Ai Nikkor 35mm F2Sの色収差、ニコンZ6とD610とで出方が違う ― 2026年06月11日 00時00分00秒
ニコンZ6で初めて35mmのフルサイズのデジタルカメラにして、フィルム時代のMFレンズなどを活かそうと思った矢先にショックだったのは、Ai Nikkor 35mm F2Sが絞り開放で滲んだ感じのかなり甘い描写になることだった。
ニッコール千夜一夜物語 第八十四夜 AI Nikkor 35mm F2S
かつてフィルム時代に夕方にISO400のカラーネガフィルムで絞り開放でよく撮ったAi Nikkor 35mm F2Sは、フィルムでは絞り開放で甘い感じはしなかった。もう少し絞ったときに比べれば甘いのだろうが、滲んだ感じはしなかった。
同様に、D300やD300SでAi Nikkor 35mm F2Sを使ったときも、フィルムで撮ったときと同じ印象で、絞り開放でも滲んだ感じはしなかった。
それで、りー様の高校時代の写真部の1年後輩のフリーカメラマンの方が、「D610とAi Nikkor 35mm F2Sの開放付近で我々をスナップしてくれましたが、素晴らしい写真でした」とのことで、D610ならばAi Nikkor 35mm F2Sとの相性は悪くないはずだとお勧めして戴いたのだった。
いまさらNikon D610 ― 2026年02月09日
たしかに、Z6とAi Nikkor 35mm F2Sでは絞り開放が甘い感じがするのだが、D610とAi Nikkor 35mm F2Sでは絞り開放でも甘い感じはしない。
ニコンD610 + Ai Nikkor 35mm F2S作例その1 ― 2026年02月10日
ニコンD610 + Ai Nikkor 35mm F2S作例その2 ― 2026年02月16日
それで、Ai Nikkor 35mm F2Sの色収差に気づいたのは、レンズキャップLC-52の「Nikon」という銀色のロゴを机の上で撮ったときだったので、Z6とD610とD300Sとで撮り比べてみた。
【写真1】Nikon Z6 + FTZ + Ai Nikkor 35mm F2S 最短撮影距離にて:Nikon Z6、Ai Nikkor 35mm F2S、絞り開放F2、1/200秒、ISO 100、AWB、ピクチャーコントロール:ポートレート、マルチパターン測光、 マニュアルフォーカス(MF)、手ぶれ補正ON(ノーマル)、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、FTZマウントアダプター、フードHN-3、L37Cフィルター、Jpegをトリミング
見ての通り、青っぽい色収差が広がっている。銀色の部分から黒い色の部分にまで青が掛かっているだけでなく、銀色の方のエッジを超えた部分にも青が掛かっている。これだと輪郭がぼやけるので滲んだ甘い感じになるのは分かる。これぐらい色収差が広がると、拡大しなくてもなんとなく甘い画像になる。
【写真2】Nikon D610 + Ai Nikkor 35mm F2S 最短撮影距離にて:Nikon D610、Ai Nikkor 35mm F2S、絞り開放F2、1/200秒、ISO 100、AWB、ピクチャーコントロール:ポートレート、マルチパターン測光、 マニュアルフォーカス(MF)、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、フードHN-3、L37Cフィルター、Jpegをトリミング
D610で撮ると、拡大しなければ滲んだ感じはしないし色収差にも気が付かない。しかし、拡大すると色収差は出ている。ただし、青ではなく紫色でかつ黒い部分には掛かっていないように見える(広がっていない)。これだと輪郭がぼやけているわけではないので、この紫色が見えないぐらいの干渉サイズだと甘い感じはしない。
【写真3】Nikon D300S + Ai Nikkor 35mm F2S 最短撮影距離にて:Nikon D300S、Ai Nikkor 35mm F2S、絞り開放F2、1/400秒、ISO 360、AWB、ピクチャーコントロール:ポートレート、マルチパターン測光、 マニュアルフォーカス(MF)、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、フードHN-3、L37Cフィルター、Jpegをトリミング
D300SでもD610と同様の傾向だ。色収差も紫色だし、黒い部分にまで大きく広がってはいない。こちらも拡大しなければ気づかないし、輪郭が甘くなっているようには見えない。D300Sが1/400秒になっていてISO360なのは、いつも望遠レンズでスポーツを撮る設定なので、シャッタースピード下限を1/400秒にしていたからのようだ。撮り直すのが面倒なので許してちょ。
三脚を使って角度を固定したりしていないので、厳密な比較にはならないが、フィルムやD300Sでは絞り開放で滲んだ感じがしなかったのに、Z6だと滲んだ感じになることが、拡大画像でわかった。このレンズはZ6で使うときは1段絞って使うことにする、というよりはD610で使うのがよい。
Z6とD300SやD610とで、どうして撮影結果が違うのか分からないが、Z6は裏面照射型イメージセンサーで、D300SやD610は表面照射型イメージセンサーという違いがある。いずれもCMOSである点は共通。ほかに、D300やD300Sは倍率色収差軽減機能は強制的に適用される。
気になるデジカメ長期リアルタイムレポート ニコンD300【第7回】D300にもある「倍率色収差軽減」
D610やZ6に倍率色収差軽減機能があるのかは調べたが分からなかった。
デジタルカメラはフィルムとは構造も違うし、一眼レフのデジタルカメラ時代はメーカーもフィルムカメラ時代のレンズである程度性能が出るように気にしていたのだろうが、ミラーレスデジタルカメラの時代になって「さすがにもうええやろ」(なぜか関西弁)、「勘弁してくれ」という感じなのかもしれない。まあ原因というか写りが違うことが分かってすっきりした。あらためて、D610をお勧め戴いたりー様にお礼を申し上げる。
【関連】
Ai Nikkor 35mm F2Sのフィルムでの作例
Kodak Ektar 100(エクター100)フィルム試写その2 ― 2009年02月04日
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最近、Google検索でこのブログの過去記事検索結果が復活してきているようだ。記事を書くのに自分の過去記事が探せなくて結構苦労していた。アサブロは、まだまだ絶好調というにはほど遠いレスポンスなので、ちゃんとしてほしい。
コメント
_ kazu ― 2026年06月12日 14時57分37秒
_ めがねのパイロット ― 2026年06月13日 21時48分31秒
私はD700を今更手に入れました(笑)
D850があるのですが、オールドニッコールで遊ぶなら、D700程度で十分ですし。
さて、Z6で色収差がの件ですがセンサーの仕様、特にカバーガラスの厚みが薄くなっているので、その辺の物理的な仕様変更とか、何かあるのかも?
