VueScanをCOOLSCAN 5000 EDで試してみる2009年12月28日 00時00分00秒

Vuescan、COOLSCAN 5000 ED、フィルム設定:GENERIC・COLOR・NEGATIVE、赤外線スキャンによる塵除去:弱(弱・中間・強の3段階)、粒状性低減:弱

昨晩の記事でフィルムスキャナNikon SUPER COOLSCAN 5000 EDが新しいPCでバッチスキャンの際に複数コマにICEを有効にすると「スキャン実行に失敗しました」のメッセージがでてスキャンできないことを報告した。

それで、フィルムスキャナ本体の故障なのか切り分けるためにスキャナ用汎用ドライバVueScanの試用版(バージョン8.4.51)をダウンロードしてSUPER COOLSCAN 5000 EDで使ってみた(結果はVeuscanではICE有効のバッチ処理は問題なくできた)。

一番上の写真が5000EDにVueScanでKodak PORTRA 400NCフィルムを読み込ませたものだ。お金を払っていない試用版なので画像にウォーターマーク(この場合は$マーク)が入っている。

写真上
スキャンソフト:VueScan 8.4.51
スキャン解像度:4000dpi
フィルム設定:GENERIC・COLOR・NEGATIVE 「印刷」用
赤外線スキャンによる塵除去:弱(弱・中間・強の3段階)
粒状性低減:弱(弱・中間・強の3段階)
16bit(Vuescanの表現では48bit)でスキャン、TIFFで出力
Photoshop Elements 5.0 で8bitに変換後リサイズ
元画像:5622×3679ピクセルで約118MBのTIFF画像
変換リサイズ後:3200×2094ピクセルの約600KBのJPEG

うーん、なんか画像も甘いし粒状性低減があまり効いてないなぁ。なによりも色が変だし全体にのっぺりしてデジタルっぽい感じになっている。安いコンパクトデジカメの色が薄くなった感じ。この写真ではないのだが、赤い服が写った写真ではVuescanを使うと服の赤が飽和して陰影などが飛んで赤の塗り絵になっていた。人物が写っているので公開できなくてすまん。


では、せっかくフィルムの設定があるのだから、Kodak PORTRA 400NCの設定でスキャンしてみよう。他の条件は同じ。

Vuescan、COOLSCAN 5000 ED、フィルム設定:Kodak・PORTRA・400NC、赤外線スキャンによる塵除去:弱、粒状性低減:弱
写真中
スキャンソフト:VueScan 8.4.51
スキャン解像度:4000dpi
フィルム設定:Kodak・PORTRA・400NC 「印刷」用
赤外線スキャンによる塵除去:弱(弱・中間・強の3段階)
粒状性低減:弱(弱・中間・強の3段階)
16bit(Vuescanの表現では48bit)でスキャン、TIFFで出力
Photoshop Elements 5.0 で8bitに変換後リサイズ
元画像:5622×3679ピクセルで約118MBのTIFF画像
変換リサイズ後:3200×2094ピクセルの約540KBのJPEG

うへー、画質悪いー。色も相当変。飽和して色の階調もなくなっている。コンパクトデジカメの高感度撮影みたいになっている。これは使えん…。


Nikon Scan 4.0.2でのスキャン結果は一番下の写真。

Nikon Scan 4、COOLSCAN 5000 ED、フィルム設定:ネガカラー、赤外線スキャンによる塵除去(Digital ICE):標準、粒状性低減(GEM):1
写真下
スキャンソフト:Nikon Scan 4.0.2
スキャン解像度:4000dpi
フィルム設定:ネガカラー 出力解像度:4000dpi
赤外線スキャンによる塵除去(Digital ICE):標準(標準と強の2段階)
粒状性低減(GEM):1(0~4)
16bit(Vuescanの表現では48bit)でスキャン、TIFFで出力
Photoshop Elements 5.0 で8bitに変換後リサイズ
元画像:5615×3667ピクセルで約118MBのTIFF画像
変換リサイズ後:3200×2090ピクセルの約590KBのJPEG

Nikon Scan 4の方が一発できれいな画像になっていると思う。Vuescan買おうかと思っていたのだが、これは買う気にならないなぁ。一部で絶賛されているVueScanなのだが、使いこなしが難しいのかなぁ。デフォルトでこんな画像じゃVueScan売れませんぜ…。

すべてに共通の撮影データ
Nikon F100、Ai Nikkor 105mm F2.5、F11、1/1000sec、HS-14、L37c、Kodak PORTRA 400NC、Nikon SUPER COOLSCAN 5000ED

