厚さ14mmの超薄型MFレンズ「SG-image 18mm F6.3」が少し気になる ― 2025年01月18日 00時00分00秒
デジカメWatchに厚さ14mmの超薄型MFレンズ「SG-image 18mm F6.3」という記事がアップされた。少し前にTwitter(X)だかBlueskyだかで作例を見かけて気になっていたのだが(※)、まだ発売前だったのか。とするとあのSNSでSG-image 18mm F6.3の作例を挙げていた人は先行して手に入れられる人だったのだな。※Twitter(X)は、いいねやリツイートしていてもあとで勝手にいいねやリツイートを取り消されたりする(上限があるらしい)のでどれが自分が気に入っていいねしたものか今となっては分からない。もうツールとして終わっていると思う。
それで、どうしてSG-image 18mm F6.3が気になったのかというと、18mmという焦点距離もそうなのだが、作例がシャープなのである。なんか薄型で安そうなレンズなのにシャープに写ってないかこれ、と気になっていたのだ。
E&Iクリエイション株式会社は、SG-imageの交換レンズ「SG 18mm F6.3 C」を1月17日(金)に発売した。希望小売価格は9,900円。ソニーE、富士フイルムX、ニコンZ、マイクロフォーサーズ用を用意する。カラーはブラックとシルバー。
APS-Cサイズおよびマイクロフォーサーズシステムのイメージセンサーに対応するMF単焦点レンズ。35mm判換算でAPS-Cでは約27mm相当、マイクロフォーサーズでは約36mm相当となる。
厚さ14mm、質量78gの小型軽量設計で、ボディキャップの代わりとしても使えそうだ。発売元では「ウルトラシンレンズ」と呼んでいる。
どうせニコンZ6はグリップが出っ張っているので、グリップよりも薄くなくてよいので、私はNIKKOR Z 28mm f/2.8ぐらいの厚みまでなら十分なのだが、この「SG 18mm F6.3 C」(SG-image 18mm F6.3とどっちが正式名称なんだ?特に末尾のC。)は、薄さに拘っているようだ。
デジカメWatchに転載されている作例も、1枚目のボートの作例と2枚目の鳥の金属製オブジェの作例と4枚目のカメを散歩させている人の作例はかなりシャープだ。
1枚目のボートの作例は過剰にシャープネス掛けている感じはするが、駄目駄目レンズで撮ったものはいくらシャープネス掛けても細部がないことには変わりないので、もともと中心部分はかなりシャープなレンズなんだろうと思う。自分がTwitter(X)で見たSG-image 18mm F6.3の作例も逆光でゴーストは出ていたがちゃんとコントラスト高くて細部の描写がしっかりしていて「ほう」と思ったのだった。多分https://x.com/Ryow/status/1878014727743545475だと思う。いいねやリツイートしたはずなのに、ログインしてみてみてもなにも付いていなくなっているが。
国内販売元のサイトを見ると、レンズ構成図やMTFまで載っている。
SG-image 18mm F6.3 ウルトラシンレンズ 新発売(E&I クリエイション)
それを見ると、4群6枚っていうからてっきり対称型なのかと思ったら(※)なんか全然違う構成だ。※【追記:2025年1月20日】(この時点では4群6枚と聞いてNikkor-H Auto 50mm F2みたいなガウスタイプが頭に浮かんでいた)【追記ここまで】
【追記】どこかで見たことがあるなぁと思ったら、GR 28mm F2.8のレンズ構成と似ているのかもしれない。
手作り感覚で作る GR レンズ (1997 / 1999) (リコーイメージング)
・前レンズを凹としたレンズ構成。レンズ系全体を対称型に近づけ、美しい描写で画像の歪も少なくしました。
・7枚のレンズを接合して4群構成にすることにより、各群の偏心による画質への影響を最小にしています。また、接合により空気との境界面も減っており内面反射の少ないスッキリした画面を得ました。
・2箇所の偏心調整及び1箇所の間隔調整を各レンズ毎に行い、レンズ固有の性能を最大に引き出しています。
・全部がガラスレンズでクリアな画像を作ります。赤線は非球面レンズになっています。
【追記ここまで】
【さらに追記】ミノルタTC-1から派生のG-ROKKOR 28mm F3.5のレンズ構成図(5群5枚)も似ているので、対称型の前に凹レンズを加えたこの構成はここ2,30年の王道なのかもしれない。
G-ROKKOR 28mm F3.5 レンズ構成図(価格.com)元の図はアサヒカメラ・ニューフェース診断室かもしれない
【さらに追記ここまで】
