ケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGX ニコン用(追記あり) ― 2009年09月03日 00時00分00秒
ケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGがリニューアルして、レンズのCPUからの情報をちゃんと1.4倍相当に変換してカメラに渡す仕様に変更になった。その名もケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXと最後にXが付いた。
ケンコー、Exif情報変換に対応した「テレプラスDGX」(デジカメWatch)
それで前の型のDGの方はヨドバシカメラで1万9千円余ぐらいだったので、上記のデジカメWatchの記事に「29,400円」とあって「1万円も高くなったのかぁ」と思い込んだ。デジカメWatchは実売価格を書いていることが多いので。それでケンコーのオンラインショップのアウトレットに旧型のDG型が出ていないか見に行った。そうしたら、8月20日発売開始なのにもう新型デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXのアウトレットが出ていた。旧型のアウトレットよりも1000円ぐらい高いだけだ。そこで思わずポチッと…。
朝に注文して銀行振り込みをしたら夕方に出荷メールが来て翌日には届いていた。速い。ちなみにケンコーアウトレットでの価格は税 17,640 円だった。「アウトレット」ということだが、保証書は付いているし箱も傷んでないし製品の外見も特に傷等は見あたらなかった。
ケンコーのテレプラスのニコン用は、Ai連動もするし、AFもボディ内モーターとレンズ内モーターの両方に対応してるし、VRにも対応している優れものなので、以前から気になっていた。PRO300の1.4倍の方なら画質の劣化も少ないという評判だった。
主にAi AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>につけて、112~280mm F4のレンズとして使いたい。
Ai連動の方は、デジタルテレプラスのレンズ装着側にレンズの絞りリングの切り欠きを受けるレバー(露出計連動レバー)があって、ボディに装着する側に露出計連動ガイドがあってそのまま絞りリングの動きを伝えるようになっている。この場合テレプラスのAi連動は1段分ずれた位置になっているのではなく切り欠きはそのまま同位置になっている。またボディ内AFの方はボディ側のAF駆動軸をうけてレンズ側に伝達するようになっている。以上は機械式の連動。残りのAF-SレンズやAF-IレンズのAF伝達やレンズの情報などはレンズ側マウントからCPU接点で情報を受けてそれを内部でテレコン相当の情報に書き換えてボディ側に渡すようになっているのだろう。
このケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGX ニコン用には開放F値連動ガイドはない。
それで、このテレコンにはAi(非S)やAi-Sと改造Aiとの大きな違いである「開放F値連動ガイド」がない。これがないとニコンF-501やF-301でプログラムAEを使うときにカメラ側にレンズの開放F値が伝わらないのでまだ絞りを開けられると思ってさらに高速シャッターを選択表示してしまう。
実際にAi AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>にケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXをつけてF-301やF-501に装着すると絞り開放のF4で1/30秒の値になるところで、絞り優先AEにするとシャッタースピードは1/30秒になる。プログラムAEでも1/30秒になる。ところが高速プログラムAE(P Hi)にするとファインダー内で1段速い1/60秒を表示する。 しかし、このレンズの場合実際にはF4よりも絞りを開けられないから1/60秒で撮影すると1段アンダーになってしまう。それを防ぐためにニコンは瞬間絞り込み測光を採用してミラーが上がって絞りが絞り込まれたときの測光値で補正するので実際には1/30秒でシャッターは走る。問題はないと思われる。このケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXにはAi-Sを示すくぼみ(レンズタイプ識別ノッチ)がないので、F-301やF-501はどんなレンズをつけてもAi(非S)として認識して瞬間絞り込み測光をするのだろう。
F-501やF-301でプログラムAEを使うには絞りを最小絞りにしておく必要がある、その場合AiやAi-Sレンズの場合、開放F値連動ガイドがあるのでボディは絞りの絶対値を知ることができる(開放F値がいくつでそこから何段絞りリングが動いているか分かるから)。それでAiやAi-SレンズではF11よりも絞られていないと警告が出るようになっている。デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXをつけてAi-Sレンズを付けると、開放F値連動ガイドがテレプラスにないため上記の警告がでない。ボディはAi-Sレンズでも改造Aiレンズと認識しているようだ。このあたりは、F-301やF-501の説明書に改造AiレンズでプログラムAEを使うときの説明通りだ。
