週刊現代が暴いた“安倍スキャンダル”の全容(立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」) ― 2007年09月14日 00時00分01秒

第117回 週刊現代が暴いた“安倍スキャンダル”の全容 (2007/09/14 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 日経BP)
すごい予告編キター!!
------------------------------------実は一昨日(9月12日)のうちから、この記事をめぐって激しい前哨戦が繰り広げられている。
辞任当日の毎日新聞9月12日夕刊が、安倍首相の「脱税疑惑」を週刊現代が取材していると報じたことは前回すでに書いた。
そのちょっとあと(12日20時34分)から、時事通信が“「脱税疑惑」全くの誤り=週刊誌取材に安倍事務所”
という速報ニュースを流した。
安倍事務所側の反撃がただちにはじまったのだ。さらに、同じ12日の夜23時52分になると、時事通信は
「週刊現代の取材に警告 相続税めぐり安倍事務所」
という記事が出てきた。その内容は、
「週刊現代に掲載予定の記事はまったく事実に反する。掲載しないよう警告する」という文書を安倍事務所が発表したというものだった。
「警告する」とは、法的措置を取るぞという脅しでである。
これが何を意味するかというと、週刊現代の記事内容を紹介しようとするメディアに対し、そういうことをしたら、そのこと自体に対して法的措置をとるぞという警告なのである。
いまの法体系では、名誉毀損は、引用紹介に対しても成り立つという判例が生きているから、この警告はなかなか効果を持つ。
実際このあと、毎日新聞の後を追おうとしていたメディアの腰が一斉に引け、逆に幾つかのメディアは安倍事務所と同じスタンスに立って、「週刊現代」を攻撃する論調に立ちはじめた。
しかしこの段階では、安倍事務所は、実は問題の「週刊現代」に出る記事の内容をまだ十分に知らないのである。
なにしろ、その原稿がまだ書かれていなかったのだから、知るはずがないのである。
週刊現代の記事は、12日の夜に書かれ、13日に校了になり、14日に印刷製本され、15日に発売というスケジュールでことが進行していく。
まだ書かれてもいない記事に対する安倍事務所の過敏な反応が何に対して起きたのかというと、「週刊現代」からの取材依頼に対してである。
依頼書には、
「亡父安倍晋太郎氏から安倍晋三首相への政治遺産の継承がいかに行われたかの詳細な分析から浮上したいくつかの政治資金と税金に関する疑問点についてお尋ねします」という書き出しで、いくつかの疑問点が具体的に、安倍晋太郎・晋三親子の多数の政治資金団体の帳簿から抜いた詳細なデータ付きで書かれていた。
この取材依頼書を一目見ただけで、安倍事務所はビビってしまったのである。
マスメディアの関心は後任の自民党総裁が誰になるかに移っているが、誤魔化されてはいけない。逃げれば問題をうやむやにできるわけでもないし、「総裁が替わったから自民党は知りません、安倍氏個人の問題です。」と逃げることを許してはいけない。現与党にはきちんと政治的にけじめをつけてもらおう。
【関連】
安倍首相の突然の辞意表明は週刊現代の脱税疑惑取材が原因か(追記あり) ― 2007年09月13日
写真 無題:GR DIGITAL、28mm相当、1/570sec、F7.1、ISO64、-0.3EV、プログラムAE
他の政党は選挙が終わったらすぐに剥がしていたのに、この政党だけはいまだにこれをあちこちに残している。わざとなのか、やる気がないのか(笑)。なんなのだろう。
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