MTFは、どっちの線もS10、T10って書いてあってよく分からないが、普通は上の線が10本/mmの線で、下の線が30本/mmなので、下の線がS30、T30の間違いなんだろうとは思う。絞りは固定のようなので常にF6.3の数値だ。その10本/mmの線は0.9を越えていて、S:放射方向もM:同心円方向も端の方まで揃っている。30本/mmと思われる下の方の線も中心部分は0.8を越えていてS:放射方向もM:同心円方向も途中までは揃っている。これはなかなかすごいんじゃないのか。作例の印象通りだ。
輸入代理店のE&Iの販売サイトだと 8,100円(税込)なので、ぽちっと買ってもいいかもしれない。APS-Cサイズのイメージサークルしかないが、ニコンZ50IIとかニコンZfcにいいかもしれないね。
個人的にはレンズ前面デザインの放射状の線が気に入らないが。なんでそんなレンズテストチャートの非点収差見分けるみたいな模様入れるんだよぅ。買ったら塗りつぶしそう(笑)。
あと、このレンズの輸入元のE&Iクリエイション株式会社の所在地が〒465-0012 愛知県名古屋市名東区文教台2丁目203−2・2Fになっていて、焦点工房と同じなのだが、焦点工房のサイトではSG-image 18mm F6.3は扱っていないみたいなんだよね(※)。代表取締役も同じ名前ですな。なんで分けているんだろう?
E&Iクリエイション株式会社会社概要
株式会社 焦点工房会社案内
【追記:2025年1月19日14:14】今確認したら焦点工房の方でもSG-image 18mm F6.3を売っていた。SG-image 18mm F6.3 ウルトラシンレンズ(焦点工房オンラインストア)参照。今現在ニコンZマウント用のシルバーだけ売り切れになっているようだ。【追記ここまで】
ニコンはながらく18mmの単焦点レンズは出していないので、NIKKOR Z 18mm f/4 (SE)とか出してくれないかなぁ。
コメント
_ みっち ― 2025年01月18日 15時09分39秒
_ Haniwa ― 2025年01月19日 10時13分04秒
>えーっ、最近はこういうレンズ構成なんかを話題にしているブログも減りましたなぁ。
最近のレンズは枚数も増えてなんだかよく分からないですからね。
こういう低コストのレンズは枚数が少なくて素人にも分かりやすくてよいです。
>ちょいと話題がズレますけど、みっちが以前調べた話を書いてみます。
>
>昔々みっちが生まれた頃(笑)、ルドヴィッヒ・ベルテレがツァイスのために設計したBiogon F4.5/21mmのback-focal lengthは9mmでした。これは云うまでもなく、レンズの最後玉表面とイメージ面(フィルム面ですなぁ)との距離です。この値が小さいと対称型レンズ構成が採れて、その結果歪曲偏差(歪)が少ないのは御存知のとおり。
>Biogonは設計が新しくなるにつれて、少しずつback-focal lengthが長くなってます。コンタックスG用のF2.8/21mmは12mmとそれでも短い。コシナ・ツァイスのZM2.8/21mmは、15mmだそうです。まぁ測光なんかの都合で、だんだん長くなっていったのでしょう。そのためにはレンズ前部に凹レンズが必要になって、歪が増えます。
これは貴重な情報をありがとうございます。
対称型広角レンズで性能を出そうとするとback-focal lengthが短くなってしまうのですね。
CONTAX G用のBiogon 21mm F2.8って本当に性能が素晴らしく、でも他のカメラでは使いにくいのでBiogon T*2,8/21 ZMなども検討しているのですが、ツァイス公表のデータでみてもCONTAX G用の方が歪曲収差は圧倒的に小さいのですよね。
ttps://www.zeiss.com/content/dam/consumer-products/downloads/historical-products/photography/contax-g/en/datasheet-zeiss-biogon-2821-en.pdf
ttps://www.zeiss.com/content/dam/consumer-products/downloads/photography/datasheets/en/zm-lenses/datasheet-zeiss-zm-biogon-2821-en.pdf
測光などの都合でback-focal lengthがだんだん長くなっていって、そのためにレンズ前部に凹レンズが必要になって歪が増えますというお話、腑に落ちました。
Milvus 2.8/21は、歪曲収差が-2.0%を越えていて、これじゃあ一眼レフ用のよい21mmレンズと変わらなくなっています。ミラーがない分云々はどこへ行ってしまったのでしょう(泣)。
ttps://www.cosina.co.jp/zeiss/milvus/milvus-2-8-21/
Distagon T* 2,8/21
ttps://www.zeiss.com/content/dam/consumer-products/downloads/historical-products/photography/classic-lenses/en/datasheet-zeiss-classic-distagon-2821.pdf
