三角合併、これだけの誤算 ~ 日本経済は活性化しない(森永卓郎氏:日経BP) ― 2007年05月09日 00時00分01秒
あんまりカメラネタでなくてすまん。
三角合併、これだけの誤算 ~ 日本経済は活性化しない(森永卓郎氏:日経BP)
(中略)三角合併に反対する四つの理由を述べよう。
まず第1に、「外資の積極的な導入によって日本経済が活性化する」という日本政府の仮定がそもそも間違っている。
(中略)第2に、そもそも日本が資本を必要としているわけではない。日本は世界最大の債権国で、海外に180兆円もの対外純資産を持っている。
それなのになぜ外資に食われているかといえば、日本の資金がローリスクの海外債券などの投資に向かい、そのカネが日本に環流して企業買い占めの資金になっているのだ。
(中略)第3に、投資ファンドはM&Aを企業再生だと言うが、今まで日本で行われてきたM&Aで事業が再生した事例があるのか。
ダイエーがアドバンテージパートナーズの傘下に入って果たして経営がよくなったのか。結局、何もよくなっていないのではないか。
第4に、M&Aは吸収される企業の文化を破壊してしまう。吸収された企業の従業員は吸収した側の従業員に「支配」され、吸収された側の企業が培ってきた製品や文化は容赦なく切り捨てられる。
例えば、ペンタックスがHOYAの買収を拒絶しているのは、企業文化が違いすぎるからだ。ペンタックスは旭光学の時代からずっと技術マニアのかたまりで、ペンタックスでなければダメだという技術者たちを抱えてきた。
一方、HOYAは合理的な経営で、コーポレートガバナンスもしっかりしている分、ペンタックスの技術マニアが好き勝手なことをするのを許さないだろう。
だが、実はペンタックスの顧客の多くはそのマニア的な部分が好きなのだ。
(強調:引用者)
最後の例、さすがは森永卓郎氏、マニアのことをよくわかってらっしゃる(笑)。
【追記】
そういえば、森永卓郎氏はアサヒカメラの「有名人のお宝カメラ」に載っていた。アサヒコムに記事が転載されている。
あの有名人のお宝カメラ 森永卓郎さん 取材メモとしてのデジタルカメラ
【追記ここまで】
以上とは別の問題だが、大前研一氏の意見に珍しく納得したので(笑)、紹介しておく。
日本は慰安婦の強制連行を認めていた(大前研一氏:日経BP)
(中略)なるほど、客観的に見れば従軍慰安婦もまた拉致問題である。なのに「北朝鮮による拉致は駄目で、戦争中に日本軍がやった拉致は問題にしない」というのであれば、第三者からはダブルスタンダードと揶揄(やゆ)されても仕方がないだろう。
そもそも安倍首相になってからの政府は、右よりの発言が急に増えてきたように感じる。従来の日本政府は、日本軍が慰安婦に関与していたことを認める、いわゆる「河野談話」を支持してきた。ところが安倍首相や彼の周辺にいる下村博文官房副長官のような人たちは「軍が従軍慰安婦を強制的に連行したという証拠はない」と、日本の関与を否定する発言を繰り返しているのだ。このような発言を繰り返していたらどうなるか。いまや米国経済にとって一番の「上客」は日本ではなく中国である。となれば米国は今後、中国の意向をくんで、日本に対して今以上に強い態度で批判してくるだろう。
もはやこれだけはっきりとした歴史的資料を提示されてしまったのだ。日本が強制的に従軍慰安婦を連行したことを示す証拠はなかった、などということはできない。これまでの安倍首相や下村官房副長官の発言は、日本の信頼を失墜させ、国際的な物義をかもしたことになるのだ。少なくとも野党はこの資料を元に、下村官房副長官の罷免要求をするべきだ。なにしろ日本はこの問題のためにアジアの友邦国から見ても大きく後退した、と思われているのだから。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。