『レンズ設計工学』『レンズのしくみ』中川治平著 ― 2025年04月01日 00時00分00秒
今日は4月1日なのだが、このブログではエイプリルフールはずっとやっていないので、嘘偽り無しの記事でいこう。実は「トランプ大統領が米国内で発売の交換レンズに絞り輪を義務づける大統領令に署名、従わないと100%の関税」とか考えたけど面白くないので却下だったりする。
さて、タイトルの『レンズ設計工学』『レンズのしくみ』中川治平著なのだが、以下の書籍だ。
レンズ設計工学
中川 治平(著)
東海大学出版部(東海大学出版会)
発行年月日:1986/08/31
ISBN-10:4486009436
ISBN-13:9784486009436
判型:A5
ページ数:213ページ
価格 ¥3,850(本体¥3,500)
版元の東海大学出版部に該当のページが見つからないのだが、まだ新本で手に入る本だ。なぜかヨドバシドットコムにいつも在庫複数があるようなので、ヨドバシドットコムで買った。送料無料で素早く到着。
どうして中川治平著の『レンズ設計工学』を買う気になったかというと、最近SG-imageなどの安価な新しいレンズのレンズ構成がシンプルなので、レンズ構成図を挙げることが多いのだが、よくわかっていないことがひとつ。
もうひとつは、最新のニッコール千夜一夜物語のニッコール千夜一夜物語 第九十三夜 Ai AF Zoom Nikkor 24-50mm F3.3-4.5Sでの佐藤治夫氏がいつにもまして詳しく書かれており、
それでは第1群、第2群それぞれの構成を少し見ておきましょう。第1群は凹凸凹凸4枚構成で、25-50mmと同様の構成にしました。広角超広角ズームレンズの1群の基本タイプは大きく分けて凸先行の凸凹凹凸構成と凹先行の凹凸凹凸構成の2タイプあります。この2タイプにはそれぞれ一長一短の特徴があります。私はフィルターサイズを極力抑えてダウンサイジングさせたかったので、中村さんが得意とした凹先行タイプを選択しました。もっと詳しく知りたい方は、是非ニッコール千夜一夜物語第五十五夜の「5,前玉の秘密」を読み返してください。さらに詳しく説明してあります。
とあり、ニッコール千夜一夜物語第五十五夜の「5,前玉の秘密」を見ると、
広角レンズの前玉(前群)には一般に2つのタイプが存在します。図2をご覧ください。1つは凸レンズ(正レンズ成分)から光学系が始まる「凸先行タイプ」です。そして、もう1つは凹レンズ(負レンズ成分)から始まる「凹先行タイプ」です。レンズに詳しい読者の皆さんは見覚えがあると思います。世界中の広角レンズから広角・標準ズームに至るまで、この2つのタイプに大別することができるのです。
読者の皆さんにはこの2つのタイプの広角レンズがランダムに混在するように感じるでしょう。しかし面白いことに、画角2ω=100°を越える辺りから前玉(前群)の様子が一変します。どのメーカーの超広角レンズも凹先行タイプとなり、凸先行タイプのレンズがほとんど無くなります。それはなぜなのでしょうか?その秘密は東海大学出版会から出版されている「レンズ設計工学/中川治平著」のP119に詳しく述べられています。その秘密は図2に示した2つのタイプにおける光線の屈折の振る舞いを観察することで理解ができます。
「その秘密は東海大学出版会から出版されている「レンズ設計工学/中川治平著」のP119に詳しく述べられています」なんて書いてあって、検索したらヨドバシドットコムに「在庫あり」なんてあったら、反射的にクリックしてるでしょう、これは。もう避けられない(笑)。
レンズ設計工学 [単行本](yodobashi.com)
ちなみに、東海大学出版会は1962年に設立され、2014年4月 に「東海大学出版会」を「東海大学出版部」へ名称を変更している。そのため、「レンズ設計工学/中川治平著」は、1986年の第1版第1刷は、「東海大学出版会」だが、私が買った2014年8月20日第1版第5刷では、「東海大学出版部」になっている。大学から独立した出版会から大学の一部門になったのだろう。大学出版部協会も2020年に脱退しているようだ。
ついでに書くが、東海大学創立者の松前重義著の『二等兵記』を読みたいのだが、古本しかないようで、東海大学出版部は『二等兵記 付記 召集事件の背景』(東海大学出版会、1977年)をちゃんと復刊というか重版してほしい。松前重義氏は、東北帝国大学出身の逓信省官僚で勅任官であるのに、日米開戦後に日本の生産力はアメリカ合衆国に遠く及ばない現実を各方面へ報告したことから、二等兵として召集されて1944年(昭和19年)に南方戦線へ送られたという経歴の持ち主なのだ。それが書かれているのが『二等兵記』なのだ。ほかにも『死地に追いやられた二等兵の手記』(旺文社、1957年)、『その後の二等兵』(東海大学出版会、1971年)などがある。松前重義氏は、1932年(昭和7年)に「無装荷ケーブル通信方式」を完成させた人でもある。
話はそれたが、もうひとつの本は、中川治平著『レンズのしくみ』だ。
『レンズのしくみ』
中川 治平(著)
ナツメ社
発行年月日:2010/08/10
ISBN-10:4816349383
ISBN-13:9784816349386
判型:B6
ページ数:227ページ
価格 本体¥1,380 + 税
こちらは新本で手に入らなかったので古本で手に入れた。『レンズ設計工学』よりも新しいレンズについての説明があるとのことなので、買った。
ということで、ニッコール千夜一夜物語 第九十三夜 Ai AF Zoom Nikkor 24-50mm F3.3-4.5Sも、中川治平著『レンズ設計工学』『レンズのしくみ』も項を改めて書きたい。今宵はここまでに致しとうござりまする(古)。
写真は、中川治平著『レンズ設計工学』(右)、中川治平著『レンズのしくみ』(左)だ。
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