これぞ、日本の奥ゆかしさ「KLASSE」(矢野渉の「金属魂」Vol.14) ― 2010年12月10日 00時00分00秒
矢野渉の「金属魂」のVol.14はこれぞ、日本の奥ゆかしさ――「KLASSE」だ。
このカメラの欠点は、カメラなのに撮影以外のことなのだ。富士フイルムという会社はきっと質実剛健、いい会社には違いない。でもカメラ好きオヤジの気持ちを理解しているとは言いがたい。所有することの喜びをくすぐってくれはしないのだ。
と、ここまで書いて、フジがフィルムメーカーであることに気づいた。もしかしたら、KLASSEのダサイ感じは計算だったのかも……という推測さえ生まれるのだ。
競合するカメラメーカーは、富士フイルムにしてみれば、主力商品であるフィルムを販売促進していただいている会社である。そのことに対する遠慮がなかったか。まったく日本人的な配慮で、発売前から争いを避けようとしていなかったか。レンズの焦点距離、販売価格など、細かいところまで既存のカメラと範ちゅうをずらし、摩擦を避けてはいなかったか。
そうなんだよねぇ、なんか、おおこれは買わねば!という気持ちになりにくいというか…。
でもいまさらほかのカメラメーカーに遠慮するような情勢でもあるまい。だからこそ2006年に「KLASSE W」が発売されたと矢野氏はいうのだが。それだったらKLASSE Wももうちょっと練って欲しいなぁ。色んな写真家にアドバイスを求めたりしたのだろうか。レンズ前枠の鍵穴型のフード取り付け穴がなくなったりしているので、世間の評判は伝わっているようだけれども。あとはもっと作例をばんばん出して欲しいな。買いたくなるような作例を。
ライバルたちが皆フィルムを見捨てる中、フィルムメーカーとして最後のけじめをつけようとしているかにも見えた。その行動がオヤジとしてはうれしいし、日本のメーカーとして誇らしい。縮小して行く銀塩市場で、大したもうけは見込めなくても、最後に腰を上げる姿勢がいい。実際、この市場をみとるのはフジ以外にはない。
富士フイルムという会社には、自分たちが作ったフィルムがこの世からなくなるまで、世界のどこかで現像所を維持してくれるだろう、と誰もが普通に信じてしまうまじめさがある。
よくぞ書いてくれました。これって、去年のノーベル平和賞がオバマ米大統領だったような感じですな(笑)。誉めることによって今後の行動を期待するみたいな。私も、富士フイルムなら写真フィルムを最後まで面倒見てくれると信じている。PRO400もASTIA 100FもSensia 100 IIIも維持してくれるよね。NEOPAN 1600 SUPER PRESTOも黙ってなくしたりしないよね。
写真は記事とは関係ない。
江ノ電極楽寺駅:Nikon F3(MD-4 + MK-1)、Ai Nikkor 20mm F2.8S、F5.6、1/250sec、富士フイルムSensia 100III(RA III)、L37c、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED(ICEあり)
1976~77年に日本テレビ系で放送された「俺たちの朝」というテレビドラマで繰り返し登場した駅だが、当時とあまり変わっていない印象だ。
富士フイルム、写真印画紙を5~20%の値上げ ― 2010年12月10日 00時00分01秒
富士フイルム株式会社は、写真印画紙を2011年1月以降に5~20%値上げすると発表した。
富士フイルム、写真印画紙を5~20%値上げ(デジカメWatch)
理由について富士フイルムは、「昨今の銀を中心とする原材料コストの急激かつ大幅な上昇は企業努力の範囲を超える状況にあります」とコメントしている。
そんなにコストが上がっているのか。困ったなぁ。原材料は値上がりするし、銀塩プリントしない人も増えるし。「構造改革」とか言って、写真フィルムの削減はやめてね。
【関連追記】
「大切な一枚は銀塩プリントで」 ― 2010年12月06日
この件とは関係ないが、アサヒネットの接続が16時半頃から全国規模で障害発生中のようだ。障害情報にすぐに載らないのがよくないね。あと直近5件分しか障害情報載せてないとか駄目すぎますな。17時16分現在まだ障害情報に告知無し。【追記:17時54分】各地で復活しつつあるようだ。原因としてアサヒネットのDNSサーバーが一部で疑われている。DNSをアサヒネット以外にしていた人は、今回の障害中も接続できていたらしい。アサヒネットのDNSは昔から不調が多いように思う。
アサヒネットのDNSがおかしい件 ― 2008年04月30日
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