北川民次展(世田谷美術館) ― 2024年09月30日 00時00分00秒
北川民次展が東京・世田谷美術館にも巡ってきたので、名古屋市美術館に続いてまた見てきた。
北川民次展(名古屋市美術館) ― 2024年08月13日参照。
北川民次展は今回も基本的に撮影可能だった。ただ、事前には世田谷美術館のサイトでは撮影可能かどうか確認できなかった。当日北川民次展の入口を入ったところに掲示があった(写真2参照)。
前年の二科展に初出品した作品 《 メキシコ、銀鉱の内部》(1937年) を塗りつぶし、その上に描かれた作品。 制作当時、 北川は新しいキャンバスを買うお金もなかった。 タイトルの「戦後」とはメキシコ革命後 を指す。 砲車のもとにいる白馬は、 革命の指導者エミリアーノ・サパタの愛馬か。 一方、 材木の下敷きとなっているマゲイ (龍舌蘭) は、 メキシコの伝統文化を連想させる。山の麓を出発した列車は、途中で脱線し横転している。 発表当時、大砲を向けられている山 (ポポカテペトル) が富士山に似ていることから、 反国家的な含意を疑われたという。 「思いもよらぬ問題」 と北川は回顧しているが、この不穏な情景には、当時の日本を重ねずにはいられまい。
II_3
メキシコ戦後の図
1938年
宮城県美術館
北川は敗戦直後の民衆の辛苦を表すべく 「VAE VICTIS 〔征服 された者は不幸なるかな〕」のシリーズを描いた。 <雑草の如く> の連 作もそこに含まれ、やはり壁画の下絵という狙いがあったという。
《雑草の如くⅡ》ではテーブルを挟んで人々が上下に分かたれ、 持つ者と持たざる者、支配する者と支配される者の対比が表現 されている。 では、画家たる北川自身の姿は、 どちらに投影され ているのだろうか。 まず 「雑草」の語が示すように、画家は後者 の立場にあり、抵抗する民衆の一人なのだと見ることができよう。 一方、ここには二科会の構造が示されていて、 上の男性二人が 東郷青児と北川、下が若手画家たちだとする説もある。 北川は 牛耳る立場にいながら、それを客観的かつ批判的に見つめてい るというわけだ。
II_10
雑草の如くII
1948年
名古屋市美術館
ということで、権力におもねず、常に民衆とともにあり、子どもの自由な発想を重視した、北川民次さんの絵画は素晴らしいので、みなさん是非観に行ってほしい。
生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ
愛知・名古屋市美術館:2024年6月29日(土)~9月8日(日)【終了】
東京・世田谷美術館:2024年9月21日(土)~11月17日(日)【会期中】
福島・郡山市立美術館:2025年1月25日(土)~3月23日(日)
【写真1】生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ(世田谷美術館)入口:):Nikon Z6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、絞り優先AE(F8、1/25秒)、電子シャッター、ISO-AUTO(ISO 800)、ピクチャーコントロール:AUTO、AWB(3600K)、マルチパターン測光、オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、自動ゆがみ補正ON(強制ON)、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Nikon NCフィルター、バヨネットフード HB-85
【写真2】生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ(世田谷美術館)撮影可能を伝える掲示:):Nikon Z6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、絞り優先AE(F5.6、1/100秒)、電子シャッター、ISO-AUTO(ISO 140)、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、自動ゆがみ補正ON(強制ON)、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Nikon NCフィルター、バヨネットフード HB-85、なぜか動画からの静止画切り出しになってしまった。
【写真3】「メキシコ戦後の図」(生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ(世田谷美術館)):Nikon Z6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、絞り優先AE(F8、1/30秒)、電子シャッター、ISO-AUTO(ISO 4500)、ピクチャーコントロール:AUTO、AWB(3080K)、マルチパターン測光、オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、自動ゆがみ補正ON(強制ON)、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Nikon NCフィルター、バヨネットフード HB-85
【写真4】「雑草の如くII」(生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ(世田谷美術館)):Nikon Z6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、絞り優先AE(F8、1/30秒)、電子シャッター、ISO-AUTO(ISO 8000)、ピクチャーコントロール:AUTO、AWB(3160K)、マルチパターン測光、オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、自動ゆがみ補正ON(強制ON)、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Nikon NCフィルター、バヨネットフード HB-85
【関連追記】
北川民次展(名古屋市美術館) ― 2024年08月13日 (Haniwaのページ作者のブログ)
特別展 生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ(名古屋市美術館 2024年6月29日~9月8日)
生誕130年記念
北川民次展―メキシコから日本へ(世田谷美術館 2024年9月21日~11月17日)
郡山市立美術館 2024年度の展覧会(生誕130年記念 北川民次展 メキシコから日本へ 2025年1月25日~3月23日)
コメント
_ ノラ猫軍将軍山本ミケ六 ― 2024年10月02日 09時50分13秒
_ Haniwa ― 2024年10月02日 14時53分23秒
>>ということで、権力におもねず、常に民衆とともにあり、
子どもの自由な発想を重視した、
北川民次さんの絵画は素晴らしいので、みなさん是非観に行ってほしい。
>
>皆子供だったにもかかわらず忘れますからねぇ、
>子供の時の感覚。
そうです。平気でザリ○ニを手でばらばらにした感覚とか(泣)。
カ○ルに爆竹くわえさせて遠投したり(泣)。
>>ということで、権力におもねず、常に民衆とともにあり、子どもの自由な発想を重視した、北川民次さんの絵画は素晴らしいので、みなさん是非観に行ってほしい。
>
>ハニワニワの不当支配を行うHaniwaと無辜の野良猫達の対比は、
>ついに世界大戦にまで起こしそうな様相で……。
>イランがいつものミサイル弾着させて終わり……と言うだけで終われば良いんでしょうけど、
>下手すると…………
かつて猫たちが平和に暮らしていた土地はいつのまにかハニワニワと呼ばれ、Haniwa一家が入植し、猫たちを超音波兵器で追い出しに掛かります(泣)。「平和に暮らしていたんじゃない、ただ糞尿をしに来てただけじゃないか」とハニワネフは言います(泣)。
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子どもの自由な発想を重視した、
北川民次さんの絵画は素晴らしいので、みなさん是非観に行ってほしい。
皆子供だったにもかかわらず忘れますからねぇ、
子供の時の感覚。
>ということで、権力におもねず、常に民衆とともにあり、子どもの自由な発想を重視した、北川民次さんの絵画は素晴らしいので、みなさん是非観に行ってほしい。
ハニワニワの不当支配を行うHaniwaと無辜の野良猫達の対比は、
ついに世界大戦にまで起こしそうな様相で……。
イランがいつものミサイル弾着させて終わり……と言うだけで終われば良いんでしょうけど、
下手すると…………