赤城耕一氏のデジカメWatchのBiogon作例が非常に参考になる ― 2022年06月07日 00時00分00秒
デジカメWatchに赤城耕一の「アカギカメラ」 第47回:デジタル時代の“カメラはライカ、レンズはツァイス”を考える~ツァイスZMレンズ再検証という記事がアップされている。
これが非常に参考になった。というのも、ニコンZ6でBiogonを使っていて、ミラーレスカメラのカバーガラスによる像面湾曲は球面平凸レンズで修正しても、色被りが残ってしまって残念だと思っていたからだ。
フィルム用に設計されていたレンズのうち、特にBiogonタイプのレンズは、ミラーレスカメラのセンサー前にあるカバーガラスやローパスフィルターの影響を受けて描写が悪化する。具体的には像面湾曲がプラスに変化し周辺に色つきが出る。
ニッコール千夜一夜物語 第七十七夜 NIKKOR-S 50mmF1.4に見るローパスフィルターと光学性能 ― 2021年04月03日参照
ニッコール千夜一夜物語第七十七夜 NIKKOR-S 50mmF1.4参照
ニコンのZシリーズのカバーガラス等の厚みは1.1mmだそうだ(The Nikon Z6 Disassembly and Teardown)。
The dust reduction system glass measures in at a bit over 0.3mm thick.
The lowpass IR/UV cut filer underneath is thicker, at 0.8mm. This puts the total thickness of the Nikon Z6’s sensor glass at 1.1mm, identical to the Z7. This makes the Z6 an excellent candidate for adapting legacy film and rangefinder lenses.
デジタルカメラ・イメージセンサーのカバーガラスの厚さによると、ライカM10などは1mm以下だという。
Biogonは最新のライカのデジタルカメラだと快適に使えるのかなぁと思っていたところに、この赤城耕一氏の記事である。うれしい(とはいえBiogonの作例のカメラは「最新」ではないM9だが)。
Carl Zeiss Biogon T*2,8/21 ZM + Leica M9
M9 Biogon T*2,8/21 ZM(F5.6・1/1,000秒)ISO 400の作例はキャプションには色被りはないと書かれているが、上部にブルーグレーの色被りがあるように思える。
【追記】以下の2つの作例はキャプションにBiogon T*2,8/21 ZMとあるのだが、
Biogon T*2,8/25 ZMの見出しの下にあるので、Biogon T*2,8/25 ZMの作例の可能性があるが、この記事執筆時点ではBiogon T*2,8/21 ZMのままなので、その通りに載せておく。【追記ここまで】
M9 Biogon T*2,8/21 ZM(F11・1/500秒)ISO 400の作例は明らかに右奥の方の色がおかしい。
M9 Biogon T*2,8/21 ZM(F8・1/1,000秒)ISO 400の作例も道路のペイントに色被りが見られる。
Carl Zeiss Biogon T*2/35 ZM + Leica M9
M9 Biogon T*2/35 ZM(F8・1/2,000秒)ISO 400の作例も右上の方が色被りがあるような…。
Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM + Leica M9
M9 Biogon T*2,8/28 ZM(F4・1/4,000秒)ISO 400の作例やM9 Biogon T*2,8/28 ZM(F8・1/1,000秒)ISO 400の作例だと色被りはなさそうだ。
Carl Zeiss Distagon T*1,4/35 ZM + Leica M9
Biogonではなくて、DistagonなのにM9 Distagon T*1,4/35 ZM(F1.4・1/3,000秒)ISO 160は周辺の色被りがあるように見える。
以上は私の印象であって厳密には色被りではないかもしれない。しかし、ニコンZ6の1.1mmよりも薄いとされているLeicaのカバーガラスの厚みでもこんな感じなので、ミラーレスデジタルカメラでのBiogonの相性はなんか納得がいった。色被りがあったら困る用途には使わなければよい。そうではなくて、あのBiogonの真っ直ぐな描写が欲しければ多少の色被りには目を瞑って使う、でよいのだろう。Leicaは簡単には手を出せないので、この記事は非常にありがたい。
浦舟水道橋(横浜市南区):Nikon Z6、Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)、F5.6、1/125秒、ISO-AUTO(ISO 100)、AWB(6120K)、ピクチャーコントロール:AUTO、マルチパターン測光、 手ぶれ補正ON、高感度ノイズ低減:標準、手持ち撮影、Jpegからリサイズのみ、K&F Concept KF-CGZ(コンタックスGマウントレンズ → ニコンZマウント変換)、シグマ光機球面平凸レンズ / SLB-50-1500PM(可視光域マルチコーティング) 、フードなし
オールドレンズの雰囲気重視、レイクォール国産マウントアダプター(Impress Watch) ― 2021年05月06日でも登場した浦舟水道橋だ。
四隅に色被りが見られるが、Biogon T* 21mm F2.8(CONTAX G用)よりは軽く済んでいる感じか。真っ白なものを撮って色被りデータを取って、色被りを修正する方法もあるようだが、ちょっと面倒だなと思っている。
イメージダストオフ機能みたいに、カメラ内で完結する機能が搭載されないかなぁ。まあ過去の他社レンズ使うための機能だから、カメラメーカーにうまみは何もないから期待薄。デジタルカメラだからこそ起きる現象で、デジタルカメラだからこそすぐに直せるはずなのになんだかなぁ。いまだにデジタルカメラに愛着がわかないのもそういうところから来ているような気がする。
【関連追記:2022年6月23日】
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その1 ― 2022年05月25日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その2 ― 2022年05月28日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その3 ― 2022年05月31日
Carl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8(CONTAX G用)とNikon Z6作例その4 ― 2022年06月23日
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