ニコン新宿SC行ってきた(その1)2017年09月26日 00時00分00秒

新宿エルタワー28階:Nikon 1 V1、1 NIKKOR 10mm f/2.8、10mm(35mm版27mm相当)、F3.2、プログラムAE(1/640秒)、ISO100(オート)、ピクチャーコントロール:ポートレート、AWB

「最初からこのカメラは欠陥商品なんですよ。」
「修理したら直るというから修理したのにまったく直っていないじゃないですか。」
「こんな欠陥商品を出して…」
「こんなカメラ使えないですよ。」

定年までデスクワークで勤め上げた感じの真面目そうな60歳代前半の男性がカメラを前にして淡々と苦情を言っている。声は普通の音量で、興奮することなく淡々と。

ニコンの新宿SCに行って受付番号発券機に近づいたらいきなり冒頭の言葉が聞こえてきた。

どうやらD600の件らしい。SC側の人が代替え機を出すと言っているが「どのカメラも埃が入らないというわけではありませんから」「撮影された写真についての補償はできかねますので」などと言っている(註:ユーザーがそのような要求をしたから言っているのではなく、そう念押しするように決まっているから言っている感じ)。ニコンデジタル一眼レフカメラ D600ご愛用のお客様へ(2013年02月22日)参照。あの問題、まだ引きずっているのか。とっととD610に交換したんじゃないんだ。撮影した写真に何度もゴミが写っているというのは、撮影結果に直接影響する重大な問題だから、このお方が怒るのはよくわかる。しかし、もう4年も経つのにまだトラブルになっているとは。ニコンってかつては撮影結果に直結するような故障はできるだけ避けるという設計思想があったんだけどなぁ。Nikon F3の緊急シャッターとかNikon F5のシャッターモニターとか。ああそうだ、D600の話じゃなかった。

いきなりどよーんとした雰囲気の新宿SCに投げ込まれた私だが、今日は、1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6の絞り故障 ― 2017年08月20日こんどは1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6の絞りが故障 ― 2017年09月05日Nikon D300とAI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>とで遠方でピントが合わない ― 2017年09月24日の件で、3本のレンズと1台のボディ(予備にNikon 1 V1と1 NIKKOR 10mm f/2.8も持参。ほかにRicoh GR)をもって修理の相談に来たのだ。

まず、1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6については一律修理料金で故障内容にかかわらず7,314円(税込・プレミアム会員価格)なので、これは修理をお願いした。

1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6は、web上の見積もりだと絞り故障という項目がなく33,500円(税込・プレミアム会員価格)もするので、サービスセンターの方の見積もりだといくらになるのかで修理するかしないかを決めることにした。サービスセンターの見積もりでも、PC上の見積もりだが3万6千円(おそらくプレミアム会員割引前の修理価格だろう)するという。

1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6は27mmから270mmまでカバーする手ぶれ補正付きの便利なズームレンズで、スポーツ撮影のときのサブによく使っていたのだが、修理料金に3万円以上も出して直す気にはならないので、残念だが修理はしないことにした。自分は修理料金が高くても直して使い続けるのが信条だったのだが、こんな短期間でまた壊れそうな物に3万も出す気はしないので、修理しないという珍しい決断となった。

この1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6の見積もりに関しては、現物を確認したり点検することなく、単に絞りが作動しないということだけでPC上で検索していた。以前のサービスセンターだったら、裏に持って行って作動させたり何かのチェックシステムで点検したりして故障箇所を特定した上で見積もりをしていたのだが、PC上の見積もりだとwebで一般人が利用できる見積もりと同じシステムなのかもしれない。今のニコンのサービスセンターにはなにかできるだけ修理を諦めさせるような方向に持って行く感じがある。

