クラシックカメラ選書2「写真レンズの基礎と発展」小倉敏布著 ― 2009年06月24日 00時00分00秒
今月号(2009年7月号)のアサヒカメラに「気になるボケを科学する―撮っていいボケ 悪いボケ」という特集があった。しかし、雑誌の記事は体系的に書かれていないので、それだったらこっちの本の方がいいやと思って挙げたのが表題のクラシックカメラ選書2「写真レンズの基礎と発展」小倉敏布著だ。
しかし、版元の朝日ソノラマは2007年に会社を清算してしまったのであった。既存の出版物の諸権利等は朝日新聞社出版本部が引き継ぎ、朝日新聞社出版本部は2008年に朝日新聞出版として分社化した。それで、クラシックカメラ選書は朝日新聞出版から出るのかと思いきや、まったく音沙汰がない。クラシックカメラ選書は「ニッコール千夜一夜物語」なども出していたので朝日新聞出版は継続して出してもらいたい。少なくとも既刊本については重版してもらいたい。出す気がないのなら、権利を握ったままにするのではなく、他の会社から出せるように柔軟に対応してもらいたい。
クラシックカメラ選書2「写真レンズの基礎と発展」の著者の小倉敏布氏は、ミノルタの光学設計者であった人だ。例に挙がっているレンズがミノルタだけでなく、ツァイスやライカやニコンなど画期的なレンズはメーカーに関係なく挙がっている。各収差の説明やその収差が残っているとどのような写り方になるのかがよく説明されていていい本だと思う。こんないい本を絶版にしてはいけない。まさか、こういうちゃんと解説した本があるとアサヒカメラが売れなくなるなんてケチな根性じゃないだろうなぁ(笑)。
クラシックカメラ選書2「写真レンズの基礎と発展」
小倉敏布著
ISBN4-257-12012-6 C0072
朝日ソノラマ 1995年初版
最近のコメント