AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED 定点作例 ― 2024年12月03日 00時00分00秒
Z50IIにレンズ名が記入できるというところから深みにはまりつつあるExifに記入されたレンズ名などの情報はもう少し調べる必要があるのでお待ちください。
ニコンZ50IIのレンズ情報手動設定にレンズ名入力欄 ― 2024年11月25日
ニコンZ6 + FTZ + CPUレンズでのExifレンズ名(追記・訂正あり) ― 2024年11月27日
今日は、これまで既にしれっと作例は挙がっていたのだが、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED の定点撮影の作例をば。
【写真1 自動ゆがみ補正なし】神田川(和泉橋から神田ふれあい橋方向を望む):Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED 、F5.6 絞り優先AE、1/250秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5220K)、マルチパターン測光、 シングルポイントAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、RAW(NEF)ファイルをNX Studio 1.7.0で現像(自動ゆがみ補正:なし)したものをJPEGで書き出してリサイズ
【写真2 自動ゆがみ補正あり】神田川(和泉橋から神田ふれあい橋方向を望む):Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED 、F5.6 絞り優先AE、1/250秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5220K)、マルチパターン測光、 シングルポイントAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、RAW(NEF)ファイルをNX Studio 1.7.0で現像(自動ゆがみ補正:あり)したものをJPEGで書き出してリサイズ
なお、両者ともシングルポイントAFのAFターゲットはいつも通りに中央の向こう側の橋(神田ふれあい橋)にしてある。
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDはGタイプのレンズなので自動ゆがみ補正が当てられるのだが、普段ニコンZ6は自動ゆがみ補正はONのままに撮っている。したがってJPEG画像はゆがみ補正ありで撮影されているのでそちらを出せばよいのだが、他のパラメーターが違っているといけないので、RAW(NEF)ファイルで自動ゆがみ補正ありとなしの両方をJPEGで書きだして比較することにした。
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDは、アサヒカメラ2015年4月号のニューフェース診断室[684]ニコンD750+AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED (田沼武能 川向秀和 志村努 西一樹/編集部)によれば、歪曲収差は、-2.3%の樽型だそうで、「単焦点にしてはやや大きいが、焦点距離からすれば健闘している」(同254ページ)とのことだ。
自分は、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDは自動ゆがみ補正を当てない状態でも歪曲収差は気にならない。超広角レンズの歪曲収差にうるさいと自認する自分から見ても気にならないというのは、おそらく自然な感じの樽型だからだろう。
Ai Nikkor 20mm F2.8Sは、非球面レンズを使わずに歪曲収差を小さくしようとして陣笠型の歪曲になっているので、撮影距離や被写体によってはなんか歪曲が気になることがあった。Ai Nikkor 20mm F2.8Sは、フィルム時代のレンズなので、撮影時に歪曲収差を補正するなんて考えも寄らない時代だからこの設計思想そのものを責めるわけにはいかない。
まあそういう場合は、Ai Nikkor 20mm F2.8Sと同じ光学系とされるAi AF Nikkor 20mm F2.8Dを使ってRAW(NEF)ファイルにNX Stuidioで自動ゆがみ補正を当てればいいのだろう。ニコン純正レンズにおける自動ゆがみ補正って、複雑な歪曲収差のある場合に非常に有効だよなぁ。CPU付きレンズでもSタイプは自動ゆがみ補正が当てられないのは、おそらく撮影距離によって歪曲収差が変化するので、距離情報のないSタイプだとうまくいかないのだろう(DタイプやGタイプは撮影距離の情報もEXIFに書き込まれる)。
こうしてAF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDをみてみると、光学性能はNIKKOR Z 20mm f/1.8 Sの方がよいのだろうけれども、リーズナブルな価格で手に入ってこの性能なので、結構いいのではないだろうか。絞り環がないのがちょっとアレだが(NIKKOR Z 20mm f/1.8 Sだとピントリングを絞りリングに割り当てられるが、リングが一つしかないのでそれはそれで使いにくいような気がする)。
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDを見てみると、やっぱりCarl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)ってすごいレンズなのだなと思う。【追記】ZEISS Biogon T* 2.8/21 (Datasheet PDF)のDistortionのグラフとか見てみて欲しい。【追記ここまで】AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDとCarl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)の比較記事は近いうちにやりたい。
【関連追記】
Nikon Z6作例4(CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8) ― 2021年11月24日
Nikon Z6作例7(AI Nikkor 20mm f/2.8S) ― 2022年01月19日
しまった、CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8もAi Nikkor 20mm F2.8Sも縦位置で撮ってたんだ。こりゃ比較しにくいな。しかし、和泉橋って人通りが多いのでここでレンズとっかえひっかえとかしたくないんだよなぁ。レンズとかキャップとか水面に落としそうだし。
【関連追記ここまで】
【さらに追記】
超広角レンズの秋葉原・和泉橋定点撮影としては、
ニコンZ専用設計の「SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical」2月発売(デジカメWatch) ― 2023年01月19日のAF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G EDの作例と
