AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRの歪曲収差にショックを受けた2010年10月28日 00時00分00秒

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR

Nikon 24-120mm f/4G ED VR Interchangeable Lens Review(ephotozine.com)という記事で、AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRのレビューがなされていた。

AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRは、開放F値が一定のズームレンズなので、マニュアル露出の時に使いやすそうだなぁ、と思っていた。

しかし、レビューをみると、広角端の24mmで歪曲収差が-7.02%(樽型)で、望遠端の120mmで+2.22%(糸巻き型)なのだそうだ。こんなに歪曲収差が大きいレンズもそうそうないのではないか。ニッコール史上一番歪曲収差が大きいのではないか。樽型の歪曲収差は-2%以下になるとかなり目立つようになってくる。糸巻き型の方は1%を超えると目立つといわれている。ほとんどのズームレンズは-2.5%から+1%の間になるように頑張って設計されている。

所有のレンズの中では、Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5Sが一番歪曲収差が大きい(ぎょぎょっと20除く)。広角端の35mmで-4.0%(樽型)、望遠端70mmで+0.7%(糸巻き型)だった。Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5Sは広角端の歪曲は目立つものの、解像度は高くコントラストも高い緻密な描写だった。歪曲収差を捨てた分、非点格差が周辺までなく、隅まできっちりカリッと写るレンズだった。これは後継のAi AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5S(後にDタイプもある)にも受け継がれていて、Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5S(D)も広角端28mmでよく写るが歪曲収差が-4.9%(樽型)、望遠端の70mmで+0.6%というものであった。私の中ではこの辺が(樽型)歪曲収差の限界だと思っていた。

それが24mmとはいえ、-7.02%なのである。これはもう画像処理でまっすぐにすることを前提にしているに違いない。陣笠型ではなく素直な樽型なので画像処理も楽だろう。しかし、画像処理しないフィルム撮影だとこの歪曲はどうしようもない。フィルムをスキャンして画像処理した上でプリントするしかない。リバーサルの原版だとどうしようもないなぁ。

せっかく開放F値がズーミングで変化しないズームレンズなのだから、絞りリングつけて多くのフィルムカメラで使えるようにして欲しいと思っていたが、このレンズに関しては絞り環なしでも仕方ないと思うようになった。Gタイプレンズの使えるフィルムカメラで撮ったとしても、この歪曲収差はちょっと目立ちすぎる。なんだかなぁ。最新レンズはもうフィルムで使ってくれるなというレベルに達してしまったか。でも画像処理できるからってデジタルでも歪曲収差が許されるわけではないと思うんだがなぁ。デジカメは日進月歩じゃなくて「一歩前進二歩後退」、なのか…。

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