フィルムの未来(赤城耕一写真日録)2012年11月05日 00時00分00秒

ヨコハマ・ビオゴン・モノクロ計画その42(みなとみらい駅上):CONTAX G1、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8、某社 L37 Super PRO、F5.6AE、Fuji NEOPAN 400 PRESTO、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED(ICEなしGEMなし)

少し前の記事で申し訳ないが、写真家・赤城耕一氏のブログ「赤城耕一写真日録」にフィルムの未来(2012-10-26)というものがあった。

先日、ある写真関係のライターさんと酒席で話をしていて、おきまりの「フィルムは大丈夫なのか」という話題になる。

大丈夫もなにも、ぜんぜん大丈夫じゃないですよ。消費は下げ止まらないし、コダックのフィルム事業もまだ身売り先が決まってないみたいだし。

でも若い写真作家さんなんかはフィルム使う人もまだいるから、少しはいいんじゃないか、みたいな話も出たけど、そんなことで安心なんかできるわけがない。

写真愛好家や写真作家さんが使うフィルムの量は、ピーク時のフィルム生産の量から比べると微々たるものなので、たしかに安心できないと思う。業務で使っていたフィルムや一般人が記念写真で使っていたフィルムがほとんどなくなってしまった以上、なんとかしないといけないと思う。本当はたまにしか撮らない記念写真なんてフィルムの方が楽なんだけどね。DPE屋さんに持って行って取りに行くのが面倒なだけで、別にパソコンに転送したりバックアップがどうのとか考える必要もないし、同時プリントでもそこそこのプリントがあがってくるし。撮影時にちゃんとやることをやっていればもう自分で何かする必要はなかったんだよねぇ。

まあいまはデジタルカメラの高感度がよくなってきたから、フィルムでは撮れなかったものが撮れたりするが、一般人の記念写真の範囲ならフィルムとそう変わるわけではないと思う。一般人の好む大きさのデジタルカメラならそんなにフィルムが劣っているわけではないと思う。

たしかに撮ってすぐにメールに添付できたりはしないが、それはデジタルカメラとて同じこと。となると、フィルムのライバルはデジカメじゃなくてケータイやスマホの内蔵カメラなのか。

そう考えると、写真の行く末ってよく分からないし、なんかどの方向もあやういよねぇ。

そして、赤城耕一氏はフィルムの将来について大事なことを書かれている。

正直にいってしまえば、プロの間でもフィルムがなくなっても本当に困るのはごく少数。先に挙げた若き写真家たちと、一部の著名写真作家くらいのもので、他は誰も困りはしないのである。私はもちろん困ります。手もとにある多くの銀塩カメラがそのまま燃えないゴミになるからである。フィルムの存続のために本気で頼りたいのはアマチュアさんたちかもしれない。

フィルムを使う少数のプロやアマチュアさんだって、今後も消費に貢献することは当然だが、先のライターさんと合意したのは、たとえば将来的にはファンドを作って、フィルムを製造する会社をユーザーが援護射撃するくらいのことをしないと、このままじり貧状態になっていくことは間違いないと思う。

困るよなーライカM4が不燃ゴミとなったらさ。でもクラシックカメラもいいけど、現役でフィルムカメラを製造しているニコンやキヤノンやマミヤやコシナを本来はもっと応援せねばならんのだよね。あ、ライカもちょぴっと製造していると、アサヒカメラ11月号のフォトキナレポートにはあったっけ。なんか暗くなりそうだぜ。

手元にある銀塩カメラが燃えないゴミになることよりも、フィルムという目に見える形で記念写真が残せなくなることが私は困る。そういいつつも、昨日はNikon D300 + MB-D10で2700枚もデジタル写真を撮っていたのだが。本当は自分の身内の部分だけNikon F100で撮って、あとの部分はD300でバシャバシャ撮るように撮り分けたいのだが、スポーツ写真撮影中にそんな器用なことはできないし望遠ズームレンズも1本しかないので、仕方なく全部デジタルで撮っているのだ。もっとも、デジタル時代だからこそこんな撮り方ができるんだけどねぇ。フィルムで自腹でよそ様の分まで2700枚も撮れるほど金持ちではないから。ちなみに昨日は途中で1回だけMB-D10からD300本体の電池に切り替わったが、MS-D10を抜き差しして以降最後まで再発はしなかった。昨日は暖かい日だったので、このことをもってMB-D10の方がAputure BP-D10よりも優れているのかは分からない。

話を戻して、大事なのは「たとえば将来的にはファンドを作って、フィルムを製造する会社をユーザーが援護射撃する」という部分ですな。本当になくなってしまう前に、プロの方々が「ファンド」を作る音頭を取って戴けないだろうか。我々アマチュアがちょっぴりフィルムを使いつつブログでぶつくさ言ってもなにも変わらないので、こういうときに赤城耕一氏を始めとしたフィルムを使い続けるプロの方がファンドを募ってくだされば実現度が高いと思うのだ。「今やたまにしか使わないけどフィルムが無くなったら困る」という人は結構いると思う。


写真は記事とは関係ない。
ヨコハマ・ビオゴン・モノクロ計画その42(みなとみらい駅上):CONTAX G1、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8、某社 L37 Super PRO、F5.6AE、Fuji NEOPAN 400 PRESTO、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED(ICEなしGEMなし)

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