもマゼンタ掛かっていたので(笑)、ポートレートには結構よかったりした。コニカのネガフィルムのような感じ。初代GR DIGITALの描写の末裔を期待したいが、デジタルではそういうのは無理か。

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