カメラマンリターンズ#14でのニコン原田壮基氏 ― 2025年10月06日 00時00分00秒
みっち様のコメントへのお返事を書いていて、「間違いだらけのレンズ選び2025 カメラマンリターンズ#14」の記事をずっと書こうと思ってそのままになっていたのを思いだした。ピクチャーコントロールについては、ピクチャーコントロール:間違いだらけのレンズ選び2025 ― 2025年09月08日で書いた。
編集部: ところでZ 50mm f/1.2 Sはどこまで絞るのは許せますか?
原田: 私は絞らないんで分かりません。
編集部: それはニコン公式ですか?
原田: もちろん、私個人の見解です。
森田:開放で撮れ。
原田: どんなレンズでも、最初のテストで絞って特性を見る以外、基本絞って撮ることはありません。写りがどうであろうと絞りは要らないと思っています。絞る、という行為が身についていないというか・・・。子供を連れて公園に行っても、ずっと露出オーバーなので撮れないんです。だから早く夕方にならないかなぁって(笑)
阿部:原田さんと一緒に50mm F1.2のメカ設計をやってくれたナカノさんって若い人がいるの。彼に原田さんは絞りなんて要らないって話をしたら、絞りを設計した当の僕も本当は要らないと思っていますって(笑)
森田:洗脳されてる。
【引用者註】原田:原田壮基 氏(ニコン・光学設計)、阿部:阿部秀之 氏(写真家)、森田:森田浩一郎 氏(カメラマン編集部/スタッフ)
(間違いだらけのレンズ選び2025 カメラマンリターンズ#14 モーターマガジン社 41ページ)
原田氏はそう言ってるのだが、同じページの下に原田氏の撮影した写真が載っており、その横には、
撮影者
株式会社ニコン 光学本部
原田壮基これまで多くの機種を一緒に開発してきたメカ設計者さんを会社のそばの公園で撮影しました。Z50/1.2でこの日、午前は長男の高校入学式を撮影し、夜はこのレンズの開発に関わった方を撮影。自分が開発に関わったレンズで身近な人たちを撮影できる、この仕事の醍醐味です。
撮影レンズ: NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(光学設計を担当)
撮影情報
絞りF8 1/25秒 プラス0.5露出補正
ISO200 WB: オート(間違いだらけのレンズ選び2025 カメラマンリターンズ#14 モーターマガジン社 41ページ)
絞りF8、おーい、絞っとるやないかいっ。
写真が小さいので、F1.2開放なのか、F8なのかはよく分からない。もしF1.2だったら後ろの建物の明かりの点いた窓はもっとボケているような気もする。やっぱりF8で撮っているんじゃないのかっ。これは大菩薩峠で(以下略)。
あと、この「間違いだらけのレンズ選び2025 カメラマンリターンズ#14」で気になったのは、以下の部分。
阿部: ないものねだりの時間みたいなんで。僕もひとつ。是非DCニッコールを復活させてください(笑)
原田:わー、来ましたね。私もそれやりたいです。
阿部: 毎回言うんだけど、大事なことなので今回も言います。キヤノンにやられちゃったのが超悔しい! (笑)
原田: ここから先はオフレコで。(オフレコ)
編集部: いやー(笑)。やっぱりカットですかね。
阿部: DC ニッコールはニコンの宝です。
原田: 絶対にやりたいですね。私はDCニッコールを見てニコンに入ったので。
編集部: コシナのポートレート HELIAR はどうなの?
豊田:ユニバーサルヘリアー登場100周年を記念したレンズということで、ヘリアークラシックをベースに、できるだけ球面収差だけをコントロールしようと努カし、描写を楽しむコンセプトです。ですから厳密なDCコントロールというよりは、楽しさ重視だと思います。だから内部の可動域も大きいワケで。
阿部:だよねー。そんな簡単には作れないから。
山田:でもね。あえて言わせて。そこはやはり、製品として出てるかどうかの方が重要だと思う。出てもいないものを「できる」って言われても、ふざけるなっていうのが本当のところだから。そんなにいいって言うんだったらディスコンにするなよ、っていうのも本音だし
原田:私が定年退職するまでDCに関わりたいなぁ・・・と願っています。可変収差レンズには夢があります!
