R.W.C バイク用ナビRM-XR550XLインプレその1 ― 2016年10月03日 00時00分00秒
R.W.Cのバイク用ナビX-RIDE RM-XR550XLを買った。今年の8月末に新発売となったものだ。ちなみにどこで買っても定価販売のようだったが、1日だけナップスの通販で10%引きだったので得をした。
バイクにもナビが必要と思ったのは、CRF250Lで東京湾アクアライン ― 2016年01月12日のように高速道路の分岐の案内がイマイチで時間や料金を無駄にするからだ。
それで、最初はAndroidタブレットにYahoo!カーナビという無料のアプリケーションをインストールして、デイトナのクールロボEasy Talk3というバイク用インカムとBluetooth接続して音声案内を聞く方法をとってみた。デイトナのCOOLROBO Easy Talk3はリーズナブルで値段の割に多機能で防水性能も悪くないのでお勧め。Easy Talk3についてはまた別途紹介したい。
Yahoo!カーナビというソフトウェアを使うと、専用ナビと同等以上のナビゲーションができた。特によいのはVICSという道路交通情報をリアルタイムで反映させられるので、ナビの経路選択に混んでない道を選んでくれるところだ。ただし、最初の経路選択時にVICSの情報を参照するだけで、いったん案内が始まると途中で渋滞が発生しても別のルートに回避してくれるわけではない。これはそのうち改善されるかもしれない(Yahoo!カーナビは回線接続が必要、VICS情報を得るにはYahoo! JAPAN IDでのログインが必要)。
Yahoo!カーナビは無料なのに高機能でよいのだが、使い続けなかった理由がある。それは使っているタブレットNexus7(2012)が過熱して30分ぐらいでシャットダウンしてしまうからだ。画面の表示は運転中は要らないと思って、Nexus7をウエストバッグの中にしまっておいてYahoo!カーナビを稼働させると、今年の6月頃の日中の話だが、およそ30分ぐらいでナビのおねえさんの声がしなくなってしまう。何回か試したが、だいたい30分ぐらいでナビのおねえさんはうんともすんとも言ってくれなくなった。Nexus7には購入時に付いてきた軟質ゴムのようなカバーを付けているので余計に熱が籠もっているのだと思う。
ネットで検索すると、タブレットやスマホをバイク用にYahoo!カーナビで使っている人は、ハンドルにタブレットやスマホを取り付けて冷却しているようだった。Nexus7もハンドルに付けるか、と思ったが、Nexus7は防水ではないし、タッチパネルが静電式なので、雨が降ってくると勝手にタップされたりタップしても反応しなくなったりするので、バイクのハンドルに付けるのには向いていない。それで専用ナビを捜すことにした。
R.W.C バイク用ナビRM-XR550XLに決めた理由は以下の点だ。
・5インチTFT半透過型液晶(IPS)/解像度1280 x 720
・バイク用マウント/ホールド用台座/電源ケーブルがセットになっている
・IPX5:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)の防水仕様
・ゼンリン全国版バイク用マップデータ(2016年春版)
・やや安価
半透過型液晶というのはこのRM-XR550XLの最大の特長だ。直射日光が当たるところでもなんとか画面が見える。ただし、最初から貼ってある保護シールが光沢(グレア)なので、せっかくの半透過型液晶が活かされていない。角度にも寄るが、明るい空や自分の姿が映り込んでせっかくの画面が見えない。これはPDA工房 X-RIDE RM-XR502MC/RM-XR500MC用Perfect Shield「反射を抑える保護シート」というノングレアの保護シートを購入して貼り替えることで改善した。ただし、X-RIDE RM-XR502MC/RM-XR500MC用Perfect Shieldは、RM-XR550XLよりも大きいので、RM-XR550XLの画面サイズに現物合わせで切り出して貼った。反射が抑えられていて、昼間でも画面表示が見えるようになった。
画面タッチも、購入時に貼ってあったグレア保護シートは反応が悪かったが、PDA工房のPerfect Shield(反射を抑える保護シート)はタッチが一発で決まる。これもうれしい。時間のない信号待ちで押し直したりするのはイライラするからだ。
R.W.C バイク用ナビRM-XR550XLの取り付けについて。製品紹介ページには工事不要とあるが、それは内蔵のリチウム電池のみで運用する場合の話だ。内蔵電池のみだと約5時間使えるとある。しかし、普通はバイクから電源取ってナビにつないで使いたいと思うはずだ。
