やはりフィルムカメラには巻き戻しクランクが欲しい ― 2008年04月15日 00時00分00秒
今日もカメラニュースネタがなさそうなので、全然時事性のないネタで(笑)。
結論から言うと、フィルムカメラにはやはりフィルム巻き戻しクランクが必須だと思うのである。何を今更、と言われそうだが(笑)。
というのも、最近よく使っているNikon F100に巻き戻しクランクがないので不便だったことがあるのだ。Nikon F100にKodak PORTRA 160NCを入れて途中まで撮っていたのだが、そこでAi AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>を買ったのでテストする必要があった。それでポートラ160NCの途中巻き戻しをして富士フイルムのSensia 100 III (RA III)に入れ替えた。
そこまではよかったのだが、ポートラのベロがパトローネの中に入ったままで取り出せなくなった(笑)。コニカのフィルムピッカー4型を持っていたはずなのだが、半年以上使っていなかったので探しても出てこない。仕方ないので、もう1個「コニカミノルタ」のフィルムピッカー4型を買った(ヨドバシで税込み1029円)。
F100で途中巻き戻しする際にベロ出しにする設定もあるのだが(*)、ニコンF100のカスタム設定は液晶に「1-0」といった具合に「1」の項目に対して設定値が「0」であることを示しているだけで、とっさに設定を変更できないのだ。説明書のカスタム設定一覧の部分を持ち歩かないといけない。フィルムを入れ替えるときに説明書を持っていなかったので、家に帰ってからフィルムピッカーでベロ出しすればいいか、と思ってデフォルトの巻き戻し設定のまま巻き戻したのだった。
* 【追記:2008年5月28日】あとでF100の説明書をみたのだが、ベロ出しの設定は見つからなかった。F100にはベロだし巻き戻しの機能はないようだ。お詫びして訂正します。がっくり。
【追記ここまで】
この点ニコンF6は、カスタム設定の内容が液晶に文字で出るし、第一、巻き戻しクランクがあるのでカスタム設定を変更するまでもなく手で巻き戻して、フィルムがスプールから離れる感触があったら巻き戻すのをやめればベロ出し状態で巻き戻せるのだ。
我が家にあるフィルムカメラで巻き戻しクランクのないのはニコンF100とコニカ現場監督だけなのだ。フィルムピッカーは現場監督で撮影途中でフィルム交換するために買った物だったのだ。ニコンF-501やF-301はモータードライブ内蔵なのだが、巻き戻しはクランクで行う。しかも両機種は裏蓋にフィルムの動きに合わせてくるくると回転する指標もあるので、ベロ出しで巻き戻す際にフィルムの先端がその回転指標を通り過ぎたか分かるようになっている。この回転指標はおそらく巻き戻し用ではなく、巻き上げたときにフィルムが進んでいるか確認するためのものだったと思うが(*)。
* 両機種はニコン初のモータードライブ内蔵機(F-301の方が先に発売されたが、設計はF-501の方が先)で、フィルム装填後自動巻き上げの前にクランクでフィルムのたるみを取らないようにという注意書きがある(最初の巻き上げ後はクランクを使ってフィルムのたるみを取ってもよい)。フィルムのたるみが多い場合クランクの動きで確認できない可能性があるのをこの指標で補っていると思われる。実際には巻き戻しクランクが回転しないぐらいフィルムのたるみはないので、巻き戻しクランクが回転することで、フィルムがスプールにきちんと巻き付いているか確認できるのだが。さらに余談だが、ニコンのオートフォーカスフィルムカメラではF一桁はすべて巻き戻しクランクがついている。そしてF一桁以外のAF機で唯一巻き戻しクランクのあるのがF-501なのだ。F-501偉いっ(笑)。
ということで、やはりフィルムカメラに巻き戻しクランクは必須だと思うのだ。えっ?F100の説明書を持ち歩くとか、テキスト化して携帯電話に入れておくとか、画像データでザウルスに入れて持ち歩けばいいだけだろうって?そのとおりでございます(笑)。こんどからF100のカスタム設定一覧は持ち歩くことにした。フィルムピッカーが廉価でよかった(笑)。
コメント
_ WANI ― 2008年04月20日 22時58分03秒
_ Haniwa ― 2008年04月21日 09時14分29秒
ニコンの様々な機構って結構奥が深くて、なにか非常に希な組み合わせのためにすべてのカメラやレンズにその装備を付けたりしていますね。
