Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その1 ― 2022年05月25日 00時00分00秒
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6の作例だ。フィルム撮影では名玉と言われたBiogonだが、後ろ玉が撮像素子面に近いということと射出瞳の位置と撮像素子直前にあるローパスフィルターやカバーガラスの厚みによる像面湾曲などのせいで、デジタルカメラではもう一息な感じの評価であった。
特にBiogon T* 21mm F2.8の方が撮像素子前のカバーガラスの厚みによる影響が大きいので、私は球面平凸レンズで逆向きに像面湾曲を発生させて補正する方法を使っている。
Nikon Z6作例1(CONTAX G Biogon T* 21mm F2.8) ― 2021年11月13日参照
それで、Biogonn T* 28mm F2.8の方は、ニコンZ6だと多少の像面湾曲は見られて周辺部の像は流れ気味だが、ブルーグレーの色被りも少なく、Biogon T* 21mm F2.8よりは使えるというのが世間の評判だった。
Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)に、21mmで使っていたシグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)を付けたり外したりして試してみた結果、球面平凸レンズ / SLB-50-1500PMを付けていた方が中心部の解像力も高く周辺部の流れも解消することが分かった。球面平凸レンズの代わりにニコンのクローズアップレンズNo.0を使うという手もあるみたいだが、SONYのミラーレスで使う人が多いのか(ソニーのミラーレスの方がニコンZよりもBiogonでの像面湾曲の影響が大きい)、なかなか見つからない、見つかっても高価だったりする。それにニコンZ6とBiogonとクローズアップNo.0の組み合わせの結果があまり見つからない。
それで、Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)にももう1枚シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)を買うことにした。
Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)はフィルター径46mmなのだが、買ったシグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング) は外形50mmだ。まずはKenko 46mm→55mmのステップアップフィルターをBiogon T* 28mm F2.8に付ける。
次にAmazonベーシック カメラ用レンズフィルター UV保護 52mm CF26-N-52 から外したフィルター押さえ枠を、Marumiの55→52ステップダウンリングに後ろ側(Biogonレンズに装着する側)から軽くねじ込む。
そこにシグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)を凸側をBiogonやカメラ側に向けて落とし込む。これだけだと球面平凸レンズが被写体側にポロリと落ちてしまうので、押さえ用にKenko 52mm→55mmステップアップリングリングをねじ込む。
これで、レンズ側からみて、Kenko 46mm→55mmのステップアップフィルター + Amazonベーシック カメラ用レンズフィルター UV保護 52mm CF26-N-52 から外したフィルター押さえ枠を入れたMarumiの55→52ステップダウンリング + シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング) + Kenko 52mm→55mmステップアップリングリングという3段重ねの補正光学系ができる。
これをCarl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)にねじ込んで使うと、周辺の流れも色被りもほとんどなくニコンZ6で使える感じ。
↑【写真3】をさらに追加した。
なお、Amazonベーシック カメラ用レンズフィルター UV保護 52mm CF26-N-52 からフィルター押さえ枠を外すのに、レンズ分解工具を買った。外すときはフィルターに無水アルコールを流し込んだりしないとなかなか回らないかも。なお、Amazonベーシック カメラ用レンズフィルター UV保護 はコーティングが目茶苦茶悪いので、これをフィルターとして使うのはやめた方がよい。レンズを保護フィルターなしで使うか中古のフィルターを買った方がはるかにマシというレベル。反射しまくり。あくまでも押さえ枠がほしくて手に入れている。
↑【写真2】を追加した。
なお、この3段枠の球面平凸レンズをCarl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)に装着した状態に、さらに純正のメタルフードGG-1を付けるとケラレてしまう(さらにステップダウンリング55mm→46mmを付けて4段重ねになって前玉からフードが離れるからだろう)。他方でメタルフードGG-1に付けるかぶせ式の純正キャップGK-54はこの3段重ね補正光学系にはきれいにはまる。したがって、この3段枠の球面平凸レンズにGK-54キャップをして使っているが、なくすと手に入れるのが面倒なので(とっくの昔に製造販売終了)、55mm径の普通のキャップLC-55Aなどにした方が良いかもと思っている。
【関連追記】datasheet-zeiss-biogon-2828-en.pdf
Carl Zeiss Photography Historical Products Datasheets
【関連追記:2022年5月28日】
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その2 ― 2022年05月28日
【関連追記:2022年6月23日】
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その3 ― 2022年05月31日
赤城耕一氏のデジカメWatchのBiogon作例が非常に参考になる ― 2022年06月07日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その4 ― 2022年06月23日
【作例:写真1】ダイヤゲート池袋(西武ホールディングス本社):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)、F8、1/160秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(5610K)、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Jpegからリサイズのみ、K&F Concept KF-CGZ(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング) 、フードなし
隅っこが見づらい作例ですまんが、左下のミラーに写っている警備員なども流れることなく解像している。絞りを開けた作例もいずれ掲載したい。
21mmと違って、Biogon T* 28mm F2.8の方は球面平凸レンズの補正でほぼフィルムのときのような描写で使えると思う。もう少し色々と使ってみたい。
28mm相当の画角のRioch GRがあるので、28mmの出番はあまりなかったのだが、リコーGRは遂にどんな状況でも1/2ぐらいの確率でピントが合わなくなってしまった(ピント合わせの光学系がガガガと滑ってしまう)。これではスナップでは使えない。GR IIかGR IIIを買うか迷っているが、GRを買ったときに比べてなんか値段が高いんだよね。GR IIIなんかその値段出すならNIKKOR Z 20mm f/1.8 S買おうかと思う値段だ。全然用途が違うんだけれども。
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