米谷美久氏死去-オリンパスペンを開発2009年07月31日 00時00分00秒

オリンパスペンを使ったことのない私でさえ名前を存じている米谷美久氏が昨日2009年7月30日亡くなったそうだ。

米谷美久氏死去=オリンパスペンを開発

米谷 美久氏(まいたに・よしひさ=元オリンパス光学工業〈現オリンパス〉常務)30日午後0時34分、呼吸不全のため東京都八王子市の病院で死去、76歳。香川県観音寺市出身。葬儀は8月2日午後0時半から東京都立川市柏町1の26の4のセレモアつくば立川会館白峯殿で。喪主は妻敬子(けいこ)さん。

名機として知られる小型、軽量のハーフサイズカメラ「オリンパスペン」を開発。59年に発売され、シリーズで計1700万台を販売した。92年に国際写真マーケティング協会(PMA)の殿堂入りした。

(2009/07/30-21:06)
http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2009073000999

謹んでご冥福をお祈りします。

【関連】
米谷美久さん(KCチョートクカメラ日記)

コシナの価格設定2009年07月31日 00時00分01秒

ちょっと前の記事ですまないが、東京・四谷3丁目のアローカメラ・我楽多屋2代目ご主人のブログで初代ご主人(買取名人)と写真家・赤城耕一氏の会話が紹介されていた。
赤城先生VS買取名人

買取名人が「コシナさんが面白いものを次々に出してくれることは嬉しいことです。ただ、ちょっと値段が安いような・・・。もう少し高めの価格設定でも、趣味性の高いものだから買う人は買うんじゃないかと・・・」と言うと。

赤城先生は「広くたくさんの人に買ってもらいたいのでは・・・?」と。

ここからは中古カメラ屋サイドの偏った見解と言われるかもしれませんが~聞いてください。新品が安いと中古市場が成り立たなくなる。対して、新品がそこそこいい値段だと、幾分安く買えるなら中古でも良いと判断する人が出てくるので、中古品の需要が発生。そうすると、新品で買ってあまり満足できなかった人たちが手放しやすい(売りに出しやすい)に環境になるわけです。

ボンビーな写真愛好家としてはこれはちょっと納得しかねるなぁ。たしかに中古品の値段は新品の値段が基準となっていて、現行品の場合中古品が現行品とあまり変わらない値段だと誰も買わないから、程度がよい中古品でも新品の最安値よりは安く売られることになる。

生産終了品の場合でもそれがものの数に比べてよほど欲しいと思う人が多いものでない限り、新品の時の価格が基準となる。皆、現行品当時の価格を覚えているので、このあいだ(これが人によって違うのだが、長年生きていると10年でも「このあいだ」になる-笑)○○円だったのに絶版だからってこの値段はないよなぁ、となるのであまり高くならない。新品の時の価格が高くないと買い取り価格も高くなくなるというわけだ。

そうすると、使わないカメラ・レンズを売りに行っても高く買い取ってもらえないから売るのをやめる、売りに行かない。そこで買い取り屋さんとしてはものがなくて困るということなのだろう。

まあ、1本30万円のレンズを扱っても1本1万円のレンズを扱っても手間は同じだから、儲けが全然異なる。当然単価の高いカメラ・レンズの方が儲かる。中古屋さんに行くとオートニッコールとかシグマとかあんまりおいていないのはそういうことだと思う。

しかし、中古品の価格が高くないのは新品価格が低いからではないだろう。デジタル化でフィルムカメラの需要が少なくなって、フィルムカメラ・MFレンズを欲しいと思う人が少ないからではないのか。本来ならばもう手に入らないカメラ・レンズが多くなっているのだから欲しい人が多ければ高騰するはずである。欲しい人が少ないから特にフィルムカメラは暴落気味なのだろう。

わたしの買ったコシナのCarl Zeiss Distagon T* 2/28 ZFは新品で10万円弱だが、京セラCONTAX用のDistagon T* 28mm F2なぞは中古でそれよりも少し高い値段で売られている。全く同じ光学系ではないから完全に比較できないが、どちらもカールツァイスが設計したレンズで同じスペックで似たような構成のレンズである。京セラCONTAXのD 28/2は私の金銭感覚からは買えないが、コシナのZFなら買えるというか買ってもいいと思える。

あるいは今欲しいと思っているNOKTON classic 35mm F1.4 MCは、35mm F1.4というスペックながら非常にコンパクトでしかも価格が5万円台なので、ライカMマウントのカメラを持っていない私でもなにかボディを買ってこのレンズを買おうかなと考えてしまう。NOKTON classic 35mm F1.4 MCが10万円ぐらいしたら、新しいボディを買わないと使えない私としてはなかなか買おうという気にならないだろう。

フィルム関係の需要が激減している中で、コシナの価格設定は買おうかなと思わせる絶妙の価格設定なのである。

恨むんなら、それは未完成なデジタルカメラを普及させたカメラ業界を恨むんですな(笑)。デジタルカメラが主流になってからなんか楽しくないもの。長いスパンであのカメラを買おうとかいうことにならないし、カメラによって描写が違うし、ちょっと前のデジタルカメラは安くても今のデジタルカメラの描写を見ると買う気無くなるし…。大口径単焦点レンズを使いたいと思わせるようなファインダーのカメラも少ないし、そもそもAPS-Cサイズの広角側の単焦点レンズも少ない。デジタルカメラはフィルムカメラの代替品になっていないのに、フィルムカメラがどんどんなくなっていく。

あとは、ネットオークションの存在もあるだろう。オークションについてはいろいろ意見もあるが、ここでは書かない。

中古カメラ屋さんにものが回ってこないのは、残り少ないフィルムカメラを新品で作っているコシナの価格設定が低いからではなく、皆の関心がデジタルカメラに行っているからだろう。デジタルになってからますます特定の交換レンズ(ズーム)ばかりが売れているんじゃないかな。そうすると中古には同じものがあふれるし、あふれたときには後継のいいレンズがでていて、旧製品は二束三文。中古屋さんだけじゃなくてカメラメーカー・レンズメーカーも自分で自分たちのフィールドを狭めて行っていると思うぞ。わたしゃ、フィルムが無くなったら写真趣味はやめますわ。10年20年使える35mmフルサイズのニコンFマウントデジタル一眼レフとか期待する方が間違っていると思うもの。

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