おもしろレンズ工房ぎょぎょっと20 + Nikon Z6 + FTZ作例2 ― 2022年12月07日もご覧くだされ。
【さらに追記ここまで】
ニコンZ50IIのレンズ情報手動設定にレンズ名入力欄 ― 2024年11月25日 00時00分00秒
ボディ内手ぶれ補正とイメージセンサークリーニング機能がないから残念と私が言っていた、2024年12月13日発売予定のニコンZ50IIのレンズ情報手動設定にレンズ名入力欄があるようだ。
Z50II 活用ガイド レンズ情報手動設定
別売のマウントアダプターを使用して装着する非CPUレンズの情報を登録します。非CPUレンズの焦点距離と開放絞り値をカメラに登録することにより、これらの情報を撮影情報として表示できます。
項目 内容 [レンズNo.] レンズ情報を登録するレンズNo.を選びます。 [焦点距離(mm)] レンズの焦点距離を入力します。 [開放絞り値] レンズの開放絞り値を入力します。 [レンズ名] レンズ名を登録します。最大36文字まで入力できます。登録したレンズ名は、撮影した画像のExif情報に記録されます。
一番下の[レンズ名]という項目が、Zシリーズで初めて登場した項目だ。
これまでのZシリーズでは、マウントアダプターFTZやFTZ IIで非CPUレンズを装着した場合には、レンズ情報手動設定で入力した[焦点距離(mm)]と[開放絞り値]がExifに記録されていた。ただし、FTZもFTZ IIもAi連動には対応していないので、非CPUレンズがどの絞りになっていてもExifには「絞り値」として「開放絞り値」が記録されていた。
具体的には、非CPUのMFレンズであるAi Nikkor ED 180mm F2.8SをFTZ経由でニコンZ6に装着して、F5.6で撮ってもExifには「絞り値」には「F2.8」と記録される。これがCPUレンズだとボディ側で絞りを制御することになるので、Exifの「絞り値」には、実際に撮影したときに設定された絞り値が記録される。
それ以外に、CPUレンズだと、Exifの「カメラ情報」の「レンズ」のところに、たとえばAF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDだと「20mm f/1.8G」などと記録されていた(なぜかフルネームではない※)。非CPUレンズの場合はExifの「カメラ情報」の「レンズ」は空欄だ。ちなみにNIKKOR Zレンズを直接Z6に装着した場合には、たとえばNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sだと「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」とフルネームで記録されていた(もっと長い名前のNIKKOR Zだとどうなのかは分からない)。
【追記】※似たようなスペックのレンズの略記は気になるところだ。所有レンズの中では、Ai AF Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4-5.6DがExifでは「70-300mm f/4-5.6D」となっており、AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-EDが、「VR 70-300mm f/4.5-5.6G」となっている。
【追記ここまで】
今回のニコンZ50IIの「レンズ情報手動設定」には[レンズ名]入力欄ができ、「別売のマウントアダプターを使用して装着する非CPUレンズの情報を登録します。非CPUレンズの焦点距離と開放絞り値をカメラに登録することにより、これらの情報を撮影情報として表示できます。」というのだ。先の例でいえば、[レンズ名]のところに、「Ai Nikkor ED 180mm F2.8S」と入力したら、Exifにもそう記録されるということだ。これは朗報だ。
ただ、「別売のマウントアダプターを使用して」とあるので、FTZやFTZ II以外のマウントアダプターではおそらくExifに[レンズ名]は記録されないのだろう。ただ、CPU接点をもつ社外電子マウントアダプターならば、入力した[レンズ名]がExifに記録される可能性は高い。逆に、社外電子マウントアダプターが塞がれる可能性も若干あるが……。
ということで、このニコンZ50IIのレンズ情報手動設定にレンズ名入力欄は画期的なので、過去のZシリーズボディ全部にファームアップで対応してもらえないだろうか。
【関連追記:2024年11月27日】
ニコンZ6 + FTZ + CPUレンズでのExifレンズ名 ― 2024年11月27日
【関連追記ここまで】
写真は記事とは関係ない。あっ、FTZでCPUレンズ装着だから関係あるか。
【写真1】今週のナナちゃん(全身、ナナ色。):Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F8 絞り優先AE、1/40秒、ISO-AUTO(ISO 640)、AWB(4200K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、ピクチャーコントロール「オート」、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、JPEGからリサイズのみ
【写真2】今週のナナちゃん後ろ姿(全身、ナナ色。):Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F8 絞り優先AE、1/40秒、ISO-AUTO(ISO 640)、AWB(4080K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、ピクチャーコントロール「オート」、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、JPEGからリサイズのみ
今回こそは、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8を持って行こうと思ったのだが、帰りが夜遅くになりそうだし、日が沈むのが早くなっているので、オートフォーカスで開放F値がF1.8のAF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDの方をまた持って行った。ちなみにこの写真は朝だ。
Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8もZ50IIとTECHART TZG-01ならば、Exifに「Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8」とか記録されるんだろうなぁ。羨ましい。
APO-LANTHAR 50mm F3.5 Limited(赤城耕一のアカギカメラ) ― 2024年11月20日 00時00分00秒
デジカメWatchの「赤城耕一のアカギカメラ」でAPO-LANTHAR 50mm F3.5 Limitedが取りあげられている。
第106回:切れ味鋭い、いまどきの小口径50mmレンズ「APO-LANTHAR 50mm F3.5 Limited」(赤城耕一のアカギカメラ2024年11月20日 07:00 )