【関連追記:2010年3月8日】
VMware Player ― 2010年03月08日
修理後さっそくスキャン、即失敗、鬱… ― 2010年03月06日
SUPER COOLSCAN 5000 EDが返ってきたが、「正常」 ― 2010年03月06日
Nikon SUPER COOLSCAN 5000 EDが修理から返ってこない ― 2010年03月05日
ニコンCOOLSCAN 5000 EDを点検・修理に出してきた ― 2010年02月23日
Mac mini が気になる今日この頃 ― 2010年02月10日
ICEありスキャンで失敗するのはネガのみ ― 2010年02月04日
Core i5 750とNikon Scan 4.02でICEありバッチスキャンは無理なのか ― 2010年02月03日
COOLSCAN 5000 ED(Nikon Scan4)のICEありバッチスキャン一応の解決 ― 2009年12月28日
VueScanをCOOLSCAN 5000 EDで試してみる ― 2009年12月28日
COOLSCAN 5000 ED(Nikon Scan4)のICEありバッチスキャンに失敗する ― 2009年12月27日
【関連追記ここまで】

【追記:2010年3月11日】
VMware環境でCOOLSCAN 5000 EDのICEありバッチスキャンに失敗しなくなった ― 2010年03月11日

【追記:2021年7月14日】
Nikon SUPER Coolscan 5000EDのドライバが当てられなくなる ― 2021年07月14日

【関連追記:2022年6月16日】
富山ライトレール(ポートラム) ― 2009年09月04日
フィルムにこだわる雑誌「JILLE」、他方PS3で上映する映画館… ― 2009年09月14日
富山 Nikon Z6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S(その2富山ライトレールその後) ― 2022年06月16日

COOLSCAN 5000 ED(Nikon Scan4)のICEありバッチスキャン一応の解決2009年12月28日 00時00分01秒

寝台特急日本海(国鉄大阪駅1977年頃?):Asahi Pentax SV、Auto Takumar 55mm F1.8、富士写真フイルムNEOPAN SS、絞り・シャッタースピード不明、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED

COOLSCAN 5000 ED(Nikon Scan4)のICEありバッチスキャンに失敗する ― 2009年12月27日で報告したICE有効でバッチスキャンが出来ない件について、ニコンのサポートに電話してみた。仕事納めの日だしフィルムスキャナはカメラなどとは別の独立した担当らしく電話はすぐにつながった。

この現象の考えられる原因としては、PCのなんらかの処理能力不足が挙げられるそうだ。単独でICE有効でスキャン可能だし、ICE無効ならバッチスキャン可能なので、フィルムスキャナ本体の故障の可能性はないとのこと。私のPCの場合はスペックから見て処理能力不足とは言い難いのですぐに解決する方法が見つからなかった。

問題を緩和する要素として、「環境設定」の「バッチスキャン」の項目中「ハードディスクに保存する」にチェックを入れることが考えられるという。ただ、このチェックはデフォルトで入っていて、私のも「ハードディスクに保存する」の設定でICE有効のバッチスキャンに失敗している。

あと、ニコンのダウンロードサイトにある「Nikon Scan 4 Ver.4.0.0/4.0.1/4.0.2 Digital ROC, Digital GEM Windows 用 アップデータ」(DRAGNKL1 Updater:dnklup.exe)は、今回の現象と直接は関係ないが、当てて置いた方がいいということだ。これを当てた状態でもICE有効のバッチスキャンには失敗していた。ただ、失敗時のエラーメッセージは、dnklup.exe適用前は「スキャンの実行に失敗しました。」だが、dnklup.exe適用後は「スキャン実行中にエラーが発生しました。」となる。

それで「ハードディスクに保存する」が問題を緩和する要素だと教えてもらってから気づいたのだが、スキャン画像の保存先をVostro 430に最初から付いていた起動ドライブの方ではなく、以前のPCから移設したデータ保存用内蔵HDDの方にしていた。このHDDは起動ドライブよりも転送速度が少し劣ったものだった。もしやと思い。保存先を起動ドライブの方にしてみた。バッチスキャンはエラーなく進んでいく。4コマ目あたりから休憩が入りがちになる。6コマ目でついに「スキャン実行中にエラーが発生しました。」が。惜しい。それではと起動ドライブにちゃんとスキャン用のフォルダを作ってやってICE有効のバッチスキャンをしてみた。おお、6コマ連続でスキャンに成功だ!このPCのHDD転送になにかボトルネックがあるのかもしれない。ちなみにCドライブは500GB(ST3500418AS ランダム書込み時のシーク時間 9.5 msec)で437GBの空き、Dドライブは500GB(ST3500630AS ランダム書込み時のシーク時間10.0 msec)で180GBの空きだ。このDドライブは前のPCのDドライブをそのまま持ってきたもので、前のPCでも直接このDドライブにスキャンデータを保存する設定にしていて問題なかったんだけどなぁ。まあ解決したのでそれはいいや。ただ、性能のいい起動ドライブの方に保存する設定でも、プレビューをせずにサムネイルからいきなりICE有効のバッチスキャンをすると確実に「エラー」ないし「失敗」になる。やや不安要素の残る解決だ。

