コダクロームの発色を楽しむ――ニコン「D1」 (矢野渉の「クラシック・デジカメで遊ぶ」)2010年07月06日 00時00分00秒

アゲハチョウ:Nikon F100、Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)、プログラムAE、Kodak PORTRA 800、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED

ITmediaデジカメプラスにコダクロームの発色を楽しむ――ニコン「D1」という記事が掲載されている。

僕がD1を導入したのは1999年、発売と同時だった。その頃レギュラーで撮影していた、薬のパッケージ撮影をデジタル化しようと考えたのだ。カット数が多く、あがったポジフィルムの管理はかなり面倒だったからだ。デジタルデータならば過去のデータを検索するのも苦では無いだろう……。

しかし結局、この目論見(もくろみ)はうまく行かなかった。過去のフィルムのデータ(その頃はエクタクローム EPNを使っていた)と、D1からあがってくるデータの色が全く合わないからだった。

薬のパッケージは赤や青などの原色が多い。D1だとその色が「沈む」のである。「濁る」と言ってもいい。グレースケールをカットごとに写り込ませて、後でソフトウェアで正確に補正しても、どうしても同じ色にならない。

「これはコダクロームだなぁ」と僕は直感した。Kodachromeは当初、映画用フィルムとして開発されたポジフィルムである。外式(そとしき)と呼ばれる、現像時にRGBの色素を外から塗っていくという、特殊な処理をするフィルムだ。そのせいか、他のどのフィルムとも違う発色をする。ブツ撮りには向いていないが、テーマが重めの、心象風景のような写真には、そのどっしりとした発色がぴったりとくる。僕は同じ印象をD1から受けたのだ。

コダクロームは、2007年に日本での発売が中止されている。本家が無くなった今、この色を出せるのは、もしかしたらD1だけになってしまったのかもしれない。

うーん、お言葉ですが、フィルムライクではあるけれどもコダクロームかと言われるとちょっとなぁ。

でもD1への興味がちょっとわいてきた。実はなんどかD1欲しくなったことがあるのだが、APS-Cサイズだしそんなに安くないし高感度がいいわけじゃないしなぁと見送ってきたのだ。電池のEN-4はまだ現行品のようだ(これ重要)。この記事でD1がちょっと売れるかも。まあ、クラシックデジカメにお金を掛けるんならクラシックフィルムカメラを買った方がよさそうだ。


写真は記事とは関係ない。
コダクロームの作例だとよかったのだが、すぐに出て来ないのでポートラ800の作例だ。すまん。こどもの頃に比べてモンシロチョウやモンキチョウが減ってアゲハチョウが増えたように思う。

アゲハチョウ:Nikon F100、Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)、プログラムAE、Kodak PORTRA 800、Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED

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コメント

_ やまろ@会社 ― 2010年07月06日 12時03分22秒

自分にとってのD1は、当時雑誌のキャパに掲載されてた写真を見て、「ナンジャコリャ!」でした。
確かD1でD1を写した広告でしたが、発色も悪く、解像感もなく、こんなものがF5の倍の価格でいいのか?と思ったものです。
ただ、その後Webに掲載されたD1の写真を見ると、そんなに悪くないんですよね。リンクの記事を見ても、なかなか素直な写りに思います。シャープネスも不自然じゃないですし。
D1搭載のCCDって、結構長いこと使われていたんですよね。元々の素性は良いんでしょうね。
当時の雑誌の印刷が悪かったのかな? それともRAW現像ソフトの性能が向上したかもしれませんね。

また、色域が今主流のsRGB/Adobe RGBじゃなくNTSCだったのも時代ですね。
当時のPCディスプレイでは、NTSCの色域を再現できるものはほとんどなかったと思います。
よく色がくすんでいるなんて言われたのも、今にしてみれば色域の扱い方が不適切だったのと、ディスプレイの性能の問題だったんでしょうね。

_ Haniwa ― 2010年07月06日 15時48分01秒

やまろ様
たしかにD1からD100のころまでは、なんか色が薄くて黄緑がかっていてハイライトは白つぶれみたいな画像でしたね。

当時の印刷部門がデジタル画像の印刷に慣れてなかったのもあるのでしょうね。でも今回の記事の画像は全然当時の感じじゃないですね。

当時ヨドバシに貼ってあったニコンデジタル一眼レフのサンプル写真も黄緑がかった彩度の低いかつ線の強調された変な画像でした。

仰るようにモニターの性能向上やRAW現像ソフトの性能向上が効いてるんでしょうね。これだったらD1を今でも使う気になります。ただ、ハイライトがすぐに白飛びしている感じはありますね。

_ Eddie ― 2010年07月06日 16時57分58秒

基準となるフィルムが無くなっていく昨今でISO数万とかDオプティマイザー等の技術が写真(真実を写す)を映像(像を映す)に変えつつあり、ある意味不安です。D1をコダクロームの色と定義するのはコダックにとってどんな気持ちでしょう?