これについては説明書では敢えて説明せず、バイク屋に聞いてくれとある。RM-XR550XLの付属クレードルには防水仕様の接点が取り付けられ、そのコードの先も防水のコネクター(オス)になっている。さらに付属の電源ケーブルには防水コネクターのメスが付いていてその先が防水の変圧ユニットになっている。このユニットはバイクのDC12VをUSBと同じDC5Vに変換するもの。その電源ユニットの先は赤と黒の電線がむき出しになっている。ここをバイクのDC12Vに繋げろということらしい。
Honda CRF250Lにはキーと連動するACC電源がヘッドライト裏にひとつ余っている(青の防水コネクタ)。これはオプションのHonda スポーツ・グリップヒーター接続用とのこと。グリップヒーターは持っていないので、ここからナビの電源を取ることにした。グリップヒーターは買いたい気もするがウィンターグローブ使っているので矛盾するんだよなぁ。これはまた別途。
【追記】CRF250Lにホンダ純正スポーツグリップヒーターその1 ― 2016年10月22日参照【追記ここまで】
このACC電源はHM090という防水コネクタの2極タイプ。注意点は、CRF250Lバイクから来ている黒が+で緑が-ということだ。従って、メス側(車体側)の緑にオス側(ナビ側)の黒、メス側(車体)の黒にオス側(ナビ側)の赤が来るように配線する。配線自体は簡単ですぐに終わるものなのだが、このHM090という防水コネクタは3つの爪で止まっているので、これを抜くのにものすごく時間が掛かった。HM090のコネクタは、デイトナ「HM090型防水コネクターセット 2極 38181」を購入。【追記:2016年10月24日】HM090コネクタはオスメスと中間の3つのパーツから構成されていて、私がオス側だと思っていた中間のパーツをメス側に残す場合には爪1個で簡単に外れることが分かった。3個の爪を外そうとして随分と時間食った。【追記ここまで】
これでキーをONにしているときはナビに電源が行くようになった。ちなみに、この接続状態だとナビの電源が完全にOFFになっている状態でバイクのキーをONにするとナビも勝手に電源が入る。バイクのキーをOFFにしてもナビはOFFにはならない。自動的に内蔵電池に切り替わる。ナビをOFFにするには必ずナビの電源ボタンを使用しなければならない。
このナビには4種類の状態があって、完全OFF、スリープのようなOFF(説明書の言う電源OFF)、画面OFF、画面も点灯だ。これは説明書も説明不足で、OFFにするのに電源ボタンをずっと長押しすると、完全OFFになる。これは説明書に書いていない。電源ボタンを3秒ぐらい長押しして放すと、電源OFFか再起動かを聞くダイアローグが出る。この状態で電源OFFをすると、充電時に充電マークが出る(おおよその充電%もわかる)。電源ボタンを一瞬押しただけだと画面がOFFになるだけのようだ。
RM-XR550XLにはUSBの充電可能な端子があるが、USB接続時はゴムカバーを外さないといけないので防水機能がなくなってしまう。バイクに付けて電源供給する場合はクレードル経由が想定されている。USB端子はバイクからナビを外して自宅での充電時に使っている。ちなみに内蔵電池は購入時には58%充電されていた。
さらにちなみにナビの電源ON状態でWindows(うちの環境はWindows7 SP1 64bit)につなぐと、USBストレージにするかどうかとナビの画面に出て、ONにするとUSBストレージとしてPCに認識される。この状態ではWindows PCからファイルのコピーなどの操作ができる。ちなみにRM-XR550XLナビは、中身がAndroid4.4.2でプロセッサはQuadCore A33となっている。これって要するに5インチ防水Androidタブレットということだな。ハックしていろいろなアプリケーションが入れられるのかもしれない。
さて、このRM-XR550XLを語るときに避けて通れないのが、ホールド用台座(クレードル)の初期不良だ。初期の製品にこのクレードルの突起が甘いものがあり、走行中にナビを落下させて紛失したという事例が某アマゾンに書かれている。メーカーのR.W.Cは即座に対応して、つめのしっかりした改良版クレードルをすぐに用意した。RM-XR550XL及びRM-XR550STをご購入頂いたお客様へのお知らせ参照。