冒頭、なぜか大口径レンズを買わない理由がずっと述べられている(笑)。APO-LANTHAR 50mm F3.5 Limitedが、F3.5と小口径だからだろう。それにしてもそんなに大口径レンズ買わない理由をたくさん挙げなくても……。
かつては高価な超高級大口径レンズを購入することが我が人生の最大目標となっていました。でも、最近はすっかり熱が冷め気味のアカギでございます。おはようございます。
熱が冷めた理由はいくつかあるのですが、まずはこの理由をひとつずつ挙げて検証してみることにします。
まずは高額であること。
(中略)
2つ目は、大きく重たいこと。
(中略)
3つ目は、筆者の場合には大口径レンズを使うことが必然であるという被写体が少ないことであります。
(中略)
4つめは、ミラーレス時代になって、大口径レンズを装着したときにみるファインダー表示像観察のありがたみが薄れてしまったことであります。
(中略)
まだありますよ。5つめです。(中略)フィルム時代は暗い場所で多くの光を取り入れる必然がありましたから、大口径レンズを使う必然というシーンはありました。ところが最近では室内や夜間においても、スピードライトを使用する機会も少なく、大口径レンズを使う必然も薄れてしまいました。
(中略)
で、ここからやっと本題になります。今回もまた前フリが長かったですね。すみませんね、こちらとしてもコストに見合わないんで短くしたいのですが筆力が薄いので難しいのです。あ、面倒な人はAI要約をどうぞ。
今回のお題はコシナ・フォクトレンダー「APO-LANTHAR(アポランター)50mm F3.5 VM」であります。やっとここまできたぜ。
ということで、ミラーレスカメラやレンジファインダーカメラで使う場合には、浅い被写界深度を表現に応用するため以外には、大口径レンズを使う必然性がないということのようだ。私の引用には中略がたくさんあるが、赤城耕一氏の文章の醍醐味はこの省略した部分にこそあるので、是非元の文を読んでくだされ。
それで、APO-LANTHAR 50mm F3.5 Limitedは、「すごい」らしい。
まず画像をみた初見の印象を一言でいえば、従来のAPO-LANTHAR 50mm F2とか35mm F2と同様にものすごくピントが薄いことであります。これには驚きました。
また、スナップするからある程度絞って、目測でパチっていう従来のレンジファインダー的スナップ撮影も試してみたのですが、撮影画像をみると、合ってないんですよねピントが。まぢで。筆者半世紀の目測経験がまったく通用しませんでした。被写界深度というのは“ピントが合ったようにみえる”だけという光学理論をつきつけられることになります。
でね、まだあるわけですよ。ボケ味です。こうした小口径レンズの場合は多少ボケがヤクザな再現でもいいんじゃね?みたいな認識があるのですが、このレンズはよい感じに輪郭を自然な雰囲気のままトロかせるわけであります。これね、けっこうすばらしいですね。オールドレンズのクセのあるボケ味に頼っているうちは写真は上達しません。
うーん、これは欲しくなってくるじゃないですかぁ。買うんなら、Type IIの方のブラックかな(←既にアブナイw)。
フォクトレンダー「APO-LANTHAR 50mm F3.5」の発売日が決定(デジカメWatch 2024年8月28日 15:10)
しかし、50mmレンズ何本持ってるんだよオレ。Ai AF Nikkor 50mm F1.4D、Ai Nikkor 50mm F1.2、NIKKOR-S・C Auto 50mm F1.4 (Ai改)、NIKKOR-S Auto 5cm F2の4本かな。APO-LANTHAR 50mm F3.5 は、F3.5で開放F値が被らないからセーフ(←かなりアブナイw)。
冒頭で、大口径レンズへの熱が冷め気味と書いたような気がしますが、実は本レンズを今回思い切り試用している間に、F1.2あたりの大口径50mm標準レンズを使いたくなってむずむずしてまいりました。
えっ?
写真は記事とは関係ない。
ミッドランドスクエア(豊田・毎日ビルディング)(名古屋市中村区):Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F8 絞り優先AE、1/100秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5280K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、RAW(NEF)ファイルをNX Studio 1.7.0で現像(露出補正-1.16EVのみ)したものをJPEGで書き出してリサイズ
名古屋駅前にある「ミッドランドスクエア MIDLAND SQUARE (豊田・毎日ビルディング)」。地上47階の建物なので、歩道の端からちょうど20mmレンズで入りきる感じになる。20mmレンズのためのビルだな(違)。
JPEG撮って出しの方ではやや明るく撮れていて空の色が気に入らないので、RAW(NEF)ファイルでマイナスに露出補正している。
【追記】そうそう、左上の方にゴミが写り込んでいる。帰宅するまで何回も電源をON・OFFしてゴミ取り機能(イメージセンサークリーニング)を作動させていたのだが、結局取れず、帰宅してからレンズを外してブロアで拭いたら取れた。白い大きな繊維のようなゴミだった。【追記ここまで】
ニコンZ6でCarl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8を使うとブルーグレーの色被りが残るのでまだ名古屋には持って行ってなかったのだが、CornerFixで解決したので、そのうちBiogon T* 21mm F2.8で名古屋を撮ってみたい。
CornerFixでBiogon T* 21mm F2.8とニコンZ6での周辺色被りを解決 ― 2024年10月07日
【さらに追記】
Biogon T* 21mm F2.8はコンパクトで写りも非常によいのだが、絞りリングのないAF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDを使っているのは、Biogon T* 21mm F2.8はやっぱりピント合わせがし難いからだ。CONTAX G用のBiogon T* 21mm F2.8はピントリングがなく、マウントアダプターのリングでAF駆動用のカップリング軸を回してピントを合わせる。これがやっぱり咄嗟にピントを合わせにくい。21mmなんだから「ある程度絞って、目測でパチっ」というやり方も、Biogon T* 21mm F2.8には距離指標がない上に、鏡筒は突き当てでオーバーインフになるように作られているので、どこが無限遠でどこが3mなのか2mなのか分からない。そもそも鏡筒にピント関係で回転する部分がないから、鏡筒やマウントアダプターの構造上自分で距離目盛りを書き込むのも難しい。それでニコンZ6のフォーカスインジケーターをたよりにサクッと撮ったら、21mmなのにピント大外れということがあった。やっぱりちゃんと拡大表示でピントの山をみないといけない。描写は最高級なのに、使い勝手がアレという京セラレンズの極みなのだ。よいレンズというのは、ピントをちゃんと合わせないといけないということで、また赤城耕一氏の記事に戻る。
