APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical(ニコンZ用)とVM版の違いが気になる2022年03月04日 00時00分00秒

レストランSCANDIA(横浜市中区):Nikon Z6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、プログラムAE(F6.3、1/160秒)、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、ワイドアエリアAF、AF-S、手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Nikon NCフィルター、バヨネットフード HB-85

ちょっと遅れてしまったが、コシナがAPO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical(ニコンZ用)やAPO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical(ニコンZ用)を発売するそうだ。
コシナ、今後発売予定のレンズ4本+マウントアダプターのスペックを公開(デジカメWatch 2022年2月24日)

このうちAPO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical(ニコンZ用)が気になる。50mm前後のレンズはたくさん持っていて持て余しているので。

ただ、APO-LANTHAR 35mm F2 Asphericalは、既にライカMマウント互換のVMマウント版が発売されているので、それと今回のAPO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical(ニコンZ用)とがどう違うのかが非常に気になる。

というのも、APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VMの方の話だが、「フォクトレンダー史上最高性能をうたう」APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical E-mountとマウントアダプター経由でVM版を使う場合とでは性能が違うとアナウンスされていたからだ。

VMマウント版では、光学系をMマウントカメラ用のイメージセンサーに最適化。見た目のレンズ配置は同様だが、使用する硝材から見直すなどの作業に時間がかかったという。高性能を特徴としたレンズであることから、EマウントカメラとMマウントカメラのイメージセンサーに備わるカバーガラスの厚さの違いが実写性能にシビアに影響することが理由だとしている。

そのため、フォクトレンダーのマウントアダプターを介してソニーE、富士フイルムX、ニコンZマウントのミラーレスカメラにも装着することは可能だが、上記理由から本レンズに期待される本来の性能を発揮できないためとして、同社では本レンズをアダプター経由で使用することを推奨していない。

「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」のVMマウント版が登場(デジカメWatch 2020年12月8日)
【追記】

同じ銘柄のレンズでソニーEマウントとVMマウントの両方を作る場合、問題になるのが撮像素子前面にある保護ガラスの厚みだ。VMマウントのデジタルカメラは現実的にM型ライカしかないが、M型ライカの保護ガラスは1mm以下と非常に薄いのに対し、それ以外のデジタルカメラは保護ガラスの厚みが2mm以上あるものがほとんどだ。光がガラスを通過するときには当然屈折を伴うため、レンズを設計するときはこのガラス厚を必ず考慮しなければならない。

ごく普通の特性を持つレンズの場合、この保護ガラスの厚みの違いはレンズ構成の一部のレンズ間の距離を調整するなどで十分に対応可能で、コシナでも従来はそうやって対応してきたという。

しかし、アポランター50mmと35mmにおいては解像性能が非常に高く、レンズ構成の一部レンズ間隔調整では想定した性能が出せないということで、ソニーEマウント用とVMマウント用ではそもそもの光学設計を変え、さらに使われている硝材の種類もそれぞれのマウントに合わせて最適化しているそうだ。ひとつの銘柄のレンズのレンズに2つの光学設計を行うのはコストの面からもリスキーだが、逆に考えるとそれだけアポランターはとにかく性能最優先ということだ。

VMマウント版を購入すれば、マウントアダプターを併用することでほとんどのミラーレスカメラ用で使えるため、そういう使い方をしようと考える人も多いだろうが、この保護ガラス厚に起因する光学設計の違いから、VMマウント版をソニーEマウント機やニコンZマウント機、キヤノンRFマウント機などに装着しても所定の性能は得られず、特に画像周辺部では像の乱れが発生する。

Eマウント用とVMマウント用ではピントピークの特性も異なる

さらにVMマウント版ではレンジファインダーで使われることを前提に、ピント特性も変えられている。

M型ライカのレンジファインダーは高精度なことで知られているが、それでもボディ側のコロ付きアームとレンズ側のカムを物理的に連動させている以上、機械的な公差が僅かながらも発生してしまうことは避けられない。アポランターのようなピント特性がピーキーなレンズの場合、この公差によるピントずれが画像上で目視できてしまう可能性があるため、VMマウント版においてはEマウント版よりもピントピークの幅が広くなるようなチューニングになっているという。

このため、絶対的な解像性能の高さではVMマウント版よりもEマウント版の方が上で、コシナのサイトに掲載されている両レンズのMTF曲線からもその性能差を確認することができる。

フォクトレンダー史上最高性能「APO-LANTHAR 35mm F2」レビュー(河田一規氏 2021年3月5日)
【追記ここまで】

ライカMマウントのデジタルカメラと、ニコンZマウントのデジカメと、ソニーEマウントのデジカメとで、カバーガラスの厚みが違うことにより、特に周辺画質が劣化することが知られている。

私がもうニコンから離れたいなと思っていたのに、ミラーレスでソニーEマウントではなくニコンZマウントにしたのは、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8を使う場合には、カバーガラスの薄いニコンZの方が写りがよいからである(厚みはソニーE>ニコンZ>ライカMの順。ライカは高くて買えない)。【追記】ニコン Z7 が早速分解される(kolarivision)2018年10月6日によると、ニコンZ7のカバーガラス厚みは実測1.1mmとのことだ。【追記ここまで】

だとすると、APO-LANTHAR 35mm F2 AsphericalのVM版をマウントアダプターでニコンZボディに使ったときと、APO-LANTHAR 35mm F2 AsphericalのニコンZ用をニコンZボディで使ったときにどのくらい違うのかが非常に気になるのだ。

あんまり違わないのであれば、ニコンZボディにライカMマウントレンズを装着するAF可能なアダプターにAPO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical VMを付けた方が便利だ。オートフォーカス(AF)が可能になるし、マウントアダプターにCPUチップ搭載なので、Exifに情報が書き込まれる。

APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical(ニコンZ用)もCPUチップ搭載で、Exif書き込みやカメラ側の手ブレ補正機構やピント合わせ補助機能を利用できるとある。しかし、カメラ側の手ぶれ補正やピント合わせ補助機能はCPUチップ積んでいなくても利用できるので、VM版にAF可能なアダプターを使ったときとなんの違いもない。Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8とCPUチップ積んでないマウントアダプターでさえ、Exif書き込みはできないが、手ぶれ補正とピント合わせ補助機能は使える。CPUチップ積んでいる御利益がExifにレンズ焦点距離と開放F値が書き込まれる以外のメリットがないのだ(これも以前のニコンDSLRではできていたのにZになってからできなくなった改悪なのだが)。

ということで、VM版とZ版とでニコンZボディでどのくらい違うのかをデジカメWatchとかコシナは色々テスト結果を公表してほしい。違いがあるのならあると言わないと、ニコンZ用は売れず、汎用性のあるVM版ばかり売れることになってしまう。


写真は記事とは関係ない。
レストランSCANDIA(横浜市中区):Nikon Z6、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、24mm、プログラムAE(F6.3、1/160秒)、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、ワイドアエリアAF、AF-S、手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Nikon NCフィルター、バヨネットフード HB-85

2階のSCANDIAは創立1963年なので歴史あるレストランだ(http://www.scandia-yokohama.jp/intro/index.html)。1階のお店はいつの頃からかカリフォルニア料理店PENNY'S DINERになっていて、内部はアメリカンな赤いベンチシートのお店になっているようだ。

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