進展のない福島第一原発2011年03月17日 09時00分00秒

NHK総合では、福島第一原発から30km圏内以外の人は放射線からの防護対策をする必要はない、安全だ、と火消しに躍起だが、実際には事態は進展していないどころか、悪化していると思う。もう現場の放射線レベルが高すぎて打つ手がないというのが実態だろう。
【追記:9:49JST】
自衛隊ヘリが福島第一3号機に水を投下したようだ。昨日はできなかったのにどうして今日はできるんだろう。【追記ここまで】
【追記:14:30JST】
床に鉛を貼ったりする対策に時間が掛かったのだと想像する。【追記ここまで】

2011年3月17日7時2分

在日米大使館は17日未明、日本に滞在している米国民に対し、福島第一原発の半径80キロ圏内からの避難を勧告した。避難が困難な場合は、屋内に残るようにとしている。

米国民へ原発80キロ圏内から退避勧告 米大使館(asahi.com)
2011年3月17日6時33分

【ロンドン=橋本聡】英外務省は16日午後6時(日本時17日午前3時)すぎ、日本にいる英国人に対し、東京と東京の北部からの退避を検討するよう呼びかけた。

ジェレミー・ブラウン外務副大臣は英BBCテレビに「福島原発の状態悪化や、食料、交通、通信などインフラが混乱する恐れがある」と説明。日本にとどまる場合はバスや鉄道で西部や南部に移ることも考慮するよう助言した。

在日英市民「東京などから退避検討を」 英外務省(asahi.com)
2011年3月17日4時41分

【ワシントン=望月洋嗣】米国防総省のラパン副報道官は16日、東日本大震災の救援活動にあたる米海軍などの要員に対し、福島第一原発の半径約80キロ以内への立ち入りを禁止したことを明らかにした。「救援活動に際しての米兵の安全を確保するため」としている。

日本政府は同原発から半径20キロ以内には避難を、20キロから30キロ以内では屋内退避を指示している。国防総省は、航空機を運用する兵士らには、同原発から約112キロ以内に近づく際は、ヨウ素剤を服用することを義務づけた。

米軍、原発80キロ以内に立ち入り禁止 国防総省(asahi.com)

もう80km以内は安全ではないと考えた方がいいのだろう。大丈夫だと言っているのは日本政府と日本のマスコミだけだ。ただ、日本のマスコミは、被曝を防ぐ方法を現地以外にも伝えているし、天気予報もなぜか風向きが最初の方に伝えられるようになっている。読取れ、ということなのだろう。

前回記事でも書いたが、東日本に用のない人や、妊婦・幼児などはできるだけ西日本のつてを伝って疎開するのがいいと思う。

危機的状況では、リスクを過小評価するよりは過大評価する方が生き延びる確率は高い。避難が無駄になっても責める人はいない。「何事もなくてよかったね」と喜べばいい。「安全だ」と信じ込まされて、いきなり「さあ逃げろ」と言われたらパニックになる。メディアの報道では「避難できる人は避難した方がいい」という専門家の発言が抑圧されているように感じる。

しょうがないから、僕はネットで安全な西日本などへの「疎開」を呼びかけている。とりあえず、妊婦や幼児や病人、児童生徒たちは、用がなければ被災地と救援の活動拠点となる都市部を避けた方がいい。

政府は可能な人には「疎開」を呼びかけるべきだろう。東北・関東から100万でも200万でも人口が少なくなれば、資源への負荷も軽くなり、救援の資材や人員の搬送も円滑になる。

西日本へ「疎開」を 〈伝えたい―阪神から〉(asahi.com)2011年3月17日1時20分

菅首相は「僕はすごく原子力に強い」と内閣特別顧問に語ったそうだが(首相「僕はすごく原子力に強い」 内閣特別顧問に語る(asahi.com)2011年3月16日22時59分)、こういう具体性のないことをうわごとのように言うのはもうそういうしかない状況なのだということなのだろう。

起こるべくして起こった福島原発の事故(ティルさんの気まぐれ日記 Season II)をみると、今回の福島原発の状況は十分予想されたもので、問題点を指摘されていたのに対策を怠った結果だということがわかる。

ヘリからの水の投下は無理で、警察の特殊放水車を使う方向らしいが、そんなこと素人の私でさえ何日も前から思っていた。おそらく政府もとっくに思いついていたが、現地の放射線濃度から簡単に近づけず、打つ手がないのだろう。放水車で水が届かなかったらどうするんだろう。特殊放水車は1台しかないのに、メルトダウンしそうな原子炉は4基もあるのだ。

福島第一原発で何が起きているのか――米スリーマイル島原発事故より状況は悪い(大前研一の「産業突然死」時代の人生論)をよむと、この原発の安全思想には問題が多かったようだ。いまさら言っても遅いのだが。なお、大前 研一(おおまえ・けんいち) 氏は、 「1943年、福岡県に生まれる。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。」という経歴を持つ。普段は彼の経済思想には賛同しかねるが、今回の洞察は比較的謙虚で参考になる。

関東地方南部にいる自分の視点でしか書いてなくてすまん。被災地の方に一刻も早く食べものや燃料が届くことを祈る。今日は関東も寒い。被災地はもっと寒いだろう。

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