ニコンAF-S NIKKOR 800mm F5.6 E FL ED VR、ルビコンを渡ったのか2013年02月05日 00時00分00秒

六角橋商店街仲見世通り(横浜市神奈川区):CONTAX G1、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8、F5.6AE(AEロック使用)、Kodak Elite Chrome 100(EB-3)、Kenko L37 Super PRO、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED(ICEありGEMなしROCなし、Windows7 Professional 64bit)

コメントのお返事はお待ちください。久々の更新でおます。一家で順番にインフルエンザに罹り大変な思いをした。去年はばたばたしていて予防接種をしなかった。だいたい、大流行時に罹る→懲りて翌シーズンは予防接種する→数年続くが流行は下火→まあいいかと油断した年に大流行→振り出しに戻る、という感じで全然学習していない。近所の医者が予約なしでインフルエンザの予防接種をしてくれればいいのだが、どうもアンプルに数人分入っているらしく、ぽつぽつと来られるとアンプルがもったいないらしい。なんとかしてくれ。

さて、ついにニコンからAF-S NIKKOR 800mm F5.6 E FL ED VRが4月に発売となるそうだ。
ニコン、「AF-S NIKKOR 800mm F5.6 E FL ED VR」を正式発表(デジカメWatch)

800mm F5.6に付属のAF-S TELECONVERTER TC800-1.25 E EDをつけて1,000mm F7.1相当ということは、甲子園のバックスクリーン横の撮影席から投手、捕手、打者を画面内に収めるにはまだ画角が広いということになる。知られざるニコンの歴史「AI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-ED」 ― 2012年06月04日参照。1.4倍のテレコンで1120mm F8相当でD4などでAFが効くのはここまで。AI Zoom-Nikkor 1200-1700mm f/5.6-8P IF-EDの代わりにはならないようだ。トリミングするからこれでいいのか。

しかし、このデジカメWatchの記事、切れが悪すぎですな。絞り方式が電磁絞りによる自動絞りとなって、以下のカメラしか使えないレンズなのに全く触れていない。元のニュースリリースが触れていないからだろうが、大事なことに触れていないニコンのニュースリリースも悪いですな。そんなに隠したいことなのか。
焦点距離800mm、開放F値5.6の超望遠レンズ「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」を発売(nikon.co.jp)

AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR

使用できるカメラボディー:D4・D3シリーズ・D800シリーズ・D700・D600・D300シリーズ・D7000・D5200・D5100・D5000・D3200・D3100

http://www.nikon-image.com/products/lens/af/fx/singlefocal/af-s_800mmf56e_fl_ed_vr.htm

ニコンFマウントのフィルムカメラすべてがばっさりと切られ、さらにD1シリーズやD2シリーズなどのフラッグシップも切られ、ベストセラーだったD70やD200も切られた。名機D50、D40も切られた。

これは212万1,000円もする800mm F5.6というおよそ一般人が使うことのなさそうなレンズだからまあいいかというわけにはいかない。最初はPCレンズ、次は超望遠レンズその次は…とだんだんと電磁絞りの適用範囲を広げていくのが目に見えている。だから私は知り合いにはニコンを勧めない。もともと何が使えて何が使えないか分かりにくいのに、常に分かりにくい方向に邁進中だからだ。

使えるカメラが限定されていることには目をつぶるとして、まだまだ問題があると思う。

それは、電磁絞りでどこまで連射に追従するのか、である。ご存じのように某社の一眼レフでは、○○コマ/秒と書いてあってもそれは絞り開放時だけで、絞り込むととたんにそれらのカタログスペックは実現できないということがあった。ニコンは○○コマ/秒と書いてあれば絞りが開放だろうと最小絞りに絞り込んでいようとその連射速度が実現できていた。ニコンD4ではAF・AE追従で10コマ/秒であり、電磁絞りでもこれは制限がないのだろう。

問題は、今後もこの電磁絞りで大丈夫なのか、だ。一眼レフの性能が上がってもっと15コマ/秒とか20コマ/秒になっても追従するのか、あるいはこのAF-S NIKKOR 800mm F5.6 E FL ED VRを、一眼レフでないミラーレス機(たとえばNikon1シリーズなど)に装着して60コマ/秒で追従するのかが心配だ。Nikon1の60コマ/秒の場合、電子シャッターを使うので絞りも絞り込んだままなのかもしれないが、そうすると暗くなってAFに影響が出る。やっぱり絞り開放で測光・測距というのは捨てがたいのではないか。

この辺の電磁絞りと連射への影響の部分を、カメラ雑誌各誌はきちんとインタビューして聞き出してもらいたい。このレンズの電磁絞りはいったいどのくらいの連射まで対応しているのか、と。

もう一つ気になる点は、付属のテレコンが、同梱のレンズ本体と最適になるよう個別に調整しているという点だ。変だなぁ。たしかに昔はモータードライブがボディと一台一台調整していたとかの例もある。しかし、レンズと付属のテレコンとを個別に調整しているのって、一見ありがたいように思えるが、ちゃんと公差に入ったもの同士なら十分な性能が出るようにはできなかったということか。この手のレンズが何本もごろごろしている状況ってそんなにないだろうが、新聞社で2本ぐらい同時に使うこともあるだろう。その場合に、「あれ?このテレコンはどっちのレンズ用だっけ?」とか現場でやるのか。ニコンらしくないなぁと思った。

ざっとスペックを見ただけでもこれだけの疑問が出るので、カメラ雑誌での鋭いインタビュー記事を期待している。速報性ではネットに敵わないんだから、雑誌では根掘り葉掘り聞いてくだされ。


写真は記事とは関係ない。
六角橋商店街仲見世通り(横浜市神奈川区):CONTAX G1、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8、F5.6AE(AEロック使用)、Kodak Elite Chrome 100(EB-3)、Kenko L37 Super PRO、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED(ICEありGEMなしROCなし、Windows7 Professional 64bit)

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