また、スナップするからある程度絞って、目測でパチっていう従来のレンジファインダー的スナップ撮影も試してみたのですが、撮影画像をみると、合ってないんですよねピントが。まぢで。筆者半世紀の目測経験がまったく通用しませんでした。被写界深度というのは“ピントが合ったようにみえる”だけという光学理論をつきつけられることになります。
【さらに追記ここまで】
熱田神宮 ― 2024年11月14日 00時00分00秒
空き時間に熱田神宮に行ってきた。熱田神宮は三種の神器のうち、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」を祀り、保管している神社であるそうだ。
【写真1】熱田神宮神楽殿:Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F5.6 絞り優先AE、1/250秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(4740K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、ピクチャーコントロール「オート」、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、JPEGからリサイズのみ
時節柄、平日にも拘わらず七五三のお参りの家族が多かった。
【写真2】熱田神宮本宮:Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F5.6 絞り優先AE、1/200秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5100K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、RAW(NEF)ファイルをNX Studio 1.7.0で現像、最新のピクチャーコントロール「スタンダード」、露出補正-1.48EV、アクティブDライティング「強め」
熱田神宮本宮は、これぐらいの距離で撮影するのはよいが、参拝するエリアでカメラを提げていると警備員が「ここは撮影禁止ですので」と言いに来る。カメラをケースに入れていて握らず首から提げているだけでいちいち注意しに来るので注意。大きな声で「はーい」と言っておいた。
【写真3】熱田神宮こころの小径:Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F5.6 絞り優先AE、1/20秒、ISO-AUTO(ISO 320)、AWB(4550K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、RAW(NEF)ファイルをNX Studio 1.7.0で現像、最新のピクチャーコントロール「風景」、露出補正-0.52EV、アクティブDライティング「標準」
こころの小径のところにあるご神木。ただし、「弘法大師のお手植えの大楠」とは異なる。「大楠」は参道の途中左手にある。
【写真4】熱田神宮参道:Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F8 絞り優先AE、1/30秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5300K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、RAW(NEF)ファイルをNX Studio 1.7.0で現像、最新のピクチャーコントロール「風景」、露出補正なし、アクティブDライティング「標準」
紹介していなかったが、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDは光芒がきれいだというので撮ってみた。たしかにAi Nikkor 20mm F2.8SやCarl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8ではこんな感じにはならない。他方、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8は、ミラーレス機特有の周辺色被りがCornerFixで解決したのでもっと積極的に使って行きたい。
CornerFixでBiogon T* 21mm F2.8とニコンZ6での周辺色被りを解決 ― 2024年10月07日参照。
【写真4】はゴーストが出ているが、フィルター付けているせいもあるかもしれない。
【写真5追加】
【写真5】熱田神宮参道:Nikon Z6、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED、F8 絞り優先AE、1/20秒、ISO-AUTO(ISO 125)、AWB(4720K)、マルチパターン測光、 オートエリアAF、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、自動ゆがみ補正、ピクチャーコントロール「オート」、手持ち撮影、マウントアダプターFTZ、バヨネットフード HB-72、ニコンNCフィルター、JPEGからリサイズのみ
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDは、逆光のときに透き通るような描写がよい。暗部もつぶれにくいレンズだと思う。
【追記】
Nikon Z6の絞り優先AE時のISO-Autoは便利だが、そのまま使うと20mmレンズでは1/20秒までシャッタースピードが下がり、被写体ブレが頻発する。かといって低速限界設定を任意に設定(たとえば1/60秒)すると、望遠レンズ使ったときにも1/60秒を維持されてしまうので困る。いまは「オート」を1目盛り高速側に設定している(これだと20mmレンズだと1/40秒が下限になるっぽい)が、これもそのまま800mmレンズに交換するとシャッタースピードが1/800秒よりも速くされてしまうので万能ではない。Mモードで絞りとシャッタースピードを任意に設定してISO-Autoを使うとよいのかもしれない。あとはユーザーセッティングモードのU1とU2に超広角側設定と超望遠設定を入れておくとよいのかもしれない。
【追記ここまで】
KANIの、他社製フィルターを“マグネット対応”にするホルダー/アダプターの単品発売 ― 2024年11月07日 00時00分00秒
KANI、他社製フィルターを“マグネット対応”にするホルダー/アダプターの単品発売(デジカメWatch )とのこと。
保護フィルターは付けっぱなしだし、PLフィルターなどは使わないので、この手のマグネットで簡単にフィルターが交換できる仕組みにはあまり興味がなかった。
しかし、Carl Zeiss CONTAX G用のBiogon T* 21mm F2.8とBiogon T* 28mm F2.8には、Nikon Z6作例1(CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8) ― 2021年11月13日で紹介したようにシグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)をフィルター枠で挟んで装着している。
