ペンタックス、電子部品の調達が困難で中判カメラ「67II」「645NII」を生産終了 ― 2009年03月25日 00時00分00秒
デジカメWatchによれば、ペンタックス、中判カメラ「67II」「645NII」を生産終了なのだそうだ。
生産終了の理由は、「電子部品の調達が困難になったため」とのこと。短いので全文引用させていただく。
ペンタックスは24日、中判フィルムカメラの「67II」と「645NII」について、2009年9月をメドに生産を終了すると発表した。
理由を「電子部品の調達が困難になったため」としている。
67IIは1998年11月、645NIIは2001年10月にそれぞれ発売。デジタルカメラが主流となった現在も根強い支持を得ているものの、上記の理由により「やむを得ず生産を終了する」という。
2009年4月以降、生産終了までの生産数量は、67IIが約250台、645NIIが約450台の予定。
これをもってペンタックスの国内ラインナップから、フィルムカメラが消滅したことになる。ただし、今回の発表はフィルムカメラからの完全撤退を表明したものではないという。時期やエリアに応じて、生産および販売の可能性はあるとしている。
645用交換レンズの生産は今後も続ける。
なお24日、ペンタックスは「645 Digital」の開発継続を発表し、2010年における発売予定を告知。フォトイメージングエキスポ2009への参考出品を発表している。
やめたくてやめるわけではないけれども、電子部品の調達が困難で一旦やめるということのようだ。「今回の発表はフィルムカメラからの完全撤退を表明したものではないという。時期やエリアに応じて、生産および販売の可能性はある」というのが救いだが、この経済情勢でなかなか難しいかもしれない。調達困難な電子部品を代替品で設計し直して投入して欲しいものだ。いまの情勢ではそれすらも採算が採れないと判断して一旦生産終了にするのだろう。
似たような話がペンタックスLXやニコンF3の生産終了のときにもあった。これらは1980年発売開始で20年にわたって生産されていたものだったが、惜しかった。まあ、これらの機種が部品の調達を乗り越えたとしていまも新品で売られていたとしても安くはならないだろうから買う人は少ないだろうし、生産終了はそんなに変わらなかっただろう。
そう考えると、これからはやはり機械式のカメラなのだろうか。しかし、機械式といってもユニットで作られているようなものはそのユニットが作られなくなるとやはり修理困難になる。ただ、ユニットで構成するものであっても、機械式のカメラは、生産終了後に修理困難になることはあっても、メーカーが作り続ける意思を持つ限り生産困難にはなりにくいように思う。もう、かつてのニコンFやF2のように電子部品はボディには入れないという設計方針でながく作り続けられるフィルムカメラをつくるしかないのか。そう考えるとフォトミック系の外観は好きになれないのだけれども、ニコンいや日本光学工業の考え方は正しかったのだろう。いまの現行品のなかでは、フォトミックのようにファインダーが交換できるわけではないが、ニコンFM10が一番最後まで残るフィルムカメラなのかもしれない。フィルム撮影に直接関係するところに電子部品を使っていないから。
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