森永卓郎氏、「安倍『再チャレンジ』施策の真の狙い」(日経BP) ― 2006年10月31日 00時00分00秒
第55回安倍「再チャレンジ」施策の真の狙い(森永卓郎・構造改革をどう生きるか 日経BP)
再チャレンジ施策も同じことである。負け組がこれからも増え続けることを見込んでいるからこそ、安倍総理は再チャレンジを訴えているのである。もし、本当に負け組を減らして格差を縮小したいと思っていれば、企業が安易なリストラに走らないような政策をとるのが先決である。例えば、必要な規制を強化したり、雇用維持に補助金を出すといったことだ。
しかし、安倍総理がそうした政策を採用する気配はない。むしろ、規制緩和、弱肉強食の競争を促進させ、一部の企業だけが栄えるように仕向けている。労働者は次々にリストラされ、企業もどんどんと淘汰されるだろう。それによって転落する者が増えるから、再チャレンジの施策が必要となるのだ。
しかし、たとえ再チャレンジが何回できたとしても、それによって救われるのはほんのわずかの人たちだけだろう。社会自体が弱肉強食のままなのだから、弱者は何度チャレンジしても浮かばれることはない。
弱肉強食も怖いが、こっちの方がもっと怖いかもしれない…。
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