たとえばすべてのAiレンズに付いている絞りリングの小さな爪はいまでこそ最小絞りになっているかの検知に使われていますが、あれはもともとEEコントロールユニット用ですよね。ニコンってそういう会社なんですよね。簡単に過去の仕様を切り捨てない。
_ WANI ― 2008年04月21日 12時37分48秒
本来はDS-12用の連動爪ですね。
本当かネタが知りませんがその後の開発中に絞りの連動情報が必要なのにその機構の実装を忘れて後戻りできない所まで来てから発覚した際にこれで逃げたとか・・・。本当なんですかね?w
>ニコンってそういう会社なんですよね。簡単に過去の仕様を切り捨てない。
キヤノン坊兼アンチニコンな方々からすると過去にとらわれて新しい規格に移れない愚かな事だと言われてますが、そういう姿勢が好きで使ってるユーザーには大きなお世話だと(w。
キヤノンF-1がどんなにいいカメラでも修理もアクセサリーも何にもメーカーのサポートが無いんじゃいくらなんでも・・・ってのも寂しいだろうに・・・と思います(w。
後は後発のニコンユーザーにも理解し難い事の様ですね。
_ Haniwa ― 2008年04月21日 15時42分32秒
どうなんでしょうね。意外と妙なところにまで気を配っているのにそういうところを誰も考えてなかったとかありそうですが(笑)。
新しい規格が優れているとは限らないですからね。絞りを機械式から電磁式にすると絞り込んで連写したときにと絞りが追いつかないとかありますからね。いままでのを生かしながら新しい規格をつぎ足していく方が、世の中の変化にも対応できると思います。ボディ内VRと撮像素子VRの問題も両方に対応可能なニコンやキヤノンの方が有利だと思います。第一フィルムカメラでVR使おうと思うとレンズ内しかないじゃないですか(笑)。250コママガジンでフィルムの方を動かして手ブレ補正とか、ちょっと考えられません(笑)。
ニコンはある方を選択しても常に逃げ道を残しています。
_ WANI ― 2008年04月21日 22時24分30秒
元々最小絞りの値によらず最小絞りに絞った時に同じ位置にあると言う仕様だそうですが、果たして元々DS-12との連動以外の用途も考えられていたのか・・・謎ですね。
>ニコンはある方を選択しても常に逃げ道を残しています。
こういう思想はニコンが既存ユーザーの資産をどう生かすかを疎かにしない事にも現れてきますね。
後発ユーザーは既存資産が無いから余計な事で現行製品に制約を課すなと思うでしょうし、既存資産ありでもシステム一式買い換えればいいと言う人もいるでしょう。
1つの道具に愛着を持ってこだわって使う時代じゃない使い捨て時代に求められる物が違うんでしょうかね・・・。かと言って切り捨てればそれはそれで非難されますが(w。
_ Haniwa ― 2008年04月22日 09時07分13秒
個々のユーザーの資産を生かすだけでなく、将来の技術展開も睨んでいるんですよね。レンズ内モーター(F3AF)からボディ内モーター(F-501)にしたのちF4にはこっそり新方式のレンズ内モーターの仕様を仕込んでおいてあとからAF-I レンズを出す。F3AF用のレンズはMFレンズとして何の問題もなく使えるようにしてある、とか(F3AFとF-501とF4ではAFができますが)。どちらに転んでも大丈夫なようになっています。
結構奥が深いです。
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フィルムが偏って巻き取られた時に途中で巻き上げが出来なくなったりした時はさすがにモーターで強引に巻き戻すと危なそうなのでクランクで騙し騙し巻き戻す事になりますし、他にも冬の低温+乾燥でフィルムがパキパキに折れた時を考えるとフィルム破断が怖いのでクランクでゆっくり巻き戻しと言うのもありますね。
そういえば「巻き戻しクランク」=「引っ張ると裏蓋が空く」と言うのがクランクのあるカメラでは普通になってますがF2は底部の裏蓋開閉キーです。これより前のFとかはそもそも蝶番式じゃなく取り外し式の裏蓋なのであまり疑問に思われない様ですが、じゃぁ何故F2はわざわざ開閉キーが底にあるんだ?って長い事疑問に思ってましたがようやく謎が解けました(w。F2にあってF3以降に無くなったもの・・・専用のフィルムマガジンだったんですね。F2には長尺フィルム用の専用マガジンAM-1があり、これの開閉の機構が必要なのでボディのパトローネ室に仕掛けがあるせいで裏蓋開閉キーが必要なのでした・・・。当たり前に使ってたので不便さは感じて無かったのですが、たまにF2の不便さって話題で上がってるので何でだろうと思ったらそういう事だったとは・・・(w。