阿部: いっそ、PlenaにDC機構を入れるってのは?
山田:そっちいくと絶対買えない値段になるからやめて!(笑)
【引用者註】阿部:阿部秀之 氏(写真家)、原田:原田壮基 氏(ニコン・光学設計)、豊田:豊田慶記 氏(写真家)、山田:山田久美夫 氏(写真家)
(間違いだらけのレンズ選び2025 カメラマンリターンズ#14 モーターマガジン社 40~41ページ)
DC NIKKORは、原田氏が定年になるまでに関わりたいとのこと。期待したい。というか、また話は戻ってしまうのだが、Ai AF DC Nikkor 135mm F2DなどのカップリングAFレンズを、ニコンZボディでAF可能にしなさいよ、ニコンは。
【関連】
ピクチャーコントロール:間違いだらけのレンズ選び2025 ― 2025年09月08日
ニコン開発者インタビュー - NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(PHOTO YODOBASHI)
NIKKOR Z 50 mm f/1.2 Sの開発 原田 壮基, 中野 拓海(日本写真学会誌84 巻 (2021) 3 号 p. 182-186)
写真は記事とは関係ない。
名古屋三井ビルディング北館と名古屋モード学園(名古屋市中村区):Nikon Z6、Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F4 P、F8、絞り優先AE、1/125秒、ISO-AUTO(ISO 280)、AWB(8070K)、マルチパターン測光、 マニュアルフォーカス(MF)、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、ピクチャーコントロール「オート」、手持ち撮影、Rayqual LM-NZマウントアダプター、Kenko PRO1D plus プロテクター(W)、専用フード、RAW(NEF)ファイルをNX Studio 1.8.0で最新のピクチャーコントロール:ポートレートで現像
コメント
_ Haniwa ― 2025年10月06日 13時00分56秒
_ タロウカジャ ― 2025年10月06日 17時42分18秒
FマウントカメラでもD3400とD3500はDレンズではAFは元よりAEも連動しません。このクラスになると余り話題にならないのですが意外と不便です。バッテリーとSDカードが共通のDfと併用していたのですが不便でした。結局D3500はDX16-85mmを着けっぱなしで使用しました。
ニコンさんにしましたら新しいシステムには新しいレンズを使用して下さいと言うことなんでしょう。
それなら望遠域の普及版ズームレンズを提供して欲しいですね。
24-200mmf/4-6.3VRと70-180mmf/2.8(VR無し)ではね。
_ Haniwa ― 2025年10月06日 20時03分53秒
>カップリングAFレンズいわゆるDレンズはFマウントAFニッコールレンズを補完するかのように長く提供されましたがZマウントに移行した際にマウントアダプターが今以って提供されていません。この部分は開発要員が不足しているのではないかと思ってしまいます。
開発要員が不足しているのか、営業側が許可しないのかは分かりませんが、なにか同じような焦点距離のレンズは頻繁に出すのに、隙間を埋めるレンズはなかなかでませんよね。
カップリングAFでAF可能なマウントアダプターは、おそらく営業サイドで止められているんじゃないかと想像します。そんなもん要らん、と。早く古い規格捨てろ、と。
>FマウントカメラでもD3400とD3500はDレンズではAFは元よりAEも連動しません。このクラスになると余り話題にならないのですが意外と不便です。バッテリーとSDカードが共通のDfと併用していたのですが不便でした。結局D3500はDX16-85mmを着けっぱなしで使用しました。
>ニコンさんにしましたら新しいシステムには新しいレンズを使用して下さいと言うことなんでしょう。
D3400>システム>使用できるレンズ
ttps://nij.nikon.com/products/lineup/slr/d3400/system_lens.html
Dタイプですと、マニュアル露出のみでかつ測光モードも全部×ですね。
DタイプはCPU付きにもかかわらず、MFレンズと同じ扱いです。
D3500も同様ですね。
ttps://nij.nikon.com/products/lineup/slr/d3500/system_lens.html
