コニカミノルタのネガフィルムを使ってみよう ― 2005年12月14日 00時00分01秒

ドイツの名門フィルムメーカー、AGFA(アグファ)が会社清算でフィルム製造をやめたようだ。これでまた選択肢が減ったことになる。
そこで、世界的なメーカーKodak(コダック)や富士フィルムはまだまだ頑張るとして、フィルムとカメラ部門を縮小する方向を発表しているコニカミノルタのフィルム部門を応援する意味で、コニカミノルタのネガフィルムを紹介してみたい。
コニカミノルタ(旧コニカ-古くはサクラカラー、小西六)のカラーネガフィルムで、使いやすいISO感度400のものを紹介したい。
・センチュリアスーパー400
・センチュリアポートレート400
・ベビーフィルムほっぺにチュッ
・JX400
この中で、コニカミノルタのフィルムを初めて使う人にお勧めは、ベビーフィルムほっぺにチュッだ。
「なんやねん、その名前は。そんなママさんフィルムなんか使えるかいっ。」なんて声も聞こえてきそう(笑)だが、このフィルムをなめてはいけない。
実はこのフィルムは、「クラス世界最高レベルの超微粒子」として紹介されている「センチュリアポートレート400」と同じフィルムではないかと私は思っている。
その証拠に、コニカフィルムのサイトにあるフィルムテクニカルデータシートで両フィルムのデータシートを見比べて欲しい。
コニカカラー ベビーフィルムほっぺにチュッ(PDF 976KB)
コニカカラー CENTURIA PORTRAIT 400(PDF 1,800KB)
両フィルムの特性に全く違いはない。
そして、驚くことにベビーフィルムほっぺにチュッは異常に安い値段で販売されている。ベビーフィルムほっぺにチュッは27枚撮りしかラインナップがないのだが、例えばヨドバシカメラでは、3本パック522円税込み、5本パック837円税込みなのである。 ちなみにポートレート400の方は、36枚撮り5本パック2604円税込みとなっている。比較されないようにかポートレート400の24枚撮りのパックはないみたいだ。
では、ベビーフィルムほっぺにチュッはどんなフィルムか。 まず、人物撮影に適した滑らかさと粒状性がいい。次に人物の顔が明るく健康的に写る。そして、抜けるような青空もきちんと青く写る。そして軟調でハイライトが白飛びしにくく、シャドーも黒つぶれしにくい。 ただし、露出アンダーに弱いので、そのあたりは十分に注意すること。 あと、コニカミノルタのフィルムは、やや紫外線領域に感度があるようなので、いわゆる「青玉」と言われる紫外線をよく通すレンズの場合は、L39などのUVフィルターを使うこと。 紫外線をよく通すレンズだと色の濁りが気になることがある。
またコニカミノルタのフィルムは粒状性が悪いと言う人がいるが、きちんと露光してプリントする分には四つ切りでも粒状性は目立たない。 文句を言う人はたぶんスキャナーで読み取っている人ではないかと思う。スキャナで読み取ると、ネガは粒状性が目立ってくるし、富士のフィルムに比べてスキャン時の粒状性がコニカミノルタの方が少し目立つ。 おそらくフィルムの粒子の形の違いから来るものではないかと思っている。もうひとつ、ネガフィルムはもともとアンダーに弱いので、露出が不足気味の場合も粒が目立つ。コニカミノルタのネガフィルムは、フジフィルムに比べてアンダーの場合に粒状性が目立ちはじめるのが早い。なんでも露出オーバーで撮ればいいとは言わないが、絶対にアンダーにはしないという気概(笑)で撮って欲しい。
もう一点、現像・プリントに出すラボを選ぶということ。富士のフィルムはどこに出しても一定のレベルで返ってくるが、コニカミノルタのフィルムシェアは低いので、コニカミノルタのフィルムに合わせた調整ができないラボでは、イマイチなあがりになって返ってくる。 コニカミノルタ純正仕上げか、コニカミノルタの機械を使っている、あるいは、きちんとコニカミノルタ用に調整してくれるラボにだしたい。 今回はベビーフィルムほっぺにチュッを紹介したが、次回は隠れた銘フィルムJX400について書きたい。
コメント
_ りー ― 2005年12月14日 10時17分52秒
_ Haniwa ― 2005年12月14日 11時04分11秒
当時うちの親父が撮った家族写真は、ほとんどサクラカラー24枚撮りですね。
それまではコダック(袋が東洋現像所!)やフジばかりだったんですが。
私もコニカを使うきっかけは、JX400-36枚撮りが100円で売られていたからです(笑)。
10年位前のフジのネガは、空が藤色に写り、人物も顔色が悪く、紫やエンジなどの中間色の服はプリントするたびに色が違うし本物の色と全然違う。何箇所かラボを変えたりしていたところにJX400が100円で目の前に現れたのです(笑)。