これは、フィルム用に設計された対称型の超広角レンズは、デジタルカメラのセンサー前のカバーガラスによって像面湾曲が生じてしまうので、それを打ち消すために球面平凸レンズ付けているのだ。
Biogon T* 21mm F2.8やBiogon T* 28mm F2,8をずっとニコンZ6で使っている分にはよいが、CONTAX G1でのフィルム撮影ととっかえひっかえしようとすれば、この球面平凸を付けたり外したりしないといけない。そういうときにこのマグネット式にできるKANIのマグネットアダプターおよびマグネットホルダーはいいなと思った。
ただ、67/72/77/82mm径しかないのが残念。Biogon T* 21mm F2.8はフィルター径が55mmだし、Biogon T* 28mm F2.8はフィルター径46mmなのだ。最小でも67mmというのはちょっと大きすぎる。もっとも、小径のフィルターって比較的安価で、大径になると急に値段が高くなるから、大径の方にこそマグネット式で使い回す需要があるので、この大径用しかないのはわかる。しかし、球面平凸レンズみたいな特殊レンズやフィルターを外したり付けたりすることもあるので、是非46、49、52、55mmあたりもラインナップしてほしい。
写真は記事とは関係ない。今日の月:Nikon Z6、Nikon おもしろレンズ工房 どどっと400(400mm F8)、テレコンバーター ニコンTC-301S、F8開放(合成F値16、合成焦点距離800mm)、絞り優先AE(-3.3段)、1/800秒、ISO 16000、WB晴天、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、トリミングしてリサイズ、Nikon L37Cフィルター、ニコンFTZマウントアダプター 、どどっと400専用フードTI.HN-1
さきほどの月。月齢は5.6らしい。いつも満月の時に撮ることが多いのだが、満月よりももっと月齢の小さいときの方が月面の凹凸とかがよくわかるのを思い出して今日撮ってみた。
今日はニコンから、Z50IIが発表になったようだが(クリエイティブ志向を強めたニコンDXミラーレス「Z50II」(デジカメWatch))、ニコンはやはりAPS-Cサイズのミラーレス機には、ボディ内手ぶれ補正は搭載しないようだ。
新型カメラ発表に水を差すようで悪いが、このボディ内手ぶれ補正はすごい。なにせ800mmの望遠レンズを手持ちで撮ってこの写真なのだ。ファインダーでピント合わせしていてもぷるぷるしていてなかなかピントの山がわからない。「諦めて三脚使えよ、せめて一脚使えよ」という脳内の声が聞こえるが面倒くさいので手持ち撮影している。それでこの写りなのだ。三脚使った方がもう少しピントを追い込めてもっと写りがよいのかもしれないが、ともかく800mm F16なんていうレンズでブレずに撮れるのだ。しかも「おもしろレンズ工房」という格安レンズがZ6では全部手ぶれ補正ありになるのだ。あんなMFレンズやあんなVRなしAFレンズも手ぶれ補正ありになるのだ。ボディ内手ぶれ補正はすごい。【追記】なんて書いておいて、大きな画像で見るとなんか甘いなぁ。感度がISO 16000になってるのもあるんだろうなぁ。満月の時はISO 1250だったから10倍以上高感度になってる。次はISOも含めてマニュアル露出でちゃんとやってみよう。 Nikon テレコンバーターTC-301S + おもしろレンズ工房どどっと400 ― 2022年11月09日とピンクムーン(おもしろレンズ工房どどっと400 + ニコンZ6) ― 2022年04月17日参照
【追記ここまで】
【追記:2024年11月8日】
ISO16000はさすがにないなと思って、翌日ISO2000にして再撮影してみた。どどっと400 + TC-301S どうだろうか。なかなか使えると思う。ピント合わせを正確にするためにこんどは三脚を使った。すまん。三脚使ってもボディ内手ぶれ補正はONのままにした。あまりいい三脚ではないのと、ゴム足なので、手持ちほどではないにしても像が揺れてしまうので。
おもしろレンズ工房どどっと400 + TC-301S + ニコンZ6 リベンジ ― 2024年11月08日
【追記ここまで】
Aliexpressで出荷キャンセルの注文、一瞬で返金処理完了 ― 2024年10月30日 18時47分00秒
新品ではどこでも品切れの外部ファインダーTTArtisan TT-VF21AをAliexpressで見つけたはよいが、全然届かず、しまいには出荷キャンセルされた状態であったのは報告した。
Aliexpressで購入の TTArtisan TT-VF21Aが発送キャンセルに(泣) ― 2024年10月25日
自動で返金処理されるのかなぁとしばらく様子見していたのだが、ずっと「配送待ち」のままなので、紛争(Open Dispute)しようとログイン後の画面であちこち探してみたが、見つからない。
「私の注文」画面でのTTArtisan TT-VF21Aの注文の下に、「返品と返金」というボタンがあるので押してみた。そうすると商品が届いているのかいないのかを聞かれて届いていない方を選んだ。すると返金の画面になり、返金理由のプルダウンメニューと証拠の画像を貼る画面になった。
返金理由は、「追跡情報で返品/キャンセル/紛失と表示される」を選んで、「私の注文」の「出荷キャンセル完了」の表示がある画像と、「配送追跡」の「発送キャンセル」を含むスクリーンショット2枚を添付した。返金申請の受付完了画面になった。
もういちど、「私の注文」画面に戻ると、それまで「配送待ち」であったものが「完了」になっている。いや完了していないんだが。と思って、もういちど「返品と返金」のボタンを押すと、以下のような表示になっていた。
返品と返金
リクエスト済み
↓
リクエスト確認中
↓
返金処理
返金完了
返金が完了しました。銀行または金融機関でご確認ください。実際の返金額は、税金、送料、クーポンなどは返金対象から除外される場合があります。
購入時に使用した方法による支払額:6,493円
返金方法: (Paypalのマーク)
ということで、返金リクエストは一瞬で判断されて返金処理が完了したようだ。
Paypalの決済に使った金融機関からも「ご利用キャンセル受付」のメールが届いた。ただ、実際に返金はまだ先だと金融機関からのメールにもあるし、Aliexpressも「返金手続きが行われました。2〜5営業日以内に銀行または金融機関で記録をご確認ください。」とある。
あとは実際に返金されたのを確認するだけだ。確認できたらここに追記する。
【追記:2024年11月1日】
6,493円返金されたのを確認した。
【追記ここまで】
【追記】
Aliexpressからも”AliExpress - Resolution of Return/Refund Request for Order xxxxxxxx”というメールで”Thank you for contacting AliExpress. The following is the final resolution of your dispute.”として返金の裁定が下ったと通知があった。
またPaypalからも「AliExpressからの返金を処理中」というメールが来て、「返金を処理中です。2024年11月1日までに、お客さまのカードでご利用いただけるようになります。」とのことだ。
【追記ここまで】
【関連】
