おもしろレンズ工房ぎょぎょっと20 + Nikon Z6 + FTZ作例 ― 2022年12月03日 00時00分00秒
ニコンZ6を買った理由のひとつに、おもしろレンズ工房ぎょぎょっと20(20mm F8)をちゃんとした画角で使いたいというのがあった。ぎょぎょっと20は魚眼タイプのレンズなのだが、35mmフィルムサイズを想定しているので、Z6導入前のD300やD300SのAPS-Cサイズでは、あまり広くない画角なのに歪曲がひどいレンズになってしまっていた。いつか35mmフルサイズをと思っているうちに、ミラーレスの方の35mmフルサイズに一足飛びに行ってしまったのだった。
ということでようやくぎょぎょっと20の作例だ。
【写真1】東京メトロ後楽園駅(東京都文京区):Nikon Z6、ニコンおもしろレンズ工房ぎょぎょっと20(Nikon Fun Fun Lens Set The Gyogyotto 20 (Fisheye Type 20mm f/8))、絞り優先AE(F8)、1/320秒、ISO-AUTO(ISO 100)、ピクチャーコントロール:AUTO、AWB(4900K)、マルチパターン測光、手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、ぎょぎょっと20専用フードTI.HK-1 for 20mm/F8、FTZマウントアダプター、Jpegからリサイズのみ
東京ドームを背中にして東京メトロの後楽園駅を見たところ。なんか薄雲が漫画の効果線みたいになっていて面白い。
ぎょぎょっと20の描写だが、四隅部分はかなり像が崩れている。フィルムで使ったときも四隅はあまりよくなかったが、ニコンZ6で使ったときの方がより目立つような気がする。ぎょぎょっと20の後ろ玉は非常に小さいので、射出瞳の位置などが撮像素子前のカバーガラスの厚みと相性が悪いのかもしれない。こんどフィルム撮影したものとよく比較してみる。
中央部の等倍切り取り【写真2】と右上隅の等倍切り取り【写真3】とを追加しておく。
【写真2中央部等倍切り取り】東京メトロ後楽園駅(東京都文京区):Nikon Z6、ニコンおもしろレンズ工房ぎょぎょっと20(Nikon Fun Fun Lens Set The Gyogyotto 20 (Fisheye Type 20mm f/8))、絞り優先AE(F8)、1/320秒、ISO-AUTO(ISO 100)、ピクチャーコントロール:AUTO、AWB(4900K)、マルチパターン測光、手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、ぎょぎょっと20専用フードTI.HK-1 for 20mm/F8、FTZマウントアダプター、Jpegから中央部を等倍切り取り
【写真3右上部分等倍切り取り】東京メトロ後楽園駅(東京都文京区):Nikon Z6、ニコンおもしろレンズ工房ぎょぎょっと20(Nikon Fun Fun Lens Set The Gyogyotto 20 (Fisheye Type 20mm f/8))、絞り優先AE(F8)、1/320秒、ISO-AUTO(ISO 100)、ピクチャーコントロール:AUTO、AWB(4900K)、マルチパターン測光、手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、ぎょぎょっと20専用フードTI.HK-1 for 20mm/F8、FTZマウントアダプター、Jpegから右上部分等倍切り取り
【追記:2022年12月4日】
ぎょぎょっと20のこの四隅の像の崩れは、設計者の大下孝一さんも分かった上で製品としてリリースされているようだ。ニッコール千夜一夜物語 第五十四夜 ニコンおもしろレンズ工房 Part2(ぎょぎょっと20/どどっと400)で以下のように述べられている。
このレンズの最大の特徴は2群3枚のシンプルなレンズがつくりだす抜けのよさである。作例1は、半逆光の風景である。超広角レンズは、光源がレンズにあたることが避けがたいが、このレンズは光源が画面内のある場合でも、ゴーストやフレアが目立つことはほとんどない。また画面四隅を除いてシャープな画像である。画面四隅で急に画像がくずれるが、これはネガからプリントの過程でややトリミングされることから、画面中間部のシャープネスを優先し、画面四隅を犠牲にしたためである。
たしかにネガカラーで使った場合には、35mm版とL版プリントのアスペクト比が異なるので、この四隅はプリントされない。そこまで考え抜かれたレンズなのである。素晴らしい。
ヌケがよく、光源が画面内にある場合でもゴーストやフレアが目立つことがほとんどなく、コマフレアや色収差がたいへん小さいので夜景の撮影もいける。もしどこかで見つけたら、このぎょぎょっと20を是非買って使ってみて欲しい。
【追記ここまで】
このぎょぎょっと20はガラスレンズ自体の口径比はもっと明るいようで、絞りを入れてF8にして実用的な像を得ているらしいので、F11相当の絞りを円盤か何かで作って入れ替えるともっと四隅の描写はよくなるかもしれない。ただ、F11だと回折の影響が出る可能性もある。フィルム時代は感度の関係でF8が実用的なぎりぎりの暗さとして選ばれたのだと思うが、これだけ高感度の性能がよくなったデジタルカメラだとF11にしても全然撮影には困らない。そのうちF11の絞り円盤を入れてみるかも。なお、おもしろレンズ工房のぐぐっとマクロには自作絞りを入れるような構造になっていたが、ぎょぎょっと20はそのような構造になっていないので自己責任でやらねばならない。
この作例の右上にある銀色の構造物は、後楽園ゆうえんちのジェットコースターのレールで、ビルの屋上を橋脚代わりにした変わった構造だ。狭い敷地でうまくジェットコースターを配置しているのだろう。このジェットコースターに乗ってぎょぎょっと20をつけて動画撮影したら面白いんじゃないかと思うが、カメラを持ったまま乗せてくれるのかは分からない。
なお、ぎょぎょっと20って英語でもThe Gyogyotto 20なのね。
NIKKOR - The Thousand and One Nights No.54
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【関連追記:2022年12月7日】
おもしろレンズ工房ぎょぎょっと20 + Nikon Z6 + FTZ作例2 ― 2022年12月07日
【追記:2024年11月13日】
毎日新聞の「デジタルを捨てよ 町へ出よう!」という連載で、魚眼“風”レンズ「ぎょぎょっと20」の素晴らしさにぎょぎょっ!2024/3/25 07:00(最終更新 3/25 07:00)という連載回がある(撮影:中村琢磨氏)。
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