>ところで本題、COLOR-SKOPAR 21mm F4 Pはどうなんだろうと、今ふと思いました。手持ちのレンズを外して物差しで測ってみると、マウント面からレンズの突出部までの長さは16mmくらいです。これはレンズそのものでなく、それを覆う円筒のカバーのところを測ったので、レンズそのものですと、15.5mmくらいになると思います。一方で、ライカMマウントのフランジバックは27.8mmですから、差し引くと、back-focal lengthは12.3mmくらい、ということになります。テキトーな測定なので精度はないですが、結構短いことは分かります。
実測までして戴きありがとうございます。
COLOR-SKOPAR 21mm F4 Pは対称型を保っていますね。前に凹レンズが来ていません。
ttps://www.cosina.co.jp/voigtlander/vm-mount/color-skopar-21mm-f4-p/
back-focal lengthは12.3mmくらいということで、かなりBiogon原型タイプに近いのでしょうね。
コシナはフォクトレンダーブランドはアポランター以外はMTFなどは公表していないので、どこかでMTFや歪曲収差を測定してくれたデータないかなぁと思っています。
>というところが暇人の観察でありました。(笑)
いえいえ本当にありがとうございます。
ちなみにヨドバシドットコムでCOLOR-SKOPAR 21mm F4 Pを見ますと、「■この商品の納期について こちらの商品の次回入荷は2025年5月上旬頃を予定しております。入荷後直ちにお届けいたします。」とあるので、品切れでも追加生産の予定があるようです。か、買わなきゃ。。。
ttps://www.yodobashi.com/product/100000001000851865/
_ みっち ― 2025年01月19日 11時16分29秒
ここに、スーパーアンギュロン4/21mmをライカM11に付けて撮ったレポートが上がっています。
ttps://news.mapcamera.com/maptimes/%E3%80%90leica%E3%80%91-%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%81%8C%E9%81%B8%E3%81%B6%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA10%EF%BD%9Esuper-angulon-m21mm-f4/
凄い周辺減光ですけど、色被りはあまり感じないです。空の色はまんまVelviaですなぁ。(笑)歪曲感じませんねぇ。
ライカM11は150万くらいでしょうか、あとスーパーアンギュロンの程度の良い中古が20万くらいか。まぁ、Haniwa氏の無尽蔵の財力を持ってすれば、何ほどのこともないでしょう。これにあとCOLOR-SKOPAR 21mm F4 Pを足せば、よいレポートができると思います。お待ちしています。('◇')ゞ
_ タロウカジャ ― 2025年01月19日 13時09分44秒
ただ広角好きでない私などはその内持っているのも忘れてカビ防止剤をいれてどこかに突っ込んでしまうと思います。
>レンズ前面デザインの放射状の線が気に入らない。は同感です。
普通に黒く塗っとけばいいのにと思います。
で貴方買いますかと聞かれると下を向いてゴニョゴニョと答えるでしょう。
_ めがねのパイロット ― 2025年01月19日 20時11分51秒
私もこれは安価で気になりましたが、ZfやZ8につけても、というところでトーンダウンしています。
>対称型の前に凹レンズを加えたこの構成はここ2,30年の王道なのかもしれない。
>測光などの都合でback-focal lengthがだんだん長くなっていって、そのためにレンズ前部に凹レンズが必要になって歪が増えますというお話、腑に落ちました。
この辺、ライカはM5で測光を内蔵したことで、測光素子のアームとレンズの接触を防ぐため、そしてM6以降でシャッター膜からの反射をボディ内で受光するため、レンズをある程度シャッター膜から離さないといけなくなりましたね。
なので、広角系がレンジファインダーなのに一眼レフのようなレトロフォーカスっぽいレンズ構成に変わって来た経緯があります。
デジタルになり、センサーへの入射角の制限から同様にセンサーからある程度離す必要があるため、結局は似たところに落ち着いているんだと思います。
なお、後群に凹レンズを設けているのは、バックフォーカスが短くなりすぎるのを嫌って、オリンパスXAで採用されたレンズ構成と同じですね。
最近では「逆レトロ」なんて言われていますが、テレフォトタイプとおんなじなので、変な名前つけるなよ、って思います(笑)