_ ノーネームしたん ― 2010年07月06日 22時16分26秒

>この色を出せるのは、もしかしたらD1だけになってしまったのかもしれない。

そうなのか?、D-1持ってないので何とも言えないですが・・知り合いのD-1(中古品)を使わせてもらった事が有りますが・・特定のフィルムの印象とかはあんまり・・、もっといじると印象違ってたんでしょうかね・・。

>電池のEN-4はまだ現行品のようだ(これ重要)

危険技で現行品でなくとも・・いや・・何でもないです・・。

>アゲハチョウ

Haniwa氏「ワーイッ!、ちょうちょうや~っ、う~れし~いな~あ~。」
アゲハチョウ「あっ!、危険そうな生き物がこっちに来る!、逃げないと。」
Haniwa氏「あ~っ!、まて~、まて~っ・・。」
何処までも逃げて逝くアゲハチョウを追いかけてHaniwa氏は鼻を垂らしながら・・泣きながら・・駆けて逝く・・。

ここに書きますが

>>公表すると・・警○が動くのですね(笑)。
>ミニスカポリスがやってきます(大歓迎)。

そんなに”み○の 晴郎”氏のミニスカを見たいと・・、Haniwaさん・・もはや”シベ○ア痛禁超特急”で通勤するのです・・。

>そういえば書き換え不可のメモリカードが発売されていましたね。対応デジタルカメラと組みで使うみたいですが。現像プリント代が掛かるとかいいながら、そういう偽造防止技術にどんどん金が掛かる仕組みですねぇ。まあ家庭のデジタル機器もそうなんですが。

そのメモリーに書き込まれる際に、もう画像を改変されてるかも知れんじゃないか・・と言うのは・・言わない約束なんですね・・。

>通天閣の制御システムに侵入し、自分の知りたい場所の予報に変えます。問題は通天閣のシステムは古くからあるので超アナログなんじゃないかと言うことです。テレビやラジオの天気予報をみてからおじさんがランプのスイッチを切替える、とか。そうなるとおじさんを遠隔操作しないといけなくなります。

物凄くアナログなんじゃないかと・・、アレを”ハイテク(笑)化”したところでそんなに恩恵とかは・・、かえって誤作動とかを気にしないといけない事に・・。

>>キレた店の人に「カニ料理にしてやる!。」と、紹興酒をかけられて・・ああHaniwa蟹の酒蒸に・・。
>そうやって店の中は紹興酒や中華鍋の油や豚まんの湯気などで…。老舗がまたひとつ…(泣)。

蟹の呪いなんでしょうね・・、怖いですなぁ(泣)。

_ Haniwa@m(_ _)m ― 2010年07月07日 08時18分16秒

戴いたコメントのお返事は少しおくれます。お待ちください。
m(_ _)m

_ Haniwa ― 2010年07月07日 18時15分35秒

■ Eddie様
そうですよねぇ、超高感度とかHDRとかどんどん写真がフィルム時代と乖離していきますね。デジタル写真は便利は便利なのですが、従来のフィルムも残して欲しいです。

第三者である写真家が勝手にコダクローム風だと思うのは構わないと思います。それが一人歩きすると怖いですが。コダックは気分悪いと思います。

富士フイルムなんて自社のデジカメに「フィルムシミュレーション」をつけて、「PROVIA/スタンダード」「Velvia/ビビッド」「ASTIA/ソフト」とか名付けています。こっちの方が問題のように思います。メーカー自らが自分でこれがASTIA風なんだと言ってしまっているのですから。ASTIAユーザーとしてはなんか納得できないです。

■ ノーネームしたん様
たぶんこの写真家の方はうまくコダクローム風にする方法を会得したんでしょうねぇ。ニコンの上級のデジタルカメラは素材としての画像として良かったみたいですから。

>>電池のEN-4はまだ現行品のようだ(これ重要)
>危険技で現行品でなくとも・・いや・・何でもないです・・。
あんまりそういう方と通勤電車で乗り合わせたくないですなぁ…。一種の自●テ□です…。

>Haniwa氏「ワーイッ!、ちょうちょうや~っ、う~れし~いな~あ~。」
>~何処までも逃げて逝くアゲハチョウを追いかけてHaniwa氏は鼻を垂らしながら・・泣きながら・・駆けて逝く・・。
山下清画伯ですか(笑)。まあ私の場合絵もカメラも下手なんで、ただの変なオッサンですが(泣)。

>そんなに”み○の 晴郎”氏のミニスカを見たいと・・、Haniwaさん・・もはや”シベ○ア痛禁超特急”で通勤するのです・・。
あう~、ミニスカポリスは女性限定ですぅ。”み○の 晴郎”氏は“マレーの虎”の真似で十分でございますぅ(泣)。

>そのメモリーに書き込まれる際に、もう画像を改変されてるかも知れんじゃないか・・と言うのは・・言わない約束なんですね・・。
たぶんそれを避けるために対応デジタルカメラで書き込まないと認証されないシステムなんだと思います。そうしないと、一旦撮ったデジタル画像を加工してからその偽造防止メモリに書き込んでオリジナルだと主張できることになってしまいますから。ニコンではD90が対応機種だったように思います。

>物凄くアナログなんじゃないかと・・、アレを”ハイテク(笑)化”したところでそんなに恩恵とかは・・、かえって誤作動とかを気にしないといけない事に・・。
専用回線で気象庁からの速報が入って通天閣内のスーパーコンピューターで演算して色を決めてから、おじさんがやおらランプのスイッチを切替えます。

>蟹の呪いなんでしょうね・・、怖いですなぁ(泣)。
そうです、Gタイプになるとカニの爪をつけてもがちゃがちゃ出来ないので呪われるんです。カニ24も発煙します(笑)。

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