PENTAX「フィルムカメラプロジェクト」…なんか心配2022年12月22日 00時00分00秒

【写真1】伝通院(東京都文京区小石川):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6、1/160秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(4370K)、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Jpegからリサイズのみ、K&F Concept KF-CGZマウントアダプター(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)

みっち様から戴いたコメントから、PENTAXの「フィルムカメラプロジェクト」について書いてみたい。みっち様情報ありがとうございます。
PENTAX「フィルムカメラプロジェクト」が開始。新製品開発と技術継承を目指す
PENTAXブランドにて"フィルムカメラプロジェクト "開始
Film Project

上記のコメントのお返事でも書いたのだが、いまコンパクトなフィルムカメラの値段がすごいことになっている。数万円だった高級コンパクトフィルムカメラが数十万円になっているようだ。特に一部の店舗で顕著なので、つり上げているところがあるのだろう。

ペンタックスのフィルムカメラプロジェクトは、修理出来ない高級コンパクトフィルムカメラがそんな値段で売れるのなら、新品のフィルムカメラをもっと安い値段で供給したら買う人がいるだろうという目算なのかもしれない。

たしかに、高級フィルムコンパクトカメラの需要はある。私もデジタル一眼レフに望遠レンズを持っていくときには、スナップ用に広角レンズのついたフィルムカメラがほしいとずっと思っていた。しかし、修理のできなくなったコンパクトフィルムカメラにしては高い。7~8年ぐらい前だが、その時点で壊れたら修理出来ないようなカメラの値段が高くなっていた。皆同じ思いだったのだろう。メインが大きなデジタルカメラになったが、まだフィルムでも撮りたいからちいさなフィルムカメラが欲しい。それもレンズがよくて写りのよいやつを。だから値段が高かったのだ。市場原理ですな。

ただ、当時の私は踏み切れずに買わずにいた。代わりにGR Digitalを見つけて満足した。フィルムじゃないけどフィルムライクな写りで胸ポケットに入る28mm相当の画角。でも、GR Digitalも壊れて、あとから買ったGRも壊れた。リコーのカメラはまあ7~8年の修理可能期間は持つけどそのあとは長くは使えない。レンズは非常によかったんだけど。

いま、リコーペンタックスがペンタックスブランドでフィルムカメラを作るというのは不安しかない。まず、私が気に入ったあるいは気になったカメラは全部リコーブランドのカメラだ。ペンタックスには興味ない。私が初めて使ったカメラはAsahi Pentax SVとSuper Takumar 55mm F1.8で思い入れはあったが、大学進学時に実家においていったら黴びたらしく処分されてしまった。SMC Takumar 200mm F4とともに。

ペンタックスによい思い入れがないのは、押し入れから父親が使いこなせないままに死蔵していたPentax SVを見つけたはよいが、望遠レンズを買おうとしたらマウントが既にM42からKマウントに変更になっていてショックを受けたからだ。当時中古でレンズを買うという発想はなかった。親に相談したら、大阪・梅田駅近くのカメラ店で新品のSMC Takumar 200mm F4を見つけて買ってくれた。このカメラ店がどこの店だったのかは思い出せない。店の雰囲気とかはおぼろげながら記憶にあるのだが。大学生の時に実家で処分されてしまったので、箱や保証書なども手元になくもう確かめようもない(父親も亡くなっている:けっこう早死にした)。今だったら八百富さんかなぁという気がするのだが、当時はカメラ店はいまよりもたくさんあったので、他のお店の可能性も高い。

ペンタックスのマウント変更への恨み辛みを書いても仕方なかった。このフィルムカメラプロジェクトへの不安のひとつは、いまから新品のフィルムカメラを買う人がいるのかという問題だ。

さっき欲しいと書いてたじゃないかと言われるかもしれないが、それは中古で安くなっているからであって、新品で高ければ買うことはない。少なくとも私は。お大尽が買って下さるのだろう。新品コンパクトフィルムカメラが20万円とかだったら買う人は少ないと思う。特に日本国内では可処分所得がどんどん減っていっているので、一般大衆は買いにくいだろう。レンズがどのくらいよく写るのかと値段次第でしょうなぁ。フィルムも高いので、写ルンですみたいな画質に高いフィルムを消費したくない思いはある。

さて、そのフィルムなのだが、いま品薄でかつ定価自体もかなり高くなっている。品薄なのは需要があるということの裏返しでもあるのだが、フィルムは生ものなので、フィルムメーカーとしても急な増産はリスキーだと思っていると思う。

あと、写真フィルムがいつまで供給されるのかも不安だ。135(35mm)フィルムは私が想像していたよりも長く残っているし、値段も思っていたよりも上昇の具合が小さい。もっとはやくに値段がもっと高くなってはやくに廃れるかと思っていた。

イーロン・マスクみたいに資産があったら、Kodakのフィルム部門を買収してコダクロームプロジェクトとか打ち出すんだけどなぁ。誰が得するんだという案件だが。

ということで、ペンタックスのフィルムプロジェクトは、カメラの写りなどの性能と値段の設定が難しくて、ちょっとでもずれると売れなくて頓挫してしまうリスキーな点が心配だ。フィルム供給も他社に依存しているのでこれもリスキーだ。心配だなぁ。ペンタックスには生き残ってもらいたいというか、リコーのカメラをもっと大事にしろ!


写真は記事とは関係ない。
【写真1】伝通院(東京都文京区小石川):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6、1/160秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(4370K)、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Jpegからリサイズのみ、K&F Concept KF-CGZマウントアダプター(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)

小石川伝通院は、徳川将軍家の菩提寺のひとつで浄土宗のお寺。江戸時代から火事で何度も焼けているそうだ。永井荷風や幸田露伴がこの近くに住んでいたようだ。夏目漱石も一時期この近くに住んでいたらしい。文学作品にも伝通院はたくさん扱われている。

【写真2ゴミ映り込みの例】左側の半円はクレーンの先が映り込んでいてゴミではない。その右の円内にゴミが写り込んでいる。伝通院(東京都文京区小石川):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6、1/160秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(4370K)、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Jpegからリサイズのみ、K&F Concept KF-CGZマウントアダプター(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング)

なお、この作例は珍しくゴミが写っている。ただし、左側の半円で示した部分はゴミではなく隣の工事現場のクレーンの先だ。真ん中ちょっと左に大きくボケたゴミがうっすらと写っている。このあと一旦電源をオフにした後の写真では映り込んでいないので、ニコンZ6のゴミ取り機能は一応働いていると思う(電源オンオフにゴミ取り機能を連動させているので)。

Google
WWW を検索 haniwa.asablo.jp を検索
asahi-net.or.jp/~sp5j-hys/ を検索
※ブラウザで「保護されていない接続」「安全ではありません」などの表示が出る場合はSSL対応のhttps://haniwa.asablo.jp/blog/の方にアクセスしてください。お気に入り・ブックマークもSSL対応の方に変更をお願いします。(2021/02/23)