「ニコン D80+DX 18-135mm開発陣に聞く」(デジカメWATCH) ― 2006年10月17日 00時00分00秒
インプレスのデジカメWATCHに、
【インタビュー】スペック表に現れない、触れてみてわかる良さ ~ニコン D80+DX 18-135mm開発陣に聞く
が出ている。
たしかに、ニコンの良さはカタログのスペックにない精度や堅牢性・耐久性にある。これは使ってみないと分からないし、使っても分からないことも多い(笑)。実際、長く使っても壊れにくいし、精度も狂いにくいように考えて設計してあることが多い。何か新しい仕組みを考えるにしても、過去の機構との連携と今後の発展性などを十分に検討した上で踏み出す。そういうところがプロやマニアに評価されてきたのだろう。しかし、デジタル時代になってカメラの開発サイクルなどが変わってきているし、カメラやレンズの造りも変わってきている。いつまでも「スペック表に現れない、触れてみてわかる良さ」だけで生き残れるのか心配だ。
ちなみにキヤノンはどうなのか知らなかったのだが、写真家の田中希美夫氏のブログで(http://thisistanaka.blog66.fc2.com/blog-entry-73.html)、
「キヤノンのカメラの製品企画は行き当たりばったり、思いつきで製品を作っておる」ということをキヤノン社内のエラい人が言ってましたよ、あははは、と、先日、そんなハナシを聞いてぼくはわが耳を疑いました。キヤノンは緻密で計算高く先の先まで見通して商品を企画して、それをきちんきちんと製品化させていると思い込んでいましたから。でも、このISありなしのカメラのラインナップを見ていると、ひょっとしたら、と思えなくもない…でも、それもまた“計算づく”かもしれず、いやあ、キヤノンの考えていることはよくわからん。
などと書かれていたので、ちょっと思い当たることが何点かあったのでやはりそうなのか、いや、それとも高等な情報戦術なのかと思ったところだった。キヤノンには行き当たりばったり(失礼)でもなんとかなる体力があるのだろう。そうでない企業がマネをすると行き倒れになる(笑)。
それで、インプレスのニコンD80の開発陣インタビューなのだが、気になるファインダー関連の応答は、
-- 高倍率の見え味が良いファインダーを作る難しさとは何でしょう?
「ファインダーが小さかった理由は、ご存知のようにセンサーサイズが小さくなったためです。ファインダー倍率は、ファインダー部単体ではフィルムカメラ時と同等、たとえばF5の場合は0.7倍でしたから、デジタル一眼レフカメラになったから倍率が落ちたというわけではありません。ところがDXサイズセンサーと35mm判フィルムでは面積比で約半分になるため、同じファインダーを用いると小さく見えてしまいます」。
「面積比で約2倍の違いがあるため、フィルム時代と同じサイズのファインダー像はかなり難しく、特に低価格を実現しなければならない製品向けに、高倍率ファインダーを開発することは困難を伴います。しかし、今回は先行してD200が、お客様の要望もあって高倍率ファインダーの開発に取り組んでいたため、D80にも搭載することができました」。
-- D200とファインダーは全く同じと考えていいのでしょうか?
「ボディ設計が異なるため、部品の保持方法は変わっていますが、使われている光学部品は全く同じです。従来はペンタダハミラーでしたから、プリズムのコストが上がっていますし、高倍率を実現するためにガラスのファインダーレンズなどのコストも上昇します。しかしファインダーの見え味やサイズは、趣味で写真を撮影するお客様にとっても重要な部分ですから、あえてD200と同じものを採用しています」。
-- 液晶層を挟み込んだスクリーンも全く同じですか?
「はい、機能的にはもちろん、素材なども全く同じです」。
ということだ。できれば質問者はもう少し突っ込んで、ペンタックスのK100D並みにはなぜしないのかできないのか訊いて欲しかった。私の基準では、D200やD80のファインダーではまだ不満だが、K100Dのファインダーなら許容できる。また倍率は小さいがD2系のファインダーも許容範囲内だ。インタビューでは倍率だけが原因のように読めるが、これはスクリーンの拡散性なども関係しているのではないのだろうか。なんとかして欲しい。
ほかに興味深いのは、ノイズに関しての以下の応答だ。
-- 素子の特性がほぼ同じで、画像処理を行なっているLSIも同じ。その上でノイズが少なくなっているというのは、ソフト的なノイズリダクションを強くかけているということでしょうか?
「いえ、ノイズリダクションの処理は、D200とは厳密には異なりますが、ほとんど同じです。ソフト面では輪郭補正を強めにかけることで、輪郭以外の部分が滑らかになる効果があります。加えて撮像素子からのアナログ信号をアナログフロントエンドに導く際のノイズの影響、たとえばグラウンドの取り方などですが、それらは4チャンネルよりも2チャンネルの方が有利になるため、そこでのノイズが少なくなっていることが画像に影響しているのではないでしょうか」。
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