ニコンのデジタル一眼レフのファインダーは、改善するつもりはないらしい2008年08月21日 00時00分00秒

あまりそそる記事が無さそうなアサヒカメラ2008年9月号であったが、ニコンの方のインタビューが載っていたので、仕方なく(笑)買った。

それによれば、どうもニコンはデジタル一眼レフのファインダーは今のままで十分だと思っているらしい。

―倍率を上げるわけにはいかないんですか?

倍率を高くするとアイポイントが近くなり、眼鏡をかけている人が見づらくなってしまいます。ペンタプリズムの大きさ、アイポイント、倍率、視野率を総合的に判断すると、この仕様が最適だと思っています。

―MFでのピント合わせを考えるとファインダースクリーンを交換できるようにしてほしかったです。

スクリーンを交換できるような機構を組み込むのは、大きさやスペースの兼ね合いから見送りました。ファインダーの明るさ、マニュアルフォーカスでのピント合わせのしやすさを両立するように設計したので、バランスはいいと思います。

「対談 ニコンD700開発者に聞く!」アサヒカメラ2008年9月号142ページ(聞き手:写真家・赤城耕一氏)

倍率をこれ以上上げると、眼鏡を掛けた人がファインダー視野全体を見られなくなる可能性が出てくるというのは、もっともらしい言い訳だが、New FM2やFM3Aでは、0.86倍や0.83倍で眼鏡の人も視野がケラレず使えたのだから、納得できるものではない。私が思うに、視度調整機構を組み込んだ上でファインダー倍率を上げるとアイポイントが近くなってしまうのではないか。ニコンの0.8倍以上の倍率を持つカメラはすべて視度調整機構を搭載していない。視度調整レンズがあるのだから、視度調整機構を外して0.85倍のFX機を作って欲しい。

視野率95%しかないのに、ペンタプリズムの大きさ…などを総合的に判断すると…と言われても納得できない。もっともMF機と違って、ペンタ部にいろいろからくりが入っているのだろうが。余計なからくりで、一眼レフカメラ本来のピントをきちんと見極めるという機能がないがしろにされていることを、技術者としてどう考えるのか、問い詰めて欲しかった(笑)。

しかし、赤城耕一氏はいい質問をしていると思う。暗に、現状のファインダーではマニュアルフォーカス(MF)に十分ではないと言っているのだから。ファインダースクリーン上でマニュアルフォーカスするには、倍率ももう少し高い方がいいし、ファインダースクリーンのマット面の特性も明るいレンズには十分でない、と暗にいっているのだと理解した。

【追記】
今日掲載のデジカメWatchの記事では、赤城耕一氏は以下のようにはっきりと言及している。

D700のファインダーはFXフォーマットということで倍率も高く、明るいので、D300とかD80あたりと比べるとはるかにピント合わせはやりやすいが、MF時代からのニコン一眼レフのファインダーをずっと見続けている私としては、ファインダーの倍率やピントのキレに関してはまだ改良の余地があるように感じる。

【特別企画】D700でカールツァイス/フォクトレンダーレンズを試す(デジカメWatch)

【追記ここまで】

スクリーン交換式にできないというのも苦しい言い訳だなぁ。たしかにデジタル一眼レフは、フォーカルプレーンシャッター周辺に色々機構が入っていて余裕がないというのも分かるし、フィルムカメラよりもほかにコストが掛かってそうなのもわかる。しかし、一眼レフカメラっていうのは、どういうカメラなのか、なぜEVFとは異なりわざわざ光学ファインダーにしているのかを原点に立ち返って考えて欲しい。釈迦に説法だと思うが。

その上で、ちょっと気になったのが、以下の発言。

フィルムカメラが好きで使っていただいている方はまだまだ多く、私たちも大切にしたいと考えています。ただ、D700を開発するにあたって、この値段で最高のものをと思って作ってきました。フィルムユーザーの方にもぜひ使っていただきたいカメラに仕上がったと思います。

「対談 ニコンD700開発者に聞く!」アサヒカメラ2008年9月号143ページ(聞き手:写真家・赤城耕一氏)

