磨り減った皮ケースに美学を(KCチョートクカメラ日記) ― 2008年04月17日 00時00分00秒
毎月20日の少し前はカメラニュースネタがなくなってくる。これはカメラ雑誌の発売日が20日(今月は19日)なので、20日に公表という場合が結構あるからだと思う。ということで、今日も時事性のないネタですまん(笑)。
少し前に、写真家田中長徳氏のブログに、磨り減った皮ケースに美学を(KCチョートクカメラ日記)というのがあった。
それは80年代の安物の一眼レフの皮ケース、というよりも合成樹脂の速写ケースなのだけど、その色はブラックであるが、その黒い樹脂はとっくに剥離してしまい、あれはどういう素材なのか知らないけど、要するに樹脂の本体の白いような素材がところどころから、見えるのである。
ようするに白黒まだらの速写ケースの中に三流の35ミリ一眼レフ(おっと、ここで実名を挙げてしまうとまた問題が生じたりするのであえてブランド名は秘す)が入っているという寸法だ。
そのような古典的な白黒まだら文様の速写ケースは、20年近く前の天安門広場でも見たことがある。
すまん、Nikon F-501にその白黒まだらの合成皮革製速写ケース付けてました(笑)。まず、端のステッチが入っているところがほつれて来て、次に本体の曲がるところが割れてきて白い物が見えるようになる。また指の当たるところも禿げてきて白い物が見えてくる。本革と違って、味なんて出なくて、単にみすぼらしくなるだけだったりする(悲)。
ニコンは伝統的にF一桁とそれ以外とを区別して、F一桁はずっと本革速写ケースだが、それ以外は途中から合成皮革製の速写ケースになっていた。
そういうみすぼらしい合成皮革製ケースの反省からか、最近はデジタル一眼レフに本革の速写ケースが用意されることがある。ニコンでは、D70やコンパクトデジタルカメラのCOOLPIX 5200やCOOLPIX 4200にまで本革速写ケースが用意されたことがある(ニコンオリジナルグッズ「D70」用および「COOLPIX 5200」「COOLPIX 4200」用、高級革ケースの発売について(ニコン)参照)。最近ではオリンパスが色を何色か揃えてやる気を出している(オリンパス>パーソナル製品>デジタル一眼レフカメラ>アクセサリー >ケース&ストラップ関連参照)。
私は結構速写ケースが好きでよく使っていたのだが、その理由はまずはグリップがよくなることであり、また小雨の時などは速写ケースに入れておくとすぐに取り出せてかつカメラ・レンズが濡れないというメリットがあるからだ。しかし、F100用の速写ケースは持っていない。それは、F100はグリップが十分に大きくてかつ握りやすいので最初の理由がなくなってしまうからだ。また、他の古いカメラと違って速写ケースの中古があまり出回っていないというのもある(もう新品で手に入らない)。GR DIGITALの速写ケースが欲しいと思わないのも、GR DIGITAL単体で十分グリップしやすいようにできているからだ。
デジタル一眼レフ用に本革の速写ケースが増えているのはいいことだとは思うが、合成皮革製の速写ケースとは逆に、本体の方が先に実用性を失ってしまうことが明白なのでなんか悲しい。
それにしても、古い本革製の速写ケースは味がありますな。クラシックキヤノンの革ケース(KCチョートクカメラ日記)の写真のような感じの本革ケースは最近はない。なんかなめし方とか違うのだろうか。
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