それで、ニコンのサポートの人が「ハードディスクに保存する」にした方がPCの負荷が緩和されると仰っていたのだが、このPCはメモリを4GBも積んでいるのでHDDに保存しながらスキャンするよりもメモリに書きながらスキャンした方が早いのではないかと、「ハードディスクに保存する」のチェックを外してICE有効のバッチスキャンをやってみた。おお、少し速い。途中でスキャンを休むことなくばんばん処理していくぞ。スキャンが休んだみたいになるときはHDDアクセスランプが点いているので、HDDに書き込む間スキャンしないで待っているのだろう。このハードディスクに保存しないバッチスキャンは途中でPCが落ちてしまったりしたときにそれまでのスキャンデータが飛んでしまう危険性はあるが、最大でも6コマのやり直しだから、メモリが余裕ある場合はハードディスクに保存しないでスキャンするのもひとつの手だ。

ともかくもデータ保存用のHDDの書き込み時になにか問題があってICE有効のバッチスキャンに失敗していたようだ。CPUをCore i5じゃなくてi7にしておいた方がよかったのかなぁ。まあ、とりあえず解決、解決。データ保存用の内蔵SATAのHDDは1TBのキャッシュの大きい書き込み速度のもっと早いものに買い換えることにしよう。

ICEを複数コマで有効にしたバッチスキャンで「スキャンの実行に失敗しました。」または「スキャン実行中にエラーが発生しました。」のメッセージが出てスキャンが完了しない問題を緩和する要素。
1.Nikon Scan 4の環境設定のパッチスキャンの項目で「ハードディスクに保存する」にチェックを入れる
2.PCの負荷になる常駐アプリケーションを減らす
3.DEP(データ実行防止)を例外を除いてすべてに適用する設定にして、Nikon Scan.exeを例外に登録する
4.スキャン画像の保存先を変更してみる

最後にWindows 7へのNikon Scan 4の対応予定についてニコンのサポートの方のお話によると、まだ対応するかしないかを決める段階とのこと。そしてNikon Scan自体が古いアプリケーションで最近のハードウェアに対応し切れていないことから、古い環境で使う方が安定するという申し訳ない状況だと仰られていた。具体的にはHyper Threadingやマルチコアには対応していないなどがあるという。私は最初に相談したときにHDDのAHCIが関係していないか聞いてみたのだが、AHCIが問題だという事例はいまのところないながらもそういう新しい機能に対応し切れていないことからくる不安定要素は否定できないと仰っていた。

もう生産終了の製品だから期待できないのだが、Windows 7に対応するNikon Scanをリリースして欲しいと思う。ついでにはならないだろうが、マルチコアとかHyper Threadingにも対応して欲しい。あと64bitOSにも対応してくれるとメモリがたくさん使えてより快適になるのだが。いっそのことソースを公開してもうあとは有志で好きにやってくれということにするとか(笑)。

ちなみにAHCIを無効にしてみたらどうかと思ってBIOSでAHCIをATAに変更したらブルースクリーンが出てWindowsは起動しなかった(汗)。

【関連追記:2010年2月3日】
Core i5 750とNikon Scan 4.02でICEありバッチスキャンは無理なのか ― 2010年02月03日
【関連追記ここまで】

【関連追記:2010年3月8日】
VMware Player ― 2010年03月08日
修理後さっそくスキャン、即失敗、鬱… ― 2010年03月06日
SUPER COOLSCAN 5000 EDが返ってきたが、「正常」 ― 2010年03月06日
Nikon SUPER COOLSCAN 5000 EDが修理から返ってこない ― 2010年03月05日
ニコンCOOLSCAN 5000 EDを点検・修理に出してきた ― 2010年02月23日
Mac mini が気になる今日この頃 ― 2010年02月10日
ICEありスキャンで失敗するのはネガのみ ― 2010年02月04日
Core i5 750とNikon Scan 4.02でICEありバッチスキャンは無理なのか ― 2010年02月03日
COOLSCAN 5000 ED(Nikon Scan4)のICEありバッチスキャン一応の解決 ― 2009年12月28日
VueScanをCOOLSCAN 5000 EDで試してみる ― 2009年12月28日
COOLSCAN 5000 ED(Nikon Scan4)のICEありバッチスキャンに失敗する ― 2009年12月27日
【関連追記ここまで】

【追記:2010年3月11日】
VMware環境でCOOLSCAN 5000 EDのICEありバッチスキャンに失敗しなくなった ― 2010年03月11日


写真を追加。写真は記事とは関係ない。
寝台特急日本海(国鉄大阪駅1977年頃?79年かもしれない*):Asahi Pentax SV、AutoSuper Takumar 55mm F1.8、富士写真フイルムNEOPAN SS、絞り・シャッタースピード不明、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED (*)絵入りのヘッドマーク導入が1978年ということなので、1978~80年頃の写真のようだ。同じフィルムの別のコマに1980年に廃止された南海電鉄平野線が写っているから1981年以降ではない。

撮ったことすら忘れていた。今年夏の金沢駅で見た特急日本海が初めてだと思っていたが、こんな昔に大阪駅で日本海号を撮っていたとは。お小遣いがなくなりカラーフィルムが買えなくてネオパンSSを買って現像のみ依頼したらしい。プリントがないと撮ったことすら忘れてしまう。撮りっぱなしのデジカメも危うい。

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