考えてみれば、Ai連動の接写リングPK-11A、PK-12、PK-13にも開放F値連動ガイドがない。それでどのボディでもちゃんとAi連動して適正露出が得られるようになっている。
ニコンF100に AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>とケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXをつけたときのオートフォーカス(AF)の動作だが、合成焦点距離280mmだと手持ちで夜間室内の明るさではAFの迷いが結構あって合焦速度も遅い。レンズ単体でのF-501並みの感じ(笑)。被写体が近いし手持ちだし暗いしでこんなものか。明るいところでは70-300mm F4-5.6DにつけてもちゃんとAFできているという報告もあるので、屋外なら問題ないのだろう。試写してまた報告してみたい。なお、F100にAF 80-200/2.8DNとテレプラス1.4倍DGX装着で開放F値4とちゃんとカメラに表示される。
ということで、Ai以降(改造Ai含む)のレンズ(但し広角レンズ除く)とフィルム一眼レフカメラ・デジタル一眼レフカメラにほとんどすべての機能が対応しているというケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGX ニコン用は素晴らしい。なお、設計上の基準は300mm F2.8になっているので、50mm未満のレンズは付けてはいけないと注意書きがある。前玉・後玉ともマウントから近いところにレンズがあるので取扱いには注意が必要だ。試写はしばらくお待ちを。
【追記:2009年9月3日17:50】
さっそくキヤノン用についてだがこういう不具合告知が来た。
ケンコー「テレプラスDGX」でキヤノンレンズ2製品が使用不可~EF 24-105mm F4 L IS USMとEF 70-200mm F4 L IS USM(デジカメWatch)
ケンコーは3日、8月20日に発売したテレコンバージョンレンズ「テレプラスDGX」シリーズのキヤノン用において、一部レンズと組み合わせた際にシャッターが切れない現象が発生し、それらのレンズを非対応とした。理由を「F値が異常な値になるため」としている。マニュアルモードでの使用も不可という。
非対応としたレンズは、キヤノンの「EF 70-200mm F4 L IS USM」と「EF 24-105mm F4 L IS USM」の2本。
上記レンズを非対応としたのは、「デジタルテレプラスPRO300 2X DGX キヤノン用」、「デジタルテレプラスPRO300 1.4X DGX キヤノン用」、「1.4Xテレプラス MC4 DGX キヤノン用」の3製品。Exif情報変換の機能をもたない従来のテレプラスでは問題なく使用できる。また、今回の不具合に対応したマイナーチェンジ版のテレプラスDGXも開発予定という。
ま、マジデスカ。非対応にしてしまって「マイナーチェンジ版のテレプラスDGXも開発予定」ということは、初期版のDGX買った人は放置ということですかい。うーん、ニコン用ではこういうROMの問題は少ない方だが結構危険だなぁ。やっぱりCPU(ROM)情報変換ってリスキーかも(コメント参照)。
【追記ここまで】
【さらに追記:2010年10月27日】
上記デジタルテレプラスPRO300 1.4X DGX キヤノン用の不具合について旧製品については交換してくれるそうだ。
弊社「テレプラスDGX」シリーズのキヤノンEOSマウントにおきまして、正確なExif情報が記録されない場合があったため、一時生産を停止させていただいておりました下記の機種につきまして、対応プログラムを開発し、対応製品が完成いたしましたので、再販を開始いたしました。
デジタルテレプラスPRO300 2X DGXキヤノン用
デジタルテレプラスPRO300 1.4X DGXキヤノン用
1.4Xテレプラス MC4 DGXキヤノン用
テレプラス DGX キヤノン用の旧製品をお買い求めいただいたお客様よりご希望がありました場合には、対応製品完成後に対応製品と交換させていただきたく存じます。
デジタルテレプラスPRO300 1.4X DGX キヤノン用(kenko-tokina.co.jp)
しかし、デジカメWatchの記事にあったケンコーのリンク先は全部Not Foundになってますな。ひどい会社だなぁ。新しい告知も日付不明だし。
【さらに追記ここまで】
【関連追記:2009年9月7日】
ケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGX のオートフォーカス ― 2009年09月07日
【関連追記:2009年9月9日】
ケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXのAFをニコンF-501で試す ― 2009年09月09日
【関連追記:2009年9月11日】
ケンコー デジタルテレプラス PRO300 1.4x DGXのAF実写サンプル ― 2009年09月11日
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