Nikon AS-N1000アダプター発見 ― 2024年10月02日
Aliexpressで TTArtisan TT-VF21Aを注文したがなかなか発送されない ― 2024年10月12日
Aliexpressで購入の TTArtisan TT-VF21Aがやっと発送された ― 2024年10月16日
Aliexpressで購入の TTArtisan TT-VF21Aが発送キャンセルに(泣) ― 2024年10月25日
Aliexpressで購入の TTArtisan TT-VF21Aがやっと発送された ― 2024年10月16日 00時00分00秒
10月9日に購入し、Aliexpressで TTArtisan TT-VF21Aを注文したがなかなか発送されない ― 2024年10月12日で嘆いていた外部ファインダーだが、やっと「発送された」とのメールが来た。発送まで1週間掛かった。到着予定は10月21日とのことなので、あとはスムーズに来るのだろう、いやそう思いたい。
しかし、追跡番号で検索してもまだ反映していない。
【追記:2024年10月21日】
配達日が10月21日だったのだが、まだ配達されないので、Aliexpressから「配達遅延クーポン」が発行された(配達日保証)。150円のクーポンが次の注文で使えるらしい。そんなんはいいから早く送ってほしい。ちなみに追跡番号で追跡サイトで検索してもまだどの配送機関にも登録されていない(泣)。
【追記:2024年10月25日】
Aliexpressで購入の TTArtisan TT-VF21Aが発送キャンセルに(泣) ― 2024年10月25日
【関連追記:2024年10月30日】
Aliexpressで出荷キャンセルの注文、一瞬で返金処理完了 ― 2024年10月30日
Aliexpressで TTArtisan TT-VF21Aを注文したがなかなか発送されない ― 2024年10月12日 00時00分00秒
Nikon AS-N1000アダプター発見 ― 2024年10月02日のkazu様のコメントで教えていただいたTTArtisan 光学ビューファインダー TT-VF28が良さそうな感じで、それの21mm版がほしくなった。
銘匠光学 TTArtisan 光学ビューファインダー TT-VF28(kazuのBLOG)
銘匠光学 TTArtisan 光学ビューファインダー TT-VF21A / TT-VF28 発売
ちゃんと接眼部にゴムがついていて、光学ガラス使用で筐体はアルミ製のようで、かつ希望小売価格が9,900円という。素晴らしい。
しかし、ヨドバシドットコムでもビックカメラでも販売終了のようで、中古品かテンバイヤーの価格の高いものしか見つからない。Aliexpressで最初に見たときも28mmの方はあっても21mmは在庫無しばかりだった。
しかし、kazu様の2回目のコメントをいただいたときに、Aliexpressを見に行くとTT-VF21Aの在庫があるセラーがあった。これは即買いだ。しかも送料込みで6,493円だ。買いだ買いだ。
Ttartisan-外部光学式ビューファインダー,21mm,28mm,i9000 loh g III gr3,カメラ用,航空アルミニウム製,コールドシューズ
めでたくPaypalで決済も済み、あとは発送を待つだけなのだが、ポチったのが10月9日の午後、執筆時の10月12日午後現在も動きがない。しかも、購入直後はまだ買えたのに、しばらくしてから見に行くと21mmだけ「申し訳ございません。この項目はもはや利用できません。」になっている。ちゃんと届くのか。実は在庫なかったのに表示してましたとかで終わるんじゃないだろうな(←イマココ)。
kazu様、情報ありがとうございました。
【追記:2024年10月25日】
Aliexpressで購入の TTArtisan TT-VF21Aがやっと発送された ― 2024年10月16日
Aliexpressで購入の TTArtisan TT-VF21Aが発送キャンセルに(泣) ― 2024年10月25日
【関連追記:2024年10月30日】
Aliexpressで出荷キャンセルの注文、一瞬で返金処理完了 ― 2024年10月30日
CornerFixでBiogon T* 21mm F2.8とニコンZ6での周辺色被りを解決 ― 2024年10月07日 00時00分00秒
フィルム時代の対称型広角レンズ(ビオゴンタイプ)は、デジタルカメラで使うと、撮像素子の前にある保護ガラスやローパスフィルターなどの平面ガラスが影響して、像面湾曲が生じる。また、撮像素子は、写真フィルムよりも斜めからの光を受光しにくいので、周辺部で色被りが生じる。
前者の像面湾曲は、レンズの被写体側に平凸レンズを装着することで打ち消すことができ、私は、Biogon T* 21mm F2.8とBiogon T* 28mm F2.8(いずれもCONTAX G用)にシグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)を使っている。
Nikon Z6作例1(CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8) ― 2021年11月13日
これでデジタルカメラ使用時の周辺部の像面湾曲が打ち消されて、ほぼフィルム使用時の性能が出せる。
【追記】
旧ビオゴンレンズの性能改善・・手軽に周辺解像度Up!! (レンズ豆(マニアックカメラ講座) 2021年5月24日 13:41)
旧ビオゴンレンズの性能改善番外編・・ライカL39マウントでも改善可能に!! (レンズ豆(マニアックカメラ講座)2021年6月8日 02:48 )
【追記】
ニッコール千夜一夜物語第七十七夜 NIKKOR-S 50mmF1.4(佐藤治夫氏)から。
ローパスフィルターと光学性能
一般にローパスフィルターやその一連の光学系が画質に与える影響はあまり論じられていませんでした。良い機会なので、ここで少し考察してみましょう。
現在のデジタルカメラ用の交換レンズは、各社まちまちではありますが、基本になるモデルのローパスフィルターやその一連の光学系を使用する前提で設計されています。要はローパスフィルター込みで光学設計および性能評価をしているのです。しかし銀塩時代の古いレンズでは、レンズ系の後方には何も光学系が無い状態で設計されています。今回のように古いレンズを最新のデジタルカメラを使って使用する場合は少し注意が必要です。
気を付けなければならないことは「射出瞳位置、明るさ、画角」の3つです。とは言っても射出瞳はレンズに明記してあるわけではないですね。したがって予想せねばなりません。特に注意しなければならないレンズは対称型広角・超広角レンズです。中でも最も注意が必要なものがビオゴンタイプの超広角レンズです。一般的なデジタルカメラと組み合わせた場合、折角の対称型レンズですが、大きな負の歪曲を発生してしまいます。周辺の色付きも盛大に出ます。この現象はローパスフィルター系の厚さが厚いほど変化が大きいのです。また、撮像素子が睨んでいる瞳の位置によっても収差変化の程度は異なります。
また像面湾曲もプラスに変化します。これは画角が大きければ大きいほど注意が必要です。そして球面収差もプラスに変化しますので明るいレンズは要注意です。
