ラボ機器トップ、ノーリツ鋼機の憂鬱(大前研一氏:日経BP)2007年05月18日 00時00分00秒

カラスの巣:Nikon F100、ニコンおもしろレンズ工房どどっと400(400mm F8)、F8AE、中央重点測光、富士リアラエース100、Nikon SUPER COOLSCAN 5000ED

大前研一氏の「産業突然死」の時代の人生論(日経BP)に第78回 ラボ機器トップ、ノーリツ鋼機の憂鬱が掲載された。

写真に詳しくない人にも分かるようによくまとまっている。私個人はまだまだフィルム、それもネガフィルムもよく使っているので、DPEはよく利用しているが、だんだんと質が悪くなってきているように思う。

まず、黙ってDPEに出すとデジタルプリントされて返ってくる。それだとシャープネスとコントラストが強調されたプリントになってしまって、ネガフィルムを使って撮っている意味が半減するので、アナログプリント指定を必ずしなければならない。コダックの場合、デジタルプリントと納期が同じだからよいが、富士の場合は1日余分に掛かる。それにアナログプリントも以前よりもなんだかきれいじゃない。どこがどうきれいじゃないのか難しいのだが、富士のリアラエースを使ってもなんだか透明感がない。それにペーパーの厚みが薄くなった。家庭用プリンタの写真用紙の方が厚みがあって、かつての写真用ペーパーらしく見える。これじゃぁ、わざわざフィルム使ってプリントしている人もがっかりだ。

私は同時プリントはまだ使っているが、最近はフィルム愛好者のなかでもネガ現像のみ依頼という人も多いらしい。依頼したプリントが冴えないなら、スキャンして自分でプリントした方がマシ、ということなのだろう。私も焼き増しプリントをあまり利用しなくなった。焼き増しだと同時プリントよりも日数が掛かるようになったし、ひとにあげるものを適当にプリントされるぐらいなら、自分でスキャンして暗部のディテールなどをきちんと調整してプリントした方がよっぽどきれいだからだ。そんなこんなで、写真店でプリントする人が減っていく。もっとも四つ切りなどに引き伸ばすプリントはまだまだいけると思うが。

さて、大前氏のノーリツへの提案、「資産のあるうちに会社を解体する」か「例えばマイクロソフトや富士フイルム、あるいはいくつかのラボチェーン(例えばキタムラ、プラザクリエイトなど)に働きかけて、デジタルコンシェルジェ(手配所、御用承り所)を作る計画」かの二択というのも厳しいなぁ。解散されては困るので、後者の方向で生き延びて欲しい。

というか、フィルムも結構便利だと思う。なぜなら、手離れがいいからだ。このあいだヨドバシの店頭でうろうろしている変なおじさんを見かけた。何をしているのかと思ったら、店頭のデジタルプリンターで写真を大量にプリントしているのだが、手持ち無沙汰でうろうろしているのであった。こういうのは、お店に依頼した方が楽。フィルムはお店に持って行って現像しないと見られないが、自分で現像したりプリントしなくて済む(したければすることもできる)。それにネガフィルムはラチチュードも広くて失敗が少ないから、素人にはこっちの方が便利だと思うのだが。すぐにメールで送りたいような写真はケータイで撮ればいいのだ。なんでも1つの方向にわっと走るんじゃなくて、多様な方法が提供されていて選択できるのが豊かな社会だと思うのだが。もっとフィルムのよさを一般にアピールすべきだと思う。


写真は記事とは関係ない。
カラスの巣:Nikon F100、ニコンおもしろレンズ工房どどっと400(400mm F8)、F8AE、中央重点測光、富士リアラエース100、Nikon SUPER COOLSCAN 5000ED

この時期はカラスの子育て時期らしい。このおもしろレンズ工房「どどっと400」はピントさえきちんと合わせればかなりシャープだ。2郡4枚という手抜きのないレンズ構成だ。でも、街中ではかなり使う勇気がいる(笑)。ニコンF100のフォーカスエイドでピント合わせは楽だった(絞りがF8固定だがフォーカスエイドが効く)。
「Fun・Fun・LensSet Nikonおもしろレンズ工房」を9月1日発売(ニコン:2000年8月25日)
ニコン おもしろレンズ工房 -ほとんど教材? ユニークな格安レンズセット(デジカメWATCH:2005年11月1日)
【追記】↑デジカメWATCHのこの記事で紹介されているどどっと400は、「前期型」だ。2000年に発売された「後期型」のどどっと400は完全に2本に分離するのではなく、外鏡筒の中に内鏡筒が沈胴する。引き出してねじ込むと固定される仕組み。私の持っているのは「後期型」。光学系に変更はないと思う。他の2本のレンズは仕様変更はなかったと思う。なお、後期型の発売後にぎょぎょっと20とどどっと400用の専用フードセットも発売されていた(定価5000円)。ぎょぎょっと用は花型のかぶせ式。どどっと用は円筒型のねじ込み式フードで、いずれも金属製だった。

Carl Zeiss Distagon T* 2/35 ZS(M42マウント)発売2007年05月18日 00時00分01秒

Carl Zeiss Distagon T* 2/35 ZS(M42マウント)が今日発売になったようだ。先にニコンFマウント用のDistagon T* 2/35 ZFが発売されていた。
Carl Zeiss Distagon T* 2/35 ZF,ZS(コシナ)

M42マウントだと、アダプター経由で、でペンタックスをはじめとしたKマウントや、かつてM42マウントを採用していたヤシカ→京セラCONTAXなどでも使える。キヤノンのEOSでもアダプター経由で使えるメリットがある。

【訂正:2007年5月19日】ときじろう様情報ありがとうございました
逆に古いM42マウントの絞込み測光のボディでは、ZSレンズにA-M切り替えスイッチがないため瞬時に絞りを開放と設定値に切り替えられないので、ピント合わせと露出決定が少し面倒かもしれない。でもそんなことはどうでもよくなるレンズだろう。【追記:2007年5月21日】コシナのサイトにある製品写真はZFレンズでニコンFマウント用なので、サイトの情報だけではZSレンズ(M42マウント)のA-M切り替えスイッチの有無は分からない。よく調べずに書いて申し訳ない。ドイツのカールツァイスサイトにもZSレンズの情報は見当たらない。A-M切り替えの有無は結構重要だと思うので、コシナとツァイス両社は、あるのならきちんとアピールした方がいいと思うのだが。上の訂正は出先から圏外との戦いで書いたので、間違いを指摘してくださったときじろう様にここで改めて御礼申し上げる。【追記ここまで】

M42マウントと言えばペンタックスが頭に浮かぶのだが、ペンタックスの合併の行方が不透明でどうなるのか分からないので、敢えて記事として取り上げていない。K10Dがカメラグランプリを受賞して目出度い勢いを維持して頑張って欲しい。K10Dは同価格帯のデジタル一眼レフの中ではファインダーがいいので、マニュアルフォーカスレンズを使う気になるボディである。またボディ内手ブレ補正は、こういうMFレンズでも手ブレ補正を可能にする。ペンタックスよ、頑張れ!コシナ、カールツァイス、富士フイルムも頑張れ!

でも、このレンズ大きくて高いんだよな…(ぽつり)。

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