Kodak PORTRA 400VC2010年04月12日 00時00分00秒

桜木町駅とみなとみらいをつなぐ動く歩道から:CONTAX G1、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8、F8AE、+0.7EV、Kodak PORTRA 400VC、Kenko L37 SUPER PRO、Nikon SUPER COOLSCAN 5000ED

最近、Kodak PORTRA 400NCよりもPORTRA 400VCの作例の方が多いことにお気づきかと思う。Kodak PORTRA 400VCフィルムのインプレを書いていなかったので簡単に書いてみたい。

400VCの「VC」はVivid Color(鮮やかな色)の意味だそうで、たしかにNatural Color(自然な色)の400NCよりは鮮やかだ。ただ、最近はデジタルプリントでものすごい彩度のものがあるので、それに慣れてしまうとPORTRA 400VCを普通にスキャンしたものやアナログプリントしたものはそう彩度が高いわけではない。彩度が高すぎるのはあまり好みではないので、PORTRA 400VCの鮮やかさは嫌いではない。

PORTRA 400NCの方が粒状性が目立たないように思う。つるんとした感じに写る。400VCの方は粒状性が悪いわけではないが400NCよりは粒状感がある。そしてつるんとした感じはしない。両者が粒状性が同じで色合いだけが違っているのなら良かったのだが。私が使った感じでは、400VCは少し粒状性のよいISO400ネガ、400NCの方は異様に粒状性のよいISO400ネガという感じだ。

PORTRA 400VCのよいところは、蛍光灯などの光源に色が左右されにくいということだ、400NCの方は光源の色温度に忠実ですぐに人物の顔色が悪く写る。ネガだからその辺は調節すればいいのだろうが、無補正でプリントを頼んだりあんまり調整しないでスキャンする際にその差が出る。400VCの方は光源に左右されずいつもいい顔色だ。人物記念写真が多い私としては、人物の顔色が悪いのは困るので、最近PORTRA 400VCの出番が多い。ただ、安売りされているKodak SUPER GOLD 400も光源の色温度に左右されにくいので、人物の顔色だけのために値段の高いPORTRA 400VCを使うのもどうかなぁと思い始めている。

地味だが忠実な色再現で微粒子のPORTRA 400NC、鮮やかで光源に左右されにくい色再現でやや微粒子のPORTRA 400VC、偉大なる「普通」でコストパフォーマンス抜群のSUPER GOLD 400、この3つの選択肢があるのはありがたい。そしてSUPER GOLD 400は、実はDNP CENTURIA 400と中身が同じだったということらしいので、常用ネガカラーをそろそろSUPER GOLD 400にしてもいいかなぁと思っている。微粒子が欲しいときはPORTRA 400NCを使う、と。400VCがもう少し微粒子であったなら400VC常用でもよいのだが。

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桜木町駅とみなとみらいをつなぐ動く歩道から:CONTAX G1、Carl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8、F8AE、+0.7EV、Kodak PORTRA 400VC、Kenko L37 SUPER PRO、Nikon SUPER COOLSCAN 5000ED

ビルの上の方が広がって写っている。Biogonって面白いレンズだなぁ。こういうのを見るとPC Nikkorが欲しくなるのでいけないなぁ(笑)。

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コメント

_ しがない写真屋 ― 2010年04月12日 10時05分37秒

黄色のお店なのに、400VC使ったことが無いことに
気がつきました。
作例見ると、ニュトラルな感じですね。

先日、私がエクター100で撮ったものとは印象が違いますね。

エクター100よりも・・・ ポートラ系の方が好みです。

_ Haniwa ― 2010年04月12日 10時16分58秒

しがない写真屋様
わたしも400VCは食わず嫌いでした(笑)。鮮やかとか言われると敬遠してしまっていました。思ったよりも派手ではないです。というよりも400NCが地味すぎるんでしょうか(笑)。

レンズにも寄るのですが、CONTAX G用のBiogon 21mmと28mmでPORTRA 400VCを使うとそんなに派手にならないです。Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)で400VCを使うとやっぱり派手かなぁと思うことがあります。個人的にはPORTRAというからには粒状性がもう少しよいといいのになぁという感じです。この色合いでつるんつるんに写れば、親戚のおばさん連中が大喜びのはずです(笑)。