結局、対照型の後ろに凹レンズを持ってくるからバランスを取るために前にも持ってくる、ということなんだと思っています。
>最近はこういうレンズ構成なんかを話題にしているブログも減りましたなぁ。
みっち様、そうですよね~
ただデジタル新製品レンズは構成が複雑になって来たので、ちょっとぱっと見でわかりづらくなっているので、手に負えなくなってきたのかもです(笑)
_ Haniwa ― 2025年01月20日 08時00分49秒
>何でも、ライカ用の有名なスーパーアンギュロン3.4/21mmのback-focal lengthは8.3mmなんだそうで、これは元祖Biogonを凌いで短く、おそらく21mm市販レンズで最短なのではと思います。
>
>ここに、スーパーアンギュロン4/21mmをライカM11に付けて撮ったレポートが上がっています。
>ttps://news.mapcamera.com/maptimes/%E3%80%90leica%E3%80%91-%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%81%8C%E9%81%B8%E3%81%B6%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA10%EF%BD%9Esuper-angulon-m21mm-f4/
>
>凄い周辺減光ですけど、色被りはあまり感じないです。空の色はまんまVelviaですなぁ。(笑)歪曲感じませんねぇ。
これはそそる情報をありがとうございます。
たしかに空の色がすごいですね。こういう原色っぽい色が出るレンズと、渋い感じのレンズとで、コーティングや硝材などと分光透過率のデータなどもあれば面白いのですが、そういうことをやってくれそうなアサヒカメラも日本カメラももうないですからね(泣)。
周辺の色被りはほとんどないですね。翳っている感じはありますが。これだとCornerFixだけでなんとかなりますね。
ライカM11だと、像面湾曲はあまり影響なさそうですね。高くて薄いカバーガラスだからなのでしょうか。
>ライカM11は150万くらいでしょうか、あとスーパーアンギュロンの程度の良い中古が20万くらいか。まぁ、Haniwa氏の無尽蔵の財力を持ってすれば、何ほどのこともないでしょう。これにあとCOLOR-SKOPAR 21mm F4 Pを足せば、よいレポートができると思います。お待ちしています。('◇')ゞ
SUPER-ANGULON M 21mm F4はがんばれはそのうち買えなくもなさそうな値段ですが、Leica M11はなにかヤバいことでもしなければちょっと買えませんね(泣)。もし買っていたら何かヤバいことしてるんだと察して下さい(違)。無尽蔵の財力はないですが、無尽蔵の猫糞はハニワニワにはあります(泣)。
COLOR-SKOPAR 21mm F4 Pは買っておくべきレンズですよねぇ。
_ Haniwa ― 2025年01月20日 08時13分48秒
>SG-image 18mm F6.3は値段も安いし持っていて気にならない大きさ重さなので一つ持っていてもいいかもしれません。
>ただ広角好きでない私などはその内持っているのも忘れてカビ防止剤をいれてどこかに突っ込んでしまうと思います。
>>レンズ前面デザインの放射状の線が気に入らない。は同感です。
>普通に黒く塗っとけばいいのにと思います。
で貴方買いますかと聞かれると下を向いてゴニョゴニョと答えるでしょう。
わたしも一つ持っていてもいい値段と写りだなぁと思いつつ、もう少し色んな方の作例が出そろってから判断と思っていました。が、しかし、ところが、です。「8千円か、安いね」という第三者の言葉に反射的にポチってしまいました(笑)。ええ、責任はもちろん私にあります。
ポチったのが土曜日でしたので、自動返信のメールしか返って来ず、いまだ出荷通知なしです。買ったのは輸入元の2ndfucusのサイトの方ですが、社長が同じ焦点工房さんは福岡の博多阪急での第6回クラシックカメラ博in博多に出店されているようで、まあ営業日3日以内に出荷という言葉通り待ちます。
調べますと、七工匠 7Artisans 18mm F6.3 II ボディキャップレンズという同スペックで同価格のレンズが1年ぐらい前に発売されていまして、
ttps://www.stkb.jp/shopdetail/000000001901/7artisans/page1/order/
それと同じなのかと思いましたが、レンズ構成(5群6枚)もMTF図も全然違うようです。
_ Haniwa ― 2025年01月20日 08時43分22秒
>私もこれは安価で気になりましたが、ZfやZ8につけても、というところでトーンダウンしています。