その為、Z 7、Z 6、Z 50等のZシステムではオールドニッコールの収差を極力変化させないように、ローパスフィルター等の光学系を最小構成、最薄で設計しています。その点でも古いレンズを試すボディとしては最適であると言えます。Zシステムはニッコール千夜一夜物語の執筆でも大活躍です。今後ますます拍車をかけてオールドレンズの評価をしていきたいと思っています。
ちなみに今回のNIKKOR-S 50mmF1.4は、Zシステムのおかげで収差の変化は微小でした。また球面収差も像面湾曲も元々設計値が若干マイナス気味であったため、他のレンズよりさらに問題が少なかったと思われます。
(像面湾曲は平凸レンズで解決したので)問題は周辺の色被りで、Biogon T* 21mm F2.8とニコンZ6の場合は、薄いブルーグレーの色被りが残る。許せる範囲のような気もするが、被写体や構図によっては目立って嫌になることがあるし、デジタルカメラ用の広角レンズで撮ったものと比較すると周辺色被りが気になって夜しか寝られない日が続く。
諦めて一眼レフ用のあるいはミラーレス用の超広角レンズを買うか、と思っていたのだが、連発する様々な故障で新たなレンズ購入どころではなくなってしまった(まだひとつ書いていない故障がある(泣))。
それで、ソフトウェアで対称型広角レンズの周辺色被りを補正する方法をやってみようという気になった。
そのソフトウェアとは、CornerFixだ。
CornerFixは、DNGファイルしか扱えないので、まずニコンのNEFファイルをDNGに変換するAdobe Digital Negative Converterを使う。
あとは、CornerFixでDNGファイルを補正するだけだ。補正用のプロファイルはBiogon T* 21mm F2.8をニコンZ6に装着して絞りをF5.6にして無限遠で家の中の白壁を適当に撮ったものをDNGに変換した。無限遠にしたのは、壁にピントを合わせると壁の細かい汚れなどが写ってそれが補正に使われてしまうのと、周辺の色被り具合は絞りだけでなく被写体との距離でも変わってくるだろうが、いちいち距離を変えて何個もプロファイルを作るのが面倒だからだ。
CornerFixの使い方は、周辺部のグリーン被りを補正する その1 2012/06/15(maroの雑記帳)と周辺部のグリーン被りを補正する その2 2012/06/15(maroの雑記帳)に詳しい。
これで周辺部の色被りや周辺減光まで補正されたDNG画像が完成する。素晴らしい。素晴らしいのだが、DNG画像は、Adobeのアプリケーションを持っていない人には扱いにくい。私は、GIMPとRAWTherapeeをインストールしている。
DNGをGIMPで開くと、GIMPの上にRAWTherapeeが開いて調整画面が出る。私は何も調整しないでRAWTherapeeを閉じる。そうすると自動的にDNGファイルがGIMPに引き渡されるので、リサイズするなりしてから「名前を付けてエクスポート」する。ファイルの種類をJPEGなりPNGなりTIFFなり好きな汎用画像ファイル選択してエクスポートすると完成。この記事の作例は最後はGIMPでリサイズしてJpegでエクスポートしたものだ。
まず、【作例1】は、ニコンZ6にマウントアダプターでCarl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)を装着して撮影したもの。シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)を装着しているので像面湾曲は打ち消されて周辺部で像が流れたりはしない。しかし、ブルーグレーの色被りは残っている。また、対称型広角レンズ特有の周辺減光は大きい。この周辺減光はフィルムでも同じ傾向だが。
【作例2】は、これをCornerFixのデフォルト設定(Luminance:1,Chroma:1)で補正したもの。色被りが消えて周辺減光が補正されて、まったくBiogonらしさが消えてしまっている。ただ、右側のブルーグレイの色被りが消えた代わりにマゼンタの色被りが生じている。補正しずぎなのだろう。
そこで【作例3】では、CornerFixの設定を(Luminance:0.62,Chroma:0.61)にしてみた。右側のマゼンタは消え、元のブルーグレイの色被りも消えている。
ただ、これでは周辺減光もかなり補正されていてなんかBiogonの良さが出ていない。だったら、周辺減光はまったく補正せずに、周辺の色被りだけを補正したらどうだろう。、CornerFixの設定を(Luminance:0,Chroma:0.62)にしたものが【作例4】だ。これがBiogonらしくてかつ色被りのない状態で、フィルムカメラでBiogonを使った状態に近い。
よし、これで新たな物欲を抑えてまたBiogonを使い倒せるぞ。えっ?TECHART TZG-01は欲しくならないのかって?(泣)。
【追記】
ZEISS Biogon T* 2.8/21 datasheetから、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G)のレンズ構成図とMTFと周辺光量と歪曲収差のグラフを貼っておく。ほらほらBiogon 21mm欲しくなってくるでしょう(笑)。
【追記ここまで】
【作例1(CornerFixの補正なし)】Piano Bar Lyon(ピアノバーリヨン)とRock Bar Lobby(ロックバー ロビー)(横浜市中区野毛町):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6 絞り優先AE、1/250秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5230K)、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、KIPON CONTAX G-NIK Z マウントアダプター(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)、フードなし、NEFファイル(RAW)をAdobe Digital Negative ConverterでDNGに変換したものをGIMPとRAWTherapeeでJPEGに変換(CornerFixの補正なし)
【作例2(CornerFixの補正Luminance:1,Chroma:1)】Piano Bar Lyon(ピアノバーリヨン)とRock Bar Lobby(ロックバー ロビー)(横浜市中区野毛町):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6 絞り優先AE、1/250秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5230K)、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、KIPON CONTAX G-NIK Z マウントアダプター(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)、フードなし、NEFファイル(RAW)をAdobe Digital Negative ConverterでDNGに変換したものをCornerFixで補正(Luminance:1,Chroma:1)したものをGIMPとRAWTherapeeでJPEGに変換