JX400は抜けるような青空、軟調で情報が豊富、紫やエンジも安定して本物に近い色がでて、顔色もよく写りました。フジのアスティアのイメージです。
それ以来コニカのネガを愛用しています。
_ りー ― 2005年12月15日 09時43分25秒
アレは好きなフィルムです。
コニカはいいものを作るのに、今ひとつ不遇ですね。
あ、我が家にも初代ヘキサーがあった。
一時期モノクロスナップは、こればかり使いました。
古いものでは、ジャーニーコニカ、ジャスピンコニカ、ピッカリコニカなんてありましたね。
井上順のCMで。
_ Haniwa ― 2005年12月15日 11時51分34秒
シャッタースピードが1/250秒までだから…なんて理由つけているうちに製造中止になってしまいました…
あのレンズがいいんですよね。
ジャスピンコニカ、ピッカリコニカは、世界初のAF初の内蔵ストロボなどの名誉あるコンパクトカメラですよね。
井上順のCMは「CMの日」などの特集番組で放映していることがあります。
JX400は同じ名前で少しずつ中身が変わってきているようです。
私はJX400が正式にラインナップされていた時代のものがよかったように思います。
段々とコントラストが高くなってきているように思います。
(現在はJX400IIとフィルム枠外に入っています)
アスティアも今のRAP Fよりも、前のRAPの方が好きでした。
センシアもよく使いましたが、前のRAが好みでした。
RAPFやRA3になってから少しケバケバしくなったように思います。
かといってコダクロームは状況によっては渋すぎ(笑)。
EPPやEPNも試してみようっと。
それにしてもコニカミノルタはどこへいくんでしょうね。
マラソンが得意だった選手に、監督が「マラソンは強豪がひしめいてるから短距離に専念しろ」とか言ってるような気がします。
あっ、コニカといえば駅伝でしたっけ?
_ jin@tokyo ― 2007年03月13日 22時59分45秒
こんな昔の記事にコメント付けて申し訳ありません。
ひとつお聞かせください。
>紫外線をよく通すレンズだと色の濁りが気になることがある。
空に向けてシャッターを切ったとき、あがったプリントの青空がざらっとしてくぐもったような色になるのは、これが原因のひとつだったり
するのでしょうか??
_ Haniwa ― 2007年03月14日 09時09分45秒
古くても構わないんですよ。リアルタイムでなくても意見交換できるのが、Blogのいいところですから。
そうですね、簡単には言い切れないのですが、同じ状況でL39を付けてみて改善するようなら紫外線の影響でしょうね。富士のリバーサルは比較的紫外線の感度が低いようなのでよほど紫外線をよく通すレンズでないと違いは出にくいのですが、コニカのネガはデータシートを見ると紫外線領域の感度が結構ありました。古いAi Nikkor 50mm F1.8Sや最近のでは、コシナのUltoron35mm F1.7、Nokton 50mm F1.5などがL39使用を推奨されていました。
シグマの28mm F1.8(I型)は、シートフィルターSC-40Mを使ってからは、コニカミノルタのネガで気になることはなくなりました。むしろ、遠くの雲がくっきり写るようになって、あとで「ちょっと美化されすぎた空のような気が…」みたいなこともありますが(笑)。
_ jin@tokyo ― 2007年03月14日 11時45分34秒
以前、0円プリントで空がすごくざらついた写真があがってきた時は、0円プリントの現像の処理が悪かったのかなあ・・・とも思ったのですが、紫外線の影響もあったのかなあ・・・と今になって思ったりもしています。その時はフジのネガでしたが・・・。
今回、いつもお世話になっている写真屋さんでも同じような現象が起きたので、もしや紫外線が原因かなあ・・・??と思った次第です。
そうですね。リバーサルではこういうことって起こった事無いです。
コンパクトカメラ(T3やμ2ですが)や一眼レフのレンズにはコーティングがされていますが、こういうのって紫外線の対策のコーティングはされていないんでしょうかねえ・・・。T3に関しては外付けのUVフィルターガ存在するので、「されていない」ってことになるんでしょうが・・・。
_ Haniwa ― 2007年03月14日 12時30分43秒