私の買ったものはすでに最初から改良版であった。このクレードルの脱着には注意点がある。必ず上を先にはめることだ。上部裏側に防水の接点があり、周囲をゴムで押しつけているので、先に下側を入れると上側がうまくはまらない。その状態だと固定用ネジだけでナビが留まっていることになるので、改良後のクレードルでもネジが緩むと即落下となる。ナビの上側を先にはめて改良後のホールド用台座の下側に当てると少し抵抗があった後にパチンとはまる。この状態だと固定用ネジがなくてもがっちり固定されていて落ちない。さらに固定用ネジを締める。外すときも上側を先に外す(ホールド台座の切り欠き部分に指を掛けて外す)。対策版のクレードルなのにちゃんと固定できないとかネジが合わないなどとインプレで言っている人は、ちゃんとクレードルにはまっていない可能性があると思っている。メーカーは、上側からきちんとはめるようにアナウンスすべきだと思う。
↑上側から先にはめてきちんとクレードルにはまっている状態。固定ネジは撮影のためあえて締めていない。この状態だとくぼみに指を入れてもなかなかナビをクレードルから外せないぐらいだ。対策後の改良版クレードル。
↑下側から先にはめて、上側がきちんとはまっていない状態。少し浮いているのがわかる。固定ネジは撮影のためあえて締めていない。この状態から固定ネジを締めるとネジの力で押しつけられて隙間が無くなるが、ネジを緩めるとまた写真のような状態になって、簡単に外れてしまう。対策後の改良版クレードル。ということで、上側から先にはめてきちんとはまっているか確認してから固定ネジを締めよう。これでほとんどの落下は防げるはずだ。
ただ、RM-XR550XLには、ストラップ用の穴などがないのが残念だ。改良後のクレードルに固定用ネジを締めていれば、即落下という事態は避けられると思うが、万一クレードルにちゃんとはまっていない状態で固定ネジが緩んできたら、もう落下しかない。そのためにはなにかワイヤーなどの安全機構が必要だと思うのだが、RM-XR550XLにはそういうものはない。そこが残念なところである。ストラップホールがあって、そこにストラップを通してミラーにでも掛けておけば最悪の事態は避けられるはずだ。RM-XR550XLの底のゴムカバーを止めている+ネジがあるので、そこになにか紐でも取り付けて落下防止用にしようかとも思っている。ただし、防水のゴムを止めているネジなのでなにか噛ませると防水性が落ちるかもしれないので悩みどころだ。
【追記:2018年3月22日】RAMマウント用テザーをバイク用ナビRM-XR550XLのセーフティネットにする ― 2018年03月22日参照【追記ここまで】
マウントはハンドルに六角ネジで締めて取り付ける。マウントに対してクレードルは手で回せるネジで取り付けられていてこのネジは角度調節時にも使う。バイクから離れるときはナビは当然外して一緒に持っていくが、クレードルの付けっぱなしも不安だ。それで、電源ケーブルの電圧変換ユニットよりもナビ側の防水ソケットはハンドル部に来るようにした。バイクから離れるときはここでコードを抜いてクレードルも外して持っていくことにした。ちょっと面倒。この防水ソケットはバイクに残していく側にゴムの蓋が付いているので安心。
やや問題なのは、クレードル(ホールド用台座)を外すときの角度調整ノブを落としやすいということ(走行中の話ではなくて、バイクから離れるときにクレードルを外そうとして緩めていてコロンと落としそうになる)。コンクリに落下させたらノブが分解して中のナットがどこかにいってしまった。まったく同じサイズのナットが自分のストック箱にあったからよかったものの、出先で無くすとバイクにナビを取り付けられなくなる。分解しないようにボンドで留めた。
ということで長くなったので、今回はここまでに致しとうござりまする。
【関連追記:2017年3月14日】
R.W.C バイク用ナビRM-XR550XLインプレその2 ― 2017年03月14日
【関連追記:2017年3月15日】
R.W.C バイク用ナビRM-XR550XLインプレその3 ― 2017年03月15日
【関連追記:2018年5月23日】
RWCのX-RIDEナビが進化中 ― 2017年10月20日
RAMマウント用テザーをバイク用ナビRM-XR550XLのセーフティネットにする ― 2018年03月22日
【関連追記:2018年9月14日】
バイク用ナビRM-XR550XLにradikoをインストールした(その1) ― 2018年09月14日
【関連追記:2018年9月15日】
バイク用ナビRM-XR550XLにradikoをインストールした(その2) ― 2018年09月15日
【関連追記:2018年10月17日】
Bluetoothテザリング接続(バイク用ナビRM-XR550XLとMR04LN) ― 2018年10月17日
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