エクター100は地味なのか派手なのか一言で言えない難しい感じですよねぇ。100のネガはついリアラエースを使ってしまいます(笑)。リアラもいまでは現像プリントはコダック系に出すのですが。

_ しがない写真屋 ― 2010年04月12日 10時54分38秒

エクター100は当店の現像(黄色の純正仕上げ)+プリント(ロイヤルペーパー)の組み合わせ時ではかなり高彩度のような印象ですよ。

ポートラ400NCのネガは焼いたことあるんですが
落ち着いていていいですよね

新しい100のフィルムが出たんで仕入れました。
「Uxi100」 日本製なんですよね。
中国語表記もあるんで海外向けの製品なんでしょうかね

噂では・・・ 緑のメーカー品とのことです 

あくまでも噂ですよ。

_ Haniwa ― 2010年04月12日 12時32分07秒

しがない写真屋様
エクター100は高彩度の部分もあるのですが(赤色など)他方でなにか地味な部分もあって性格を掴み切れてません。当地のヨドバシでは「エクター現像+プリント」か「富士純正」かという「究極の選択」なので(笑)、何本か撮ってその後使っていないのです。普通にコダック純正プリントで「同時プリントパック」適用してくれればもう少し使ってみたいのですが(同時プリントパックを適用してくれないと2倍近い値段になってしまいます)。そこまでして使いたいフィルムでもないので(ゴメンネ、コダック)冷蔵庫で眠っています…。

Uxi100の情報ありがとうございます。「日本製」となると常識的には緑の会社製ですよねぇ。ほかにフィルム作れる会社ないですからねぇ。海外のフィルムを日本で箱詰めしてたりして(笑)。

Uxi100は中身はFUJICOLOR 100なのでしょうかねぇ。両方買って同じレンズで撮り比べしてみたいですね。
情報ありがとうございました。

_ Weekend Outdoors ― 2010年04月12日 23時39分32秒

Haniwaさん、初めまして。貴殿のblog、ほぼ毎日見させていただいております。痛快な切り口、とても参考になります。

さて、Portra の 400NC と 400VC、小生も Haniwa さんとまったく同じ意見を持っていました。ということで、コメントさせていただいた次第です。

今後ともよろしくお願いします。

_ ノーネームしたん ― 2010年04月12日 23時55分23秒

>たしかにNatural Color(自然な色)の400NCよりは鮮やかだ。ただ、最近はデジタルプリントでものすごい彩度のものがあるので、

400VC位でも良いと思いますが、単純に見た目が鮮やかだと綺麗という人が多いんでしょうかね・・、自分は自然な色とかその前後位が丁度良いと思いますが・・、
作品の意図で高彩度を、と言うのはいいと思いますが・・。

昔桜木町で63系電車が燃えた事故が有ったんだそうで・・、戦時中のトンデモ構造の電車を使い続けるから・・。

ここに書きますが

>ときどきAFがとんでもなく近距離になることがあるので、レンズの繰り出し量か距離表示は気にしないといけない~

何か人間に見えない物をAFセンサーが検出したのです(笑)、AFが当てにならないのならMFで・・と言いたいですが・・、まあ慣れれば・・。

>無事兵役から戻った暁には工場の一員としてと思いきや…「心の病」で(泣)。

大丈夫!、その頃は爆撃で工場が燃えてますから・・、熟練の工員も散逸して・・、また一から・・、インチキなコピー品とかを作って技術大国の基礎を作って逝くのです(泣)。

>激安コンパクトデジカメだと「携帯のカメラとあんまり変わらないやん」とか言われたらなぁと思いまして…。

まあ大して変わらないとか思うかも知れないですが、ケータイ電話カメラで撮影した静止画で別に悪いと言う事も無い人が多くなってるんじゃないかと・・、それならまだコンパクトデジタルカメラの方がマシと考えてくれる方がなんだか良いような・・、構え方が悪すぎて明るい昼でもブレて写ってるとか・・、小さい液晶で見る分には少しボケてる位の認識ですから・・もう・・。