ニコンからしたら、2016年9月16日発売のD3400や、2018年9月28日発売のD3500のときに既にDタイプは捨ててるのにあなたたちはなにも言わなかったよねという感じでしょうか。
ニコンZ7は2018年9月28日発売です。D3500と同時発売ですね。その2年前から捨てていたのです。
ニコンが下級機で捨てた互換性は、いずれ最上級機でも捨てられます。
>それなら望遠域の普及版ズームレンズを提供して欲しいですね。
>24-200mmf/4-6.3VRと70-180mmf/2.8(VR無し)ではね。
70-300mmのF4-5.6あたりのレンズがないですよね。
少し前にAF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR のアウトレットが7万7千円でニコンダイレクトで出ていて、中古よりも安いのでちょっと迷いましたが見送りました。もうなくなっています。
NIKKOR Zで70-300mmを出さないのであれば、もう少し長くAF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VRの生産を続けてもいいように思います。
NIKKOR Z 70-180mm f/2.8 はレンズ内VRがないので、APS-C機で使うときに困りますよね。
こういう仕様がバラバラで互換性が低いのがニコンなのです。
FX(とはもう言わないんでしたっけ)のニコンZならボディ内VRがあるので、NIKKOR Z 70-180mm f/2.8は少しそそりますね。特にZ TELECONVERTER TC-2.0x との組み合わせで140-360mmとか便利そうです。ただ、ニコンZ50IIと併用するときに困ります。こういうチグハグさをどこかで解消しようという気はないんでしょうね。こういうことをやっているといすれ滅ぶだろうなと思っています。だとするとニコンZ50IIのダブルズームキットでいいか、となって高いレンズはますます売れなくなります。プロだってもはやソニーやキヤノンが圧倒的ですし。どういうマーケティングなんですかね。
_ タロウカジャ ― 2025年10月07日 15時38分08秒
タムロンブランドで70-180mmf/2.8マーク2VR付きを10月23日に発売するようです。これでタムロンブランドの大三元?のマーク2が出そろいます。テレコンが使えないとかファームアップが遅れるとか若干純正品より使い勝手が悪いかもしれませんがニコンとしてはこの領域をお任せと言うことなんでしょうか。
純正品の発表発売が待ちきれないときはありですね。
_ Haniwa ― 2025年10月08日 10時59分30秒
>補足
>タムロンブランドで70-180mmf/2.8マーク2VR付きを10月23日に発売するようです。これでタムロンブランドの大三元?のマーク2が出そろいます。テレコンが使えないとかファームアップが遅れるとか若干純正品より使い勝手が悪いかもしれませんがニコンとしてはこの領域をお任せと言うことなんでしょうか。
>純正品の発表発売が待ちきれないときはありですね。
情報ありがとうございます。
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)
ttps://www.tamron.com/jp/consumer/lenses/a065/
ですね。
これのSONYα用は2023年10月12日発売ですが、NikonZ用が2025年10月23日に発売ということですね。
ttps://www.store-tamron.com/c/model-A065
これは悩ましいですね。
ニコンのNIKKOR Z 70-180mm f/2.8は、レンズ内手ぶれ補正はないが、テレコンが使用可能で、ヨドバシで¥181,500(税込)。
タムロンの70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (Model A065)Z用は、レンズ内手ぶれ補正があるが、テレコンは使用不可で、ヨドバシで¥176,000(税込)。
うーん、微妙です。私なら、Z6ユーザーなので、ボディ内手ぶれ補正とZ TELECONVERTER TC-2.0xの併用で140~360mm F5.6が魅力ですので、ニコン純正を選びますが、APS-C機を使っている人やテレコンに興味ない方は、タムロンが選択肢に入ってきますね。ただ、値段はあまり変わらないところが…。