というのも、以前のニコンのサービスセンター(SC)では、カメラレンズの点検は無料で、まずは裏に持って行って故障箇所を特定するというスタンスだったのが、いつの間にか点検が有料になっていてなるべく点検せずに済まそうというシステムになっていたからだ。だからSCに直接持って行く意味はほとんどなく、結局修理センターではじめて製品を分解して故障箇所を特定することになる。冒頭のようにニコンに直接文句を言いたい人以外には持ち込みのメリットはないのかもしれない。まあ言っている相手の人は派遣会社から派遣されている人らしいのだが。

以前のニコンだと、「ちゃんと写らない」というような漠然とした相談にも「まずはカメラ・レンズを点検させてください」というスタンスだった。私がNikon F3の点検に持って行った際には、ほかに使用上の不具合は一切なかったにもかかわらず、「長期間メンテナンスがなされていないようなので、できるだけはやくオーバーホールされることをお勧めします」と言われた。不具合が出るのをユーザーよりも先に察知して、撮影上のトラブルを事前に回避しようというニコンらしい対応だった。

もうニコンはかつてのニコンとはさらに全然違う会社になったんだなぁと思った。技術者優位の会社だったのが、いろんなところでコスト削減、壊れようがなにしようがとっとと新しいカメラ買ってくれという会社になってしまったようだ。

そもそも、こういう買い換える決断をする前に修理の相談をするというユーザーは、どこが壊れやすいのかどういう使われ方をしているのか、ユーザーの要望や不満はどこにあるのかなど、情報の宝庫なのだと思うのだが、高い見積額で修理を諦めさせ故障した製品をみることもなく実質上追い返してしまうような対応は相当損をしていると思うのだが。プロサービスの方で故障情報は把握しているからお前らみたいな素人の故障情報なんか要らんということか。こういう方向性は、メーカーに様々な情報がフィードバックされないから今後も同じような故障や不良を連発することにつながる。コストを削減したつもりで結局莫大なコストが掛かる結果につながる。長い目で見てユーザー離れ、カメラ離れを起こさせると思う。

あと、1 NIKKORレンズについては、同じ故障箇所である可能性が高いにもかかわらず、片方は一律料金8千円弱での修理、もう片方は一眼レフ用のレンズに比べてもかなり高額な3万6千円の修理料金であることも要注意だと思う。

1 NIKKORレンズは、買うなら均一修理料金のものに限った方がいいということだ。特に絞り作動機構とズーミングで動くフレキ基板が二大ウィークポイントなので、壊れやすいことを納得の上で買う必要がある。1 NIKKORで一律修理料金のものは以下の通り。

1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 ¥7,524(税別)
1 NIKKOR 11-27.5mm f/3.5-5.6 ¥7,524(税別)
1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOM ¥7,905(税別)
1 NIKKOR 10mm f/2.8 ¥7,905(税別)
1 NIKKOR 18.5mm f/1.8 ¥7,905(税別)
1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6  ¥7,905(税別)
一律料金対象一覧(ニコン)

1 NIKKOR VR 6.7-13mm f/3.5-5.6や1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6といったNikon 1システムでの魅力的なレンズは修理料金が高い可能性があるので要注意である。自分が気に入っていた高倍率ズーム1 NIKKOR VR 10-100mm f/4-5.6も。

長くなったので、Nikon D300とAI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>とで遠方でピントが合わない ― 2017年09月24日の修理依頼については別記事にしたい。

【関連追記:2017年9月27日】ニコン新宿SC行ってきた(その2) ― 2017年09月27日【関連追記ここまで】

【関連追記:2017年10月10日】
1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6の絞り故障修理は無償だった ― 2017年10月10日


新宿エルタワー28階:Nikon 1 V1、1 NIKKOR 10mm f/2.8、10mm(35mm版27mm相当)、F3.2、プログラムAE(1/640秒)、ISO100(オート)、ピクチャーコントロール:ポートレート、AWB

Nikon 1 V1は、GRに比べてやや明るめに写る。遠景を考慮するともう少し露出を落としてもいいように思う。JPEG撮って出し(リサイズのみ)。

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