後藤哲朗氏本人に訊く:ニコンが設立した「後藤研究室」とは(デジカメWatch)2009年07月09日 00時00分00秒

アメ横・摩利支天徳大寺(京浜東北線車内から):GR DIGITAL、28mm相当、F3.5、1/350sec、ISO64、-0.3EV、プログラムAE

更新が遅れてすまぬ。

後藤哲朗氏本人に訊く:ニコンが設立した「後藤研究室」とは(デジカメWatch)である。謎の「後藤研究室」に迫る(笑)。

たとえばコンパクトデジタルカメラ市場で、ニコンは一眼レフほどの存在感を出せていません。それはなぜなのか?

そ、それはサンヨーのOEM…うわっ誰か来たー(笑)。

「メーカーの開発者の立場で物事を考えると、どうしても作り手側の都合や論理で物事を進めがちになるものですが、カメラユーザーの視点を持って、お客さんが“カメラでこんなことができれば~~”と思う気持ちを達成させるためのことならば、なんでもやっていきます」

えーと、絞りリングで絞りを変えられれば、Aiニッコールレンズで露出計が作動すれば、ファインダーでちゃんとピントの山が見えれば…すごく当たり前のことなんですけど…(笑)。

「写真をあまり撮らず、作品をあまり観ないでカメラを作る人が増えてきた、という感じは受けています。もちろん、きちんと写真を知っている技術者もたくさんいるのですが、カメラやサービスからどんな作品が生み出されているのか。そこを見ていない。そうした意味では(コンパクトデジタルカメラでファンから強い支持を得ている)某社の某カメラには、ニコンの製品がおおいに参考にすべきところもあり尊敬しています」

これって以前カメラグランプリの授賞式で誉めていたリコーのGR DIGITALのことかなぁ(カメラグランプリ 2006贈呈式を開催(デジカメWatch) ― 2006年06月01日参照)。広角単焦点レンズの楽しさ、コンパクトで自分の思ったような設定でさっと撮れるカメラ、学んでくだされ。分かってるんならどうしてD50の時代にAF DX Nikkor 18mm F3.5とか出してくれなかったんだろう。

ミラーのある一眼は、その動作音や振動も含めて撮影する人をその気にさせる精密な機械です。ファインダーの見え味も自然で、長時間カメラを使っても絶対に疲れない。“ミラーのある一眼”は、今後も続いていくカテゴリです

私も光学ファインダー、それもスクリーンに映るタイムラグのない一眼レフの像は素晴らしいと思っている。だからこそ、ファインダーでピントの見えるカメラにして欲しいのだ。小さい像が井戸の底にあってピントがどこに来ているのかわからないようなファインダーなんだったら、ミラーなんかないほうがいい。

デバイスを寄せ集めた単なる電気製品では我々にとっても、カメラ好きのお客さんにとってもよい方向には行かないと思います。ニコンの出番はそこにあるのではないでしょうか

そうそう、色んなレンズを色んなボディに自由に付け替えたいと思う。絞りリングのないレンズはレンズ単体で絞りを変えられないし、古いボディにも使えないじゃない。そんなんでいいの?ボディだけじゃなくて、レンズも電気製品みたいになってるんじゃないかなぁ。全部のレンズが絞りリングやAi連動がないといけないとまでは言わないが(18-55mmとかGタイプでいい)、85mm F1.4とか絞りリング無いと困るよ。絞りリング無くさないでね。

D3シリーズはとても高性能で簡単に撮影できるカメラですが、あまりに大きくて重い。大きくて重いと、人はそれを持ち歩こうと思わなくなります。中級から普及クラスでもそう思っておられるお客様が多いですから、従ってまずはもっとコンパクトなカメラを作る必要があると思います

コンパクトで廉価なFXフォーマットのカメラが登場するんですかねぇ。

「とにかくラインアップを揃えることで一生懸命になってしまいましたが、昨年のD3Xで一応ラインが完成した今、そこには異端児もないと面白くありませんよ。仮にですが、小さくて高性能だけれど、“ある部分”に関しては結構オバカな機種はどうでしょう。でも"別のある部分"はきちんと拘って作り込んでいる。今のニコンのラインナップは当たり前すぎますから、その正常進化を狙うだけでなく、意外性のある異端児も投入するためのアイディアを後藤研究室では練っています」

(中略)

「例えば自分本位ですが、もっと小さく、毎日カバンに入れて使えるカメラを作りたいんですよ。D40はかなりコンパクト化することができましたが、“オジサン”が持ち歩く製品はコンパクトでも多少のステータス性がないと受け入れてもらえません。軽量コンパクトであるところは突出した機能と性能。質感も頗る高い。でも連写はできませんとか、シャッターチャージは手動ですとか。たとえ話であれば、3万円の低価格一眼レフがあって、もっと手軽にラフに使ってもらうことを意識してもいい。いろいろな意味で発想を変えないとダメですよね」

EMみたいなカメラ、デジタルで出すのかなぁ。もうデジタル一眼レフに興味なくなってきたから期待してないけどね(苦笑)。フィルムカメラで出してくれるって言うんなら評価は変わるけど(笑)。


写真は記事とは直接関係ない。

アメ横・摩利支天徳大寺(京浜東北線車内から):GR DIGITAL、28mm相当、F3.5、1/350sec、ISO64、-0.3EV、プログラムAE

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