私もZ6なので、こんなに薄くなくてもいいのになぁと思いつつ、中心部分の写りは好みの感じなのでちょっと様子見…のはずでした。しかし、ポチってしまいました(笑)。週の後半には手元にくればいいなぁと思っています。
>>対称型の前に凹レンズを加えたこの構成はここ2,30年の王道なのかもしれない。
>測光などの都合でback-focal lengthがだんだん長くなっていって、そのためにレンズ前部に凹レンズが必要になって歪が増えますというお話、腑に落ちました。
>
>この辺、ライカはM5で測光を内蔵したことで、測光素子のアームとレンズの接触を防ぐため、そしてM6以降でシャッター膜からの反射をボディ内で受光するため、レンズをある程度シャッター膜から離さないといけなくなりましたね。
>なので、広角系がレンジファインダーなのに一眼レフのようなレトロフォーカスっぽいレンズ構成に変わって来た経緯があります。
>デジタルになり、センサーへの入射角の制限から同様にセンサーからある程度離す必要があるため、結局は似たところに落ち着いているんだと思います。
詳しい解説ありがとうございます。古い対称型広角レンズの方が歪曲収差が小さくて、新しくなるにつれて歪曲収差が大きくなっていくのはそういう後ろ玉を前に出さなければならない苦渋の決断だったのですね。レンジファインダーやミラーレスなんだから、一眼レフに比べてそんなに前に出さなくて済むはず…ではなかったのですね。
>なお、後群に凹レンズを設けているのは、バックフォーカスが短くなりすぎるのを嫌って、オリンパスXAで採用されたレンズ構成と同じですね。
>最近では「逆レトロ」なんて言われていますが、テレフォトタイプとおんなじなので、変な名前つけるなよ、って思います(笑)
>結局、対照型の後ろに凹レンズを持ってくるからバランスを取るために前にも持ってくる、ということなんだと思っています。
SG-image 18mm F6.3もGR 28mm F2.8も後ろ玉は凹メニスカスレンズですものね。現物だと断面は分からないですから凸レンズみたいに見えるのでしょうが。 そうすると前玉が両凹レンズか平凹レンズで「あれ?凹んでる」となるわけですね。
テレフォトタイプの説明は「ニッコール千夜一夜物語第八十七夜 new Nikkor 200mm F4」にありました。
ttps://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0087/index.html
レトロフォーカスについては、「ニッコール千夜一夜物語第十二夜 NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5」
ttps://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0012/index.html
に詳しいですね。
そして、レトロフォーカスタイプは「逆望遠」の別名ですから、「逆レトロ」がおかしいのは仰るとおりですね。Wikipediaの項目も「逆望遠」で立っていますね。
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E6%9C%9B%E9%81%A0
色々勉強になります。ありがとうございます。
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ちょいと話題がズレますけど、みっちが以前調べた話を書いてみます。
昔々みっちが生まれた頃(笑)、ルドヴィッヒ・ベルテレがツァイスのために設計したBiogon F4.5/21mmのback-focal lengthは9mmでした。これは云うまでもなく、レンズの最後玉表面とイメージ面(フィルム面ですなぁ)との距離です。この値が小さいと対称型レンズ構成が採れて、その結果歪曲偏差(歪)が少ないのは御存知のとおり。
Biogonは設計が新しくなるにつれて、少しずつback-focal lengthが長くなってます。コンタックスG用のF2.8/21mmは12mmとそれでも短い。コシナ・ツァイスのZM2.8/21mmは、15mmだそうです。まぁ測光なんかの都合で、だんだん長くなっていったのでしょう。そのためにはレンズ前部に凹レンズが必要になって、歪が増えます。
ところで本題、COLOR-SKOPAR 21mm F4 Pはどうなんだろうと、今ふと思いました。手持ちのレンズを外して物差しで測ってみると、マウント面からレンズの突出部までの長さは16mmくらいです。これはレンズそのものでなく、それを覆う円筒のカバーのところを測ったので、レンズそのものですと、15.5mmくらいになると思います。一方で、ライカMマウントのフランジバックは27.8mmですから、差し引くと、back-focal lengthは12.3mmくらい、ということになります。テキトーな測定なので精度はないですが、結構短いことは分かります。
というところが暇人の観察でありました。(笑)