コーティングはいいものはコストが掛かるそうです。一番いいのは、紫外線はほとんど通さず可視光線のところでスパッと立ち上がって、そのままフラットに赤外領域まで通すようなレンズです。それでいてカラーバランスが整っているという。レンズ自体が色が付いていたり色によって透過率が違うので、完璧にするのは難しいと思います。それをどこで手を打つか、によって結果が変わります。焦点距離やレンズ構成・硝材によってはあまりコーティングにコストかけずに実現できる場合もあるでしょうし。
ライカは昔からUVフィルターは不要と豪語していました。紫外線を通さないコーティングをしていると。昔のシグマは、レンズの性能はいいのですが、価格的にコーティングにお金を掛けられなかったので、コーティングさえよければ…なんてよく言われていました。
日本カメラのテストレポートにはレンズの分光感度が出ています。いままで見た中ですごかったのは、ニコンのS3復刻版に付属していたNikkor S 50mm F1.4です。上に書いたようなグラフでした。
結局、どのレンズがどうなのかは自分で使ってみるしかないです。富士のカラーフィルム使う分にはあまり関係ないかもしれませんし(モノクロは紫外線にも感度があります)。UVフィルターもメーカーによっては黄色味が強いものがあります。一口にL39といっても特性が色々あるようです。なるべく特性がグラフで公開されているメーカーのフィルターを買うようにしています(←気休め-笑)。
_ jin@tokyo ― 2007年03月14日 18時38分47秒
>ライカは昔からUVフィルターは不要と豪語していました。
おお、そうなんですか。てっきり設計の古いレンズなので必要かと思っていました。
保護にもなるのでライカレンズにもUVは付けていますが・・・。
今日、新宿でT3とPENTAX FA43mm用のUVフィルターを買いました。
これで心置きなくコニミノのフィルムを外で使えます(^_^)
ただT3はアダプタを付けたりしないといけないのでメンドーですね。
_ Haniwa ― 2007年03月15日 08時29分05秒
ライカレンズお持ちですか。うらやましい。そうなんです、ライカのカタログにはライカレンズの場合UVフィルターは保護の役割しかありません、みたいに書かれていました。
UVフィルターもデジカメでは不要なので、だんだんと危うい存在になりつつありますね。L39はまだ大丈夫ですが、L37cやスカイライト(L1Bc)はニコンでは生産終了になってしまいました。ニコンのL39ってたしかマルチコートじゃなかったような気がします。
_ jin@tokyo ― 2007年03月15日 21時17分47秒
_ Haniwa ― 2007年03月16日 08時48分09秒
それはあると思います。モノクロフィルムはカラーフィルムよりも紫外線に感度がありますので。
話が逸れますが、ライカのフィルターって高いんですけれども、平面性が優れていて全然違うという噂があると、サンダー平山氏がどこかで書いていたように記憶しています。レンズは買えないからせめてフィルターだけでも…(笑)。
_ jin@tokyo ― 2007年03月16日 22時32分35秒
ライカのフィルターは高いのでケンコーのフィルター使ってます( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ
_ Haniwa ― 2007年03月16日 23時03分20秒
ケンコーのフィルターはいいと思いますよ。L37 Super PROとか値段の高いコーティングのいいものは、特にいいです。昔から薄枠なのも気に入っていました。Nikonのフィルターとなぜか外観がよく似ています。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。
トラックバック
_ literacy desires - 2006年01月07日 05時23分17秒
_ ひまつぶし - 2006年03月28日 21時24分49秒
ISO 400 27枚撮り3本セットが\398-で買えるので常用していますが、露出アンダーにはめっぽう弱いと思います。陽が落ちて空の色が夕暮れから夕闇に変わろうというときの色が好きでトライしましたが、ご覧の結果...
以前「ママ撮って」とかいうフィルムがありましたね。
でもどうしてもネガカラーと言えばフジを使ってしまうなあ。
中古レンズの簡単なテスト撮影の時に、キタムラの店頭にある激安のJX200-24枚撮り(だったかな?たしか100円くらい)を買うくらいです。
コニカと言えばサクラカラー。
20枚撮りが普通の時代に24枚撮りが出た時の、欽ちゃんの「4枚増えて値段は同じ。どっちが得かよーく考えてみよう」を思い出します。
ああ歳がバレるう。