Nikon D300にOLYMPUS ME-1を付けると、裸眼でもケラレる ― 2011年10月31日 00時00分00秒
Nikon D300は、Ai AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>を付けてアマチュアスポーツを撮るために買ったのだが、レンズ交換式なのでやっぱり他のレンズも付けたくなる。28mm好きとしては、D300に20mmレンズを付けて30mm相当でスナップもしてみたくなる。特にAi Nikkor 20mm F2.8SはコンパクトなレンズなのでD300で常用してみたくなる。
ところがD300のファインダーは、20mmという焦点距離のレンズだとピントが分かりにくい。フォーカスエイドだけが頼りなのだが、D300のフォーカスエイドは合焦時に●が点灯するだけで、アウトフォーカスの場合に前ピンなのか後ピンなのかを示す三角マークがないのだ。なんというフラッグシップ。
それでマグニファイヤーでファインダー像を拡大すればマニュアルフォーカスがしやすくなるかもと思って、オリンパスのME-1を買ってみた。ヨドバシカメラで4200円(税込)もする。ちょっと高い。ニコンのDK-17Mがヨドバシカメラで同じく4200円(税込)なのを考えると、ME-1は高い。質感やガラスの大きさや見え具合が全然違うもの。D300は角型窓でDK-17MはF3HP以降の丸窓タイプなので上手く付かない。なお、角窓をF3アイレベル以前の丸窓に変換するアダプターはニコン純正のアイピースアダプターDK-22として以前から存在する。また、サードパーティ製で角型窓をF3HP以降の丸窓に変換するアダプターも存在する(←会社のサイトがなくなっているのでちょっと不安)ようだ。
それで、オリンパスのME-1をニコンD300に装着するとたしかにピントは若干見えやすくなる。Ai Nikkor 20mm F2.8Sでどちらにアウトフォーカスか分からなかったものが分かりやすくなり、ファインダーでピントの山と思しきところもなんとなく分かる。ただ、拡大してもD300のスクリーン自体が明るさ優先で拡散性の低いすかすかスクリーンのようで、ME-1を付けたからばっちりだぜとは言い難い。この辺はF100にDK-17Mを付けた場合とは違う。F100のファインダーは倍率は低いが一応ピントが見えるスクリーンだったから(ただし、Ai Nikkor 50mm F1.2Sのピントの山は見えにくい)。
ニコンD300 + オリンパスME-1の最大の問題点は、裸眼でもケラレることだ。目を接眼部にぴったりつけても四隅のかなりの部分が薄暗くなっている。端っこを見るためには目玉の位置を動かさないといけない。像が大きくて目玉を動かさないと全体が見られないというのではなくて、覗き方を変えないとケラレで端っこが見えないのだ。もちろん左上を見ようとすると右の端が見えなくなるし右下なんか全然見えなくなる。小さな覗き穴から中の様子をうかがうような感じで覗き位置を変えないと全体がちゃんと確認できない。ME-1はAPS-Cよりも小さいフォーマットのフォーサーズ用のマグニファイヤーだから、APS-Cの100%ファインダーでケラレて当然とも言える。検索すると眼鏡だとケラレると書かれているものが多いが、D300 + ME-1は裸眼でもケラレている。それを承知の上でこの高いマグニファイヤーを買うべきだ。
これは広角レンズのAi Nikkor 20mm F2.8Sの場合はケラレて使えないとまでは言えない。広角レンズの場合もともと視野の端に何か変なものが写っていないか確かめながら構図を決めるので、D300 + ME-1の撮り方でも、ピントの山が分からないよりははるかにマシだからだ。【追記】とっかえひっかえしてみて比べたが、ケラレて周辺が見えにくくなる割に真ん中のピントが劇的によくなるわけではないので(責任は全部D300側にある)、D300のフォーカスエイドが直ったいまではME-1無しの方が総合的にいいかなと思う。【追記ここまで】
ところがNikon D300にAi AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>を付けた場合は、ME-1のケラレは非常に鬱陶しい。こういうAF望遠レンズの場合、さっと構図を決めてシャッターチャンスが大事になってくる。きちんと真ん中で覗かないと全視野が見渡せないファインダーは撮りにくい。いや、きちんと真ん中で覗いても四隅が暗くなっているからさっと構図を確認して撮れない。それにもともと周辺減光がある(超)広角レンズと違って、望遠レンズで四隅が暗くなっているのは視認性が劣るように思う。ケラレている分ファインダーに来る光量も少なくなっているような感じがして非常に見づらい。こりゃ駄目だ。D300 + Ai AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>の場合はME-1無しの方がいい。すかすかの小さな像のファインダーを拡大するためにマグニファイヤーを付けて、100%の視野率なのに端っこが見えなくてファインダーがなんだか暗くなってしまうって、いったい何をやってるんだという気持ちになって鬱だ。
結局せっかく4200円も出して買ったのに、ME-1は非常用になってしまった。これだったらフィルムでも買った方がよかった。ME-1については随分検索してみたのだが、裸眼でケラレて使いにくいとはっきり書いているサイトは少なかった。みんな眼鏡使用者なのだろうか。眼鏡でME-1使ったら本当に真ん中しか見えないんじゃないか。まあD300用ではないのでME-1には責任はないのだが。
ということで、ニコンはDXフォーマットの上級機のファインダーをまともなものにすべきだ。こんなんじゃ一眼レフの意味がない。誰だよD300発売時のレビューで、ピントが見易くなったとか書いてたライターは(笑)。赤城耕一氏は絶対にそのようには書いてなかった。偉いと思う。
【追記】
ちょっといい案が浮かんだ。今晩家で試してみるので乞うご期待。
【追記ここまで】
【追記:2011年11月1日】
Nikon D300のファインダー倍率アップは+の視度補正レンズで ― 2011年11月01日
だれでもプラスの視度補正レンズでうまくいくとは限らないが、私個人的にはこの方法で解決とした。まあ像が大きくなってもプアなファインダーはプアなんだけどねぇ。少しはマシになったということだ。
最近のコメント