>OEM多すぎですよね。そうしないと消耗戦乗り切れないんでしょうね。いつ終わるんでしょうかこの消耗戦…。

海外メーカーがドンドン攻めてくるので、今の路線だと家電のような事に・・、独自の機能とか存在とかのカメラを作らないと会社無くなるんじゃないですかね・・、消耗戦はそれで終わるとか・・。

>普通のコーティングだと目立たないからでしょうね。赤いとなんか特殊業務で使うような感じがするんですよ。下着が透けて見えそうとか(笑)。

普通にIRフィルターとかを買いたいと思っても何か買い辛い・・とか・・、何にどう使うんだ・・と。

_ Haniwa ― 2010年04月13日 09時21分09秒

■ Weekend Outdoors様
コメントありがとうございます。

400VCがもう少し400NCなみに微粒子だったらよかったのに惜しいなぁと思いました。

CONTAX G1にHologon T* 16mm F8をお使いなのですね。うらやましいです。G用のホロゴンは名玉なのに絶対に買えないような値段ではないのがいいですね。ホロゴン貯金をしてわたしもいつかは手に入れたいです。

こちらこそよろしくお願いします。

■ ノーネームしたん様
400VCぐらいの鮮やかさなら許容範囲内ですね。最近どんどん鮮やかなのが普通になってきているような気がします。作品の意図ならいいですが、普通の記念写真とかぎとぎとなのは困りますよねぇ。

1951年の桜木町事故ですよね。3段式の窓でしかも貫通路が開かず乗客が逃げられなかったんですよね。
Wikipediaには「63系は電気配線の絶縁の質が劣悪な設計(通常、絶縁皮膜と防護鋼管で覆われているべき室外配線を、碍子(がいし)支持の裸電線としていたり、一部の引き通し線を化粧板覆いもなく室内に露出させたりしていた)で、このような電流短絡事故の際に必要な保安機器の一部も省略されていた。そのために、車体に架線の電流が流れた場合に炎上し易い構造であった。」とありますね。むき出しの電線ですか。戦後の物不足時代とはいえ、よく走らせましたよねぇ。

桜木町駅は2004年に廃止になった東急東横線の駅は頭端式でしたが、この当時の国鉄桜木町駅も頭端式だったんですね(桜木町は新橋-横浜間に鉄道が初めて開通したときの「初代横浜駅」が改称したもの)。桜木町から先関内・石川町方面が磯子まで開通したのが1964年だそうで、終点でなくなったのはかなり後なんですね。

>何か人間に見えない物をAFセンサーが検出したのです(笑)
あう、怖いですぅ。一眼レフでは中抜けで遠くに合うことはあっても近距離に誤測距とか無いですからねぇ。CONTAX G1は間に何もないのに1m以内とかなることが希にあります…。

>熟練の工員も散逸して・・、また一から・・
一歩進んで二歩下がる、ですか。なんかどんどん後退して逝くような…。技術がないので絞り環とか距離指標とかどんどん省略されていきそうで…(泣)。

ケータイのカメラで動体を撮るとシャッターの関係から被写体がぐんにゃり写ることがあるので、まだコンパクトデジカメの存在意義はあるとは思いますが、この先どうなるか分かりませんね。動画方面に力を入れだしているのも、スチル写真はケータイに取られても動画で生き残ろうということなんでしょうかねぇ。動画主体ならカメラの形とか今のままでは撮りにくいですよねぇ。

会社が無くなって消耗戦終結ですか…。できれば多くの国内メーカーがあった方が色々な可能性があっていいんですがねぇ。

>普通にIRフィルターとかを買いたいと思っても何か買い辛い・・
そのうち身分証の提示を求められます…。なんか嫌な世の中ですよねぇ。一眼レフを買うと言うだけで「何を撮るんですか」とか聞かれるような世の中になったりして…。あ、でも無水エタノールを薬局で買うときにたまに「何に使うんですか」とか聞かれますね。「消毒用アルコールじゃだめなんですか」とも言われることがありますね。「カメラのレンズを掃除するのに使うから無水エタノールでないと拭き跡が残る」と言うと売ってくれます。そんなに怪しいかなぁ(笑)。