APS-Cユーザーの場合、F2.8の明るさが必要でなければ、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRやNIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VRやNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRがよいのでしょうね。特に最後のNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRは、ヨドバシで¥49,080(税込)ですし、Z50IIダブルズームキットを買うともっとお得に買えますし。
ニコンってAPS-C機にはボディ内手ぶれ補正がありませんから、レンズを併用する際には(併用前提でレンズを新規に買うときは)、慎重に選ぶ必要がありますね。
悩ましいところですが、MonsterAdapter「LA-FZ1」を買ってAI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW> をZ6でAFで使うよりは、NIKKOR Z 70-180mm f/2.8を買って、あとからZ TELECONVERTER TC-2.0xを買った方がよいような気がしてきました。予算額が全然違いますが。FマウントのF2.8クラスの70-200mmが中古でも結構な値段がすることを考えますと、NIKKOR Z 70-180mm f/2.8が俄然浮上してきますね。
_ めがねのパイロット ― 2025年10月11日 08時24分47秒
絞り開放かぁ・・・
デジタルになって価値が出て来た撮影方法ですよね(笑)
遊びでは開放で撮りますが、そうでない撮影だとだいたい2-3絞りはしますね。
開放だと合焦範囲が狭すぎて絵にならないので・・・
でも、レンズ設計の技術が上がり、開放でも絞っても十分余裕のあるレンズが多いので、恵まれた時代です(笑)
_ Haniwa ― 2025年10月12日 11時03分00秒
>絞り開放かぁ・・・
>デジタルになって価値が出て来た撮影方法ですよね(笑)
>
>遊びでは開放で撮りますが、そうでない撮影だとだいたい2-3絞りはしますね。
>開放だと合焦範囲が狭すぎて絵にならないので・・・
これ、カメラマンリターンズ#14にはまだ続きがあって、
「阿部:開放で撮ってくれ。開放がもう最高だって。
山田: 俺も絞らない。俺も99%絞らないよ。
阿部:でも。状況によってちょっとは絞ることもあるでしょう。だって山田君だってF1.2からF1.3にいくときのゼロコンマいくつがおもしろいとか言うじゃん。
山田: それはテストの時なの。
阿部:だからさー。絞ったっていいじゃん。ちょっとくらいは。
山田:なんかね。絞ると設計した人に悪いような気がするんだよね。
原田:はい。同じことを思ってます。もちろん、お使いになる方の表現に応じて自由に使っていただいて構いません。あくまで個人の好みの話です。
編集部:でもF1.2開放で人撮ったら右目にピントがきてるけど左目はボケてるみたいな感じになりますよね?
原田:はい。その時は顔を正面に向けてもらいます。
編集部:そ、そうですか。」
となっています(笑)。原田壮基さん、筋金入りの開放主義者です(笑)。
>でも、レンズ設計の技術が上がり、開放でも絞っても十分余裕のあるレンズが多いので、恵まれた時代です(笑)
ミラーレスになって、撮影時に簡単に拡大できるので、絞り開放で撮影しやすくなったのも大きいですよね。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは、そのうちお迎えしたいですね。
_ めがねのパイロット ― 2025年10月12日 11時54分22秒
>NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは、そのうちお迎えしたいですね。
使っている知り合いからは評判がいいです。
その反面、50/1.8Sのコスパ最高具合が素晴らしい、とも・・・
従いまして。
主様におかれましては、1.8/1.2/0.95と3本セットで神棚に飾り、ご神レンズとして末代まで末永く崇め奉り撮り祀ることをオススメします。
あ、コシナのフォクトレンダー50mm F1もいいですよ(爆)
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ができてしまった。すまん。
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というか、もうアサブロは更新に時間掛かりすぎて付き合いきれないところまで来ている。引っ越しは無理でも、新規にどこかに移った方がよいのかもしれない。