F2、F3チタンウエムラスペシャル(知られざるニコンの歴史) ― 2013年05月21日 00時00分00秒
戴いたコメントのお返事が遅れていてすみません。少しずつお返事して参ります。m(_ _)m
知られざるニコンの歴史にF2、F3チタンウエムラスペシャルが追加されている。
なぜ、ニコンなんだ?1976(昭和51)年5月、北極圏12,000キロを犬ぞり単独行で走破し、アラスカのコッツビューに到着した植村を報道フォトグラファーが出迎えた。そのとき、植村に向けられたカメラのほとんどがニコンだった。
フォトグラファーたちのカメラは北極の寒さの中でも動いていることに、植村が気づいた。そして、日本人フォトグラファーに「なぜ、報道のカメラはみんなニコンなんだ?」と質問し、「出発してから1週間ぐらいでカメラが壊れて、役に立たなくなったカメラを犬たちが運ぶのがかわいそうだった」と悔しそうに話した。過酷な環境で他社のカメラは破損し、ほとんど記録を残すことができなかったのである。
そのフォトグラファーは、ニコンの耐久性、信頼性を植村に説明した。
そのカメラは何だ?1977(昭和52)年12月、「F2ウエムラ」3台が完成。植村は翌1978(昭和53)年の北極点犬ぞり単独行とグリーンランド縦断で、そのうち2台を使用した。そして、6ヵ月間の冒険を約180本のフィルムに焼き付けた。
グリーンランド南端に到達した植村は、報道フォトグラファーに囲まれる。そして、「首にかけているそのカメラは何だ?」と質問された。植村を取材するフォトグラファーたちは、カメラをバッグの中であたためておいて、寒さで動かなくなったらほかのカメラに交換していた。「何の保温もせず、極寒で撮影し続けたとは信じられない」と、フォトグラファーたちは驚愕の表情を見せた。
報道フォトグラファーの役回りがよいですな(笑)。
こういうニコンのノウハウがミラーレスのデジタルカメラになると活かせるところが少ないような気がする。メカニカルのシャッターぐらいだろうか。いや、そもそも、機械部分は酷寒で動いてもデジタルカメラだと他の部分が駄目かもしれない。ニコンD4の動作環境は「温度0~40℃」とある。AFフィルムカメラのニコンF100の取扱説明書には「動作環境」という項目はないが、仕様の「撮影可能フィルム本数」や「バルブ撮影時連続撮影時間」の表に「-10℃」の項目があって、-10℃で撮影することが当然視されている。技術の進歩って…。まあ私の場合はカメラの前に自分が寒くて耐えられないから関係ないか(爆)。
【追記】上記知られざるニコンの歴史には、ノーマルのモータードライブMD-4と「F3ウエムラ」用MD-4の動画もある。これを見るとモータードライブが欲しくなってくるでしょう(笑)。
コメント
_ hironeko ― 2013年05月21日 13時53分12秒
_ タロウカジャ ― 2013年05月21日 23時18分14秒
これで十分と感じます。あれから、随分ゴチャゴチャと増えましたな。基本に戻って撮影をしますか。
でもすっかりV1に10mmを付けて撮影するのに慣れて、すべてが鈍っているかな。
F2、F3チタンは、良い話題ですね。
_ small-talk ― 2013年05月22日 07時30分10秒
確か、ペンタのLXはマイナス30度までだった筈です。
このあたり、ニコンは慎重ですね。
冬山などで使った感じでは、デジタルもマイナス20度くらいなら問題なさそうです。
このあたりは、リチウムイオン電池の低温適性も大きいのでしょうね。
_ いつもとおりすがり ― 2013年05月22日 09時31分39秒
私の場合、極寒ではないですが、0℃以下での環境はNikon FMかCanon New F-1でいろいろ経験していますが、どちらの機種も基本的には問題ないです。
_ + P40 ― 2013年05月23日 08時06分24秒
_ + P40 ― 2013年05月23日 08時29分00秒
_ maple ― 2013年05月25日 08時49分30秒
もっとも、去年の12月に飛騨高山に行ったのですが、風も雪もびゅーひびゅー、氷点下2度ぐらいまで下がったにもかかわらずEOS40Dの使用には特に問題ありませんでした^_^
_ たけぴょん ― 2013年05月25日 14時23分36秒
見えなくとも何とかなるって、、、。
_ とんかつ ― 2013年05月26日 00時01分52秒
三浦 雄一郎氏がエベレストに登頂しました。80で。
準備の時から、帰国までたくさんの動画と、画像が刊行されると思います。
カメラやビデオ、装備品とか知りたいです。
・・女子カメの冊子を立ち読み。
70年代は平凡パンチと朝日ジャーナルの時代。
モノクロのザラザラが朝日カメラの巻頭に有りました。
だからというわけではないのだけれど、今の時代の彼女たちの表現を否定するつもりは有りません。
スカスカの色の表現が主流ですが、こってりしたきつい色の表現もありました。(黄色い花は黄色い、赤い花は赤だ)という意味なんです。
_ Haniwa ― 2013年05月30日 13時05分52秒
■ hironeko様
中国東北部ですか。うちの親戚も何年か赴任して家族で住んでいました。寒いそうですね。
やはりシャッター幕も金属製でないと駄目なんですね。昔雑誌で寒冷地ではライカよりもContaxの鎧戸シャッターがよいと聞きかじりましたが、本当なんですね。
>デジタルは保温ナシだと30分~1時間で阿弥陀仏……
やっぱり電気関係がダウンでしょうか。記事中のように保温しながら交代交代で使えばなんとかなるんでしょうかねぇ。
>ということで、機械式カメラ&絞りリング、万歳!!!!