_ Weekend Outdoors ― 2010年04月14日 00時34分14秒

小生のつたないblogをごらんいただきまして、ありがとうございました。

Hologon、小生も清水の舞台を飛び降りるつもりで、手に入れました。
コトある毎に使ってはいるのですが、なかなかなぁ、と言うところです。Gレンズは他のレンズの使用頻度が高いです。家族写真なので、blogに使用するわけにもゆかないので、Hologonを使った絵の登場が多くなっています。

さて、Portra 400NC と 400VC、パッケージには同じように「粒子が細かいよ」と書かれていますね。彩度の違いは、露光に対する寛容性(ラチチュード)が微妙に違う、即ち400VCのほうが微妙に狭いのではないかと推測しています。そのうちスキャナーで色のヒストグラムを見て確かめてみたいな、なんて思っています。

_ Haniwa ― 2010年04月14日 09時11分38秒

Weekend Outdoors様
いえいえ、いいお写真でますますHologonが欲しくなりました。

>家族写真なので、blogに使用するわけにもゆかないので
それはわたしも同じです。家族や親戚の記録という大義名分のもとに機材を増殖させていますし(笑)。それで日付入れて家族写真撮ったままブログ用も撮るのでよく日付が入ったまま撮ってしまうんです。逆に日付無しで家族写真撮って、あれ?いつだっけか、とか。

400NCと400VCは粒子は同じじゃない感じですよねぇ。ラチチュードは気づきませんでしたが、そう言われてみれば400VCの方がアンダーの時に破綻するのが速いようにも思います。400NCが日陰や蛍光灯下でもう少し顔色よく写ってくれればいいんですが。400NCでは久ぶりにスカイライトフィルターでも使いますかねぇ。スカイライトフィルターも今のうちに買っておかないとなくなりそうな感じですし。

_ ウルトラマンレオ ― 2010年04月29日 21時05分59秒

正直、ポートラ400NCは、今まで使用した事がありませんでした。

毎年、秋になると望遠ズームなどの手持ち撮影で紅葉を撮影する場合が多くなるので、このシーズンは、ふだん高い頻度で使用しているエクター100、リアラエース、ベルビア100の3種ではなく、フジカラーPRO400およびフジカラー・スペリア・プレミアム400を主に使用しています。
秋にはプロビア400Ⅹを使用する場合もあります。

秋のネイチャーフォトには、適度な渋さのあるフィルムが僕としてはピッタリで、先に述べたように紅葉を望遠ズームなどの手持ち撮影で撮影する機会が増えるので、感度400の高性能フィルムが必要になりますので、こんな時ポートラNC400はピッタリですね。

ポートラ400NCの粒状性の良さについては、自分としては良い情報です!

でも、バラ売りが無いっていうのはねえ・・・・
ポートラみたいなタイプのフィルムのバラ売りのリストラは、やはりいただけないですね。
ウルトラカラー400のリストラも、今ひとつ不可思議だし・・・

_ Haniwa ― 2010年04月30日 10時17分55秒

ウルトラマンレオ様
ポートラ400NCは、ISO400としては脅威の微粒子です。ただ、色がお気に召すかどうかが問題ですね。光源の色温度にも敏感だと思います。

あと、「ポートラ系は富士系のラボ機で処理すると乾燥不良になる」とヨドバシカメラのDPE担当者が言っていましたので、現像に出すときはコダック系に出すようにきちんと指示を出す必要があるようです。その他のコダックカラーネガについてはそういう制限はないそうです。富士の処理で一部乾燥時間短縮のためになにかやっているんでしょうね。

ポートラ400NCは5本パックなんですよねぇ。初めて使う際にはちょっと敷居が高いですが、騙されたと思って一度使ってみてください。問題は色がお気に召すか、ですが。

ウルトラカラー400は売れなかったんでしょうね。そんなにウルトラじゃなかったですから(笑)。ウルトラカラー400は黄色人種だと日陰で顔色が悪く写るんですよ。このフィルムでガミラス帝国のデスラー総統を思い出しましたよ(笑)。

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