EPSON GT-X770とNikon COOLSCAN 5000 EDのDigital ICE比較2010年02月22日 00時00分00秒

GT-X770のICEなしの4800dpi等倍部分

お待たせしました。エプソンのフラットベッドスキャナGT-X770とニコンのフィルムスキャナSUPER COOLSCAN 5000 EDのDigital ICE(ゴミ取り埃取り傷取り機能)の比較だ。共通の撮影データはNikon F100、Carl Zeiss Distagon T* 2/28 ZF、F8AE(絞り優先AE)、+1.3EV、Kodak PORTRA 400VC。

GT-X770のICEありの4800dpi等倍部分

まずは、GT-X770のICEなしの4800dpi等倍部分(1番上)とおなじくICEありの4800dpi等倍部分(上から2番目)だ。同じときにICEありとICE無しのスキャンを2回している。

ちゃんと傷だかごみだかが取れているのがわかる。ただ、GT-X770の場合、Digital ICEを使うとカラーノイズが増えてシャープネスが掛けられたようになってしまっている。そのためファイル容量もICE有効の方が大きい。ゴミが取れても画質が悪くなるんじゃあんまり意味がない。

SUPER COOLSCAN 5000 EDのICEなしの4000dpi等倍部分

つづいて、ニコンSUPER COOLSCAN 5000 EDのICEなしの4000dpi等倍部分(上から3番目)とおなじくICEありの4000dpi等倍部分(上から4番目)だ。

SUPER COOLSCAN 5000 EDのICEありの4000dpi等倍部分

COOLSCAN 5000 EDの方はごみまたは傷がきれいに取れているし画像の劣化がほとんどない。シャープネスも掛けられていない。元の画像からごみや傷の部分だけきれいに抜き取ったかのようだ。

こうしてみると、Digital ICEについてはNikonのフィルムスキャナSUPER COOLSCAN 5000 EDの圧勝だ。

ニコンの方はDigital ICE4 Advanced(デジタルアイスクワッドアドバンスト)でRGBの三色のLED光源に加えてゴミや傷検知用のIr(赤外線)も加えた4色LEDであるのに対して、エプソンのGT-X770の方は白色LEDのみでDigital ICEとしか書かれていない。これらが同じDigital ICEを名乗りながら結果に大きな違いを与えていると思う。
Digital ICE4 Advanced と Digital ICE4 ― 2005年09月15日参照

両方に付着していなかったので比較しなかったが、GT-X770の方はガラス面にフィルムを置く関係から(特に糸状の)埃がスキャンされやすい(EPSON GT-X770でフィルムスキャン、COOLSCAN 5000 EDと比較 ― 2010年02月17日の画像参照)。一方のCOOLSCAN 5000 EDの方はストリップフィルムアダプタでフィルムを吸い込むように動かしているので(糸状の)埃のようなゴミは移動時にフィルムから離れてしまう。同じように埃の可能性がありながら、フィルム一眼レフカメラでは埃の写り込みが少ないのにデジタル一眼レフカメラでは撮像素子やローパスフィルター面上の埃が写りやすいのと似ている。

やっぱりフィルムスキャナである必要性があると思う。ニコンはこんな技術を活かした製品(Digital ICEは米国Eastman Kodak Companyの商標であり技術だが)を早々と終わらせてしまうのか。まだフィルムは終わってないし、以前よりもPCと銀塩フィルムとで楽しめる状況が手頃な値段で構築できるようになっているというのに。今のニコンに何を言っても無駄なようだが、考え直して欲しい。「特定のカメラ趣味の人」が写真やカメラから離れるかどうかの瀬戸際だと思う。おもしろくないよ、最近のデジカメや新しいレンズは。フィルムで淡々と撮り続けるけど、フィルムがなくなったらデジカメに乗り換えて趣味を続けるかは分からない。

【関連】
EPSON GT-X770でフィルムスキャン、COOLSCAN 5000 EDと比較 ― 2010年02月17日


この件とは直接関係ないが、宝の持ち腐れ様から、Nikon Scan 4.0.3のWindows Vista 64bit用(Windows 7 64bit版での動作報告もあり)の非公式のスキャナドライバが存在する情報を戴いている。宝の持ち腐れ様情報ありがとうございました。

富士フイルムがGF670 Professional シルバー発売2010年02月22日 00時00分02秒

GF670 Professional Silver

今日3つめのネタだよ。もう少し分散してくれないかなぁ。富士フイルムが中判スプリングカメラGF670 Professionalのシルバーを発売するそうだ。
中判フィルムカメラ「GF670 Professional シルバー」新発売(富士フイルム)

最初から黒白両方出しておけばいいのに、とは思うが、あとからシルバーを追加して持ち直そうという作戦なのだろう。やる気のあるところはいいと思うが、他方でブローニーフィルムで製造販売終了のものがあるのはいかがなものか。フィルムの選択肢がなくなるというのは、大枚はたいて新品中判カメラを買うのを躊躇する理由になる。そうは言ってられない状況なのだろうな。

あと、GF670 Professional が限定5000台だったことに何も言及していないが、知らんぷりなのかねぇ。それともまだ5000台に達してなくてその残りのうちの一部をシルバーにしたということなのか。簡単に前言を翻すのは企業の信用に関わるよね。黒は限定5000台、白は限定なし、ということなのか。
中判フィルムカメラ「GF670 Professional」を3月中旬より限定5000台で発売 ― 2009年01月28日
中判フィルムカメラ「GF670 Professional」新発売(富士フイルム)

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