ただ、AF-S 300/4Dでの撮影が今一つであったように、やはりZ以外でのレンズフォローを手薄にしているのだと思います。
この辺は商売なので、どこまでも、は難しいとこちらも割り切るしかないトコロかもしれません。
_ Haniwa ― 2026年06月14日 14時16分14秒
コメントありがとうございます。
>興味を引く検証をしていただき、ありがとうございます。
いえいえ、ずっと気になっていたことなのです。
>で、
>撮影条件等を横並びで見るとZ6の(ボディ内)手振れ補正の影響ではないかと
>多分XYの平行成分または撮影面に対する角度成分(φとλとでも言いましょうか)が微妙に影響しているのではないかと思います。
>回転成分(θとしましょうか)の影響はないかと予想します。
>(>Zマウントボディを持っていない私が言うのもなんですが)試しにボディ内手振れ補正をOFFにして撮影した結果を見てみたいですね。
>(間違っていたらごめんなさい)
仰るとおりだと思います。手ぶれ補正をオフにしないと正確な比較にはならないですね。
手ぶれ補正はずっとオンにしっぱなしなので、あまり意識しないで比較してしまいました。
手の空いたときに手ぶれ補正無しでも撮ってみます。
ご指摘ありがとうございました。
_ Haniwa ― 2026年06月14日 14時42分13秒
コメントありがとうございます。
>私はD700を今更手に入れました(笑)
>D850があるのですが、オールドニッコールで遊ぶなら、D700程度で十分ですし。
D700は人気ありますよね。古いのになかなか値段が下がらないのでずっと縁が遠かったです(泣)。D300やD300Sを使っているので、D700はお迎えしなければとは思っていたのですが……。
D700ぐらいの時期や画素数の方がオールドニッコールと相性がよいのかもしれませんね。
>さて、Z6で色収差がの件ですがセンサーの仕様、特にカバーガラスの厚みが薄くなっているので、その辺の物理的な仕様変更とか、何かあるのかも?
>ただ、AF-S 300/4Dでの撮影が今一つであったように、やはりZ以外でのレンズフォローを手薄にしているのだと思います。
>この辺は商売なので、どこまでも、は難しいとこちらも割り切るしかないトコロかもしれません。
カバーガラス(センサー前ガラス)の厚みは、
ttps://www.oldlens.com/cover%20glass%20thickness%20for%20image%20sensor.html
によりますと、
D300は1.8mmで、Z7が1.1mmですね。D1xの0.7mmからD200やD40xの2.2mmまでかなりの幅がありますね。
ニコンが古いレンズへの対応をわざとしていないのかは難しいところだと思いますが、ミラーレスデジタルカメラと(フィルム時代の)レンズにはかなり相性があるようですね。
フィルム時代ではないですが、AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G ED は、D300やD300Sで使うよりもZ6で使った方が明らかに写りはよいです。
そういえばZ6では遠距離がイマイチだったAF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED をD610で試すのはまだやっていませんね。
カバーガラスの厚み以外にも、表面照射と裏面照射の違いもあるかもしれません。対称型広角レンズだと裏面照射が合っているらしいのですが、一眼レフ用のレンズですと、裏面照射よりも表面照射の方が色収差の出方がマイルドなのではないかとか想像しています。
これ、突き詰めると、デジタルカメラも集め出してかなりの沼になりそうな気がします(笑)。
あくまでも、持っているレンズの性能を引き出すのはこっちの方かなぐらいにしておいた方が身のためのような…(笑)。
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興味を引く検証をしていただき、ありがとうございます。
で、
撮影条件等を横並びで見るとZ6の(ボディ内)手振れ補正の影響ではないかと
多分XYの平行成分または撮影面に対する角度成分(φとλとでも言いましょうか)が微妙に影響しているのではないかと思います。
回転成分(θとしましょうか)の影響はないかと予想します。
(Zマウントボディを持っていない私が言うのもなんですが)試しにボディ内手振れ補正をOFFにして撮影した結果を見てみたいですね。
(間違っていたらごめんなさい)