【作例3(CornerFixの補正Luminance:0.62,Chroma:0.61)】Piano Bar Lyon(ピアノバーリヨン)とRock Bar Lobby(ロックバー ロビー)(横浜市中区野毛町):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6 絞り優先AE、1/250秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5230K)、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、KIPON CONTAX G-NIK Z マウントアダプター(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)、フードなし、NEFファイル(RAW)をAdobe Digital Negative ConverterでDNGに変換したものをCornerFixで補正(Luminance:0.62,Chroma:0.61)したものをGIMPとRAWTherapeeでJPEGに変換
【作例4(CornerFixの補正Luminance:0,Chroma:0.62)】Piano Bar Lyon(ピアノバーリヨン)とRock Bar Lobby(ロックバー ロビー)(横浜市中区野毛町):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6 絞り優先AE、1/250秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5230K)、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、KIPON CONTAX G-NIK Z マウントアダプター(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)、フードなし、NEFファイル(RAW)をAdobe Digital Negative ConverterでDNGに変換したものをCornerFixで補正(Luminance:0,Chroma:0.62)したものをGIMPとRAWTherapeeでJPEGに変換
【関連追記】
Nikon Z6作例1(CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8) ― 2021年11月13日
Nikon Z6作例3(CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8) ― 2021年11月22日
Nikon Z6作例4(CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8) ― 2021年11月24日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その1 ― 2022年05月25日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その2 ― 2022年05月28日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その3 ― 2022年05月31日
赤城耕一氏のデジカメWatchのBiogon作例が非常に参考になる ― 2022年06月07日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その4 ― 2022年06月23日
【さらに追記】
ニッコール千夜一夜物語 第七十七夜 NIKKOR-S 50mmF1.4に見るローパスフィルターと光学性能 ― 2021年04月03日
【さらにさらに追記】
初出時に「凹レンズ」と書いていたのは、正しくは「平凸レンズ」です。2箇所修正しました。m(_ _)m
【追記:19:52】
GIMPで画像を縮小すると画像がぼやけるなぁと思って、補完方法を調べたりアンシャープマスク掛けないといけないのかと調べたら、縮小時の画像解像度を300ピクセルのままにしていたからだった。72ピクセルにしたらシャープな縮小画像になった。【作例1】~【作例4】の4枚とも差し替えました。m(_ _)m
討ち入り果たしました-「永福町 朝日良一写真展」 ― 2024年10月06日 20時23分53秒
「永福町 朝日良一写真展」に討ち入りを果たして参りました(違)。もとい、行って参りました。
朝日良一写真展日程表 ― 2024年10月28日
写真展開催のお知らせ(朝日良一|note)
朝日良一写真展(2024年10月) ― 2024年08月20日
長年のブログお友達、朝日良一さんが10月に写真展を行われます!、の巻。(If you must die, die well みっちのブログ 2024年9月1日)
みっち様から討ち入り(違)の日時を指定していただなければ来週になっていたところでした。みっち様ありがとうございました。
そして、私が撮った写真展の写真はないのであった(泣)。みっち様がさっそく報告してくださっているのでそちらをご覧ください。
さーさ、行ってまいりました朝日良一写真展「永福町」であります、の巻。
この「永福町 朝日良一写真展」は明日(2024年10月7日)までなのだが、明日はなんと赤GK一氏が討ち入り(違)を果たすという噂も聞きました。明日行ける方は是非に東京都杉並区の永福和泉地域区民センターまでご参集くだされ。【追記】明日(2024年10月7日)は15時からギャラリートークもあります。【追記ここまで】
朝日良一写真展は、2024年10月9日(水)からは、「光景 朝日良一写真展 」として展示替えがある。私も来週もう一度討ち入りじゃなかった観覧したいと思う。
【関連追記:2024年10月7日】
永福町駅周辺の日常を写す 写真家・朝日良一さん初個展 厳選した35点を展示 杉並で7日まで(東京新聞 2024年10月5日 07時38分)
【追記:2024年10月31日】
りー様こと朝日良一氏の写真展の様子がご自身のnoteに挙っています。
写真展「永福町」(朝日良一 note)
写真展「光景」」(朝日良一 note)
写真展「光景」サムライ編」(朝日良一 note)
永福町駅:Nikon Z6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、絞り優先AE(F5.6、1/50秒)、ISO-AUTO(ISO 100)、ピクチャーコントロール:AUTO、AWB(6180K)、マルチパターン測光、オートエリアAF、手ぶれ補正ON、自動ゆがみ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Nikon NCフィルター、バヨネットフード HB-85
余談だが、みっち様が持ってこられたLeica CL + Voigtländer COLOR SKOPAR 21mm F4P + Voigtlander 21/25mm View Finder Mがそそりましたでござる。
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