御意に。
■ タロウカジャ様
F2チタンから先へ進んでないですよね。そこまで要求されないというのもあるんでしょうが、できていたことができなくなることへの焦燥感がカメラ業界にはないんでしょうね。その後のAF化などを見てもそう思います。
>でもすっかりV1に10mmを付けて撮影するのに慣れて、すべてが鈍っているかな。
いえいえ、Nikon1にはニコンの魂が入っていますよ。私はバッファメモリをたくさん積んでくれるのを待っています。
>F2、F3チタンは、良い話題ですね。
これで、「久々に使うか」という気になってくれる方が少しでもおられればよいですね。
■ small-talk様
>確か、ペンタのLXはマイナス30度までだった筈です。
すごいですね。ハイブリッドなのにそこまで大丈夫なんですね。
>このあたり、ニコンは慎重ですね。
昔から慎重で、ちょっとでもクリアしたら謳うなんていうことはしない会社ですよね。
>冬山などで使った感じでは、デジタルもマイナス20度くらいなら問題なさそうです。
ありがたい情報です。最近自分ではそこまで寒いところに行く機会がなくなってきていますので。ああまた冬の北海道に行きたいなぁ。こんどはトワイライトエクスプレスで。
■ いつもとおりすがり様
コニカ現場監督28HGが-15℃くらいでも半日ほどちゃんと作動していましたので大丈夫だと思います。F-501も同様でした。
デジタルだとなにか保証できない要素があるんでしょうね。
■ + P40様
>数年前、某ニコンサービスセンターを訪問し、F2のモルトプレーンの交換を依頼したら、受付の相当年配の男性社員が 「このカメラにはモルトプレーンは一切使用していない」>との返事でした。 ここのニコンはあてにならないと判断し、自分で交換した事を思い出します。
「モルトプレーン」の定義が特定の材質のものを指しているのであれば、狭義の「モルトプレーン」は使用していないのかもしれません。ニコンって素人相手なのに言葉の定義や仕様に関して妙に厳格なところがあります。まあ来た客が本当に何も知らないアマチュアなのか、単にNPS登録していないだけで仕事で使って詳しい人なのか分からないので、同じように厳格に相手しているのかもしれませんが。「ここの光が漏れないようにしている部分を点検・交換してほしいんですが」とか言うとやってくれたのかもしれません。
>首に下げて倉庫に入ったりすると、十数秒で電圧低下をおこし動かなくなります。 倉庫から出た時も、内部がしっかり結露します。 ちなみに庫内温度は、一般冷凍食品用が -25℃、マグロなどを保管する超低温倉庫で -50℃ です。
すごいですね。それぐらい低温でないと食品が傷んでしまうからでしょうが、人間が耐えられなさそうな…。倉庫の出入りの際はカメラ・レンズはなにか鞄とかケースに入れてゆっくりと温度変化させるのでしょうか。
_ Haniwa ― 2013年05月30日 13時14分31秒
■ maple様
デジカメが動かなくなれば、記事中のフォトグラファーたちのように「カメラをバッグの中であたためておいて、寒さで動かなくなったらほかのカメラに交換」という風にするんでしょうね。未明から張り付いて撮るのなら三脚立てて大判で撮りたいですね。
>風も雪もびゅーひびゅー、氷点下2度ぐらいまで下がったにもかかわらずEOS40Dの使用には特に問題ありませんでした^_^
風が吹いていると体感気温もカメラにとってももっと低い温度に相当すると思います。実際にはもう少し低温でも大丈夫なんですね。
■ たけぴょん様
>液晶を使った物はどうしても低温に弱くなってしまいます。
>見えなくとも何とかなるって、、、。
そうですね、見えなくても撮れますものね。でもどうして仕様上の表記が0℃までなんでしょうね。
■ とんかつ様
三浦雄一郎氏すごいですよね。私もカメラや装備品を知りたいです。
>モノクロのザラザラが朝日カメラの巻頭に有りました。
>だからというわけではないのだけれど、今の時代の彼女たちの表現を否定するつもりは有りません。
私も好きにしたらいいと思いますが、TPOに寄りますね。作品としてではなく状況説明の写真に変な色とかは勘弁して欲しいです。
>スカスカの色の表現が主流ですが、こってりしたきつい色の表現もありました。(黄色い花は黄色い、赤い花は赤だ)という意味なんです。
難しいですよねぇ。哲学的になってしまいます…。
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私の場合、-30℃の状況下で一日中“普通”に使えるカメラってニコンF2とローライフレックス3.5Fくらいです。
ライカM2とM3はゴム引きの布幕シャッターのせいか-15℃くらいが限界(硬化して作動が鈍くなる)。
デジタルは保温ナシだと30分~1時間で阿弥陀仏……
ということで、機械式カメラ&絞りリング、万歳!!!!