フィルムカメラで特に望遠系でバシャバシャ連写していたような人は、とっくにデジタル一眼レフを買っているだろう。いまだにフィルムを使い続けている人は、単焦点レンズをマニュアルフォーカスでじっくりと撮る人が多いだろう。だからこそ、赤城耕一氏がファインダーの件で食い下がっているのだ。そこを現状で最適と改善するつもりがなさそうな宣言しておいてよくこんなことが言えるよなぁ。余計なことを言わなければいいのに。現行の明るい単焦点レンズでちゃんとピントが見えれば文句ないんだよ。あとは価格の問題。まあ、あせらず待ちますよ。ニコンは「DXフォーマットで十分」とほんの数年前には言っていたのに今こんな調子だから、皆がファインダーに不満だと言えば変えてくるだろう。ニコン技術者が現状のデジタル一眼レフのファインダーで本当に十分だと思っているはずがない。

【特別企画】D700でカールツァイス/フォクトレンダーレンズを試す(デジカメWatch)2008年08月22日 00時00分00秒

Carl Zeiss Distagon T* 2/28 ZF (C) Carl Zeiss

ニコンユーザーでツァイスZFシリーズユーザーなので、この記事はスルーするわけにはいかない(笑)。
【特別企画】D700でカールツァイス/フォクトレンダーレンズを試す(赤城耕一氏:デジカメWatch)

この記事のいいところは、コシナのツァイス製造現場の写真が掲載されているところである。こういう現場は見られないので貴重だ。「世界のどこで作っても、ZeissはZeiss」というのもいい。Zeissはもともと世界各地で作らせていたし、単なる名義貸しとは異なって生産管理もしっかりしていたようだ。ただ、安価なネットワークカメラや携帯電話やビデオカメラのCarl Zeissはどうなんだ?という疑問も若干あるが(笑)。少なくともコシナの作るCarl Zeiss 一眼レフ用レンズはかなりの水準で作られていることがわかった。

Distagon T* 2/28 ZFは、ヤシカ/京セラ CONTAX用のDistagon T* 28mm F2と光学系図が似ていて、同じなのか似ているだけなのか気になっていたのだが、赤城氏の記事で新設計だと分かった。製造しやすいように設計変更したのだろうか。お蔭で私も買える値段に収まった(笑)。記事で言及されているように、たしかに前後ボケは素直だ。レトロフォーカスタイプの広角レンズ臭さが少ない。ただ、一度だけ絞り開放でややごちゃごちゃしたボケのときがあった(http://haniwa.asablo.jp/blog/2008/02/20/2645089参照)。

記事を読んで、Planar T* 1.4/50 ZF は買わないといけない気持ちになってきた。というかこの中で一番買えそうなレンズなのだが(笑)。

Nikkor 50mm F1.4とはあきらかに異なる描写特性をもっているので、本レンズならではの画像を創ることができよう。

「Nikkor 50mm F1.4とはあきらかに異なる描写特性」。ああ、その言葉、ヤバ過ぎる(笑)。

Planar T* 1.4/85 ZFやMakro-Planar T* 2/50 ZFやMakro-Planar T* 2/100 ZFもお金があったら買いたいなぁ。85mm F1.4は、Ai AF Nikkor 85mm F1.4D(IF)が素晴らしいと思っていていずれ買いたいと思っているのだが、Planar T* 1.4/85 ZFもいいなぁ。でも、85mm F1.4で何を撮るんだ?そこが問題だ(笑)。

なお、今回はZeissZFのほか、コシナから発売されているもうひとつのブランド、「Voigtlander」(フォクトレンダー)の2本のVFマウントレンズ、Ultron 40mm F2 SL II Aspherical(Ai-S)と、Nokton 58mm F1.4 SL II(Ai-S)も試してみた。

 これら2本はCPUが内蔵されており、マウントに電子接点が設けられているので、D700に装着すると、ダイレクトにレンズ情報を伝えることができるから、レンズ情報入力は不要。フォーカシングがMFであるほかは、AFレンズと同等の機能性をもつ。Ai連動ピンが採用されていないD60などに装着した場合も、メーターを使うことができるのがいいのだ。ZeissZFにも、ぜひCPUを内蔵してほしいものである。

これは微妙な問題である。たしかに快適に使えるボディが増えるのはいいのだが、本来これはボディ側で対処すべき問題だと思う。下級機でCPUが内蔵されていないレンズで露出計が働かないのは、わざわざニコンがそういう「トラップ」を仕込んでいるのであり、それは不当だと思っているので、天下のツァイスがそれに従う必要はない(笑)、と思うのだ。だって、NikkorやZeiss ZFレンズをマウントアダプターでキヤノンのボディに付けても露出計が働くのに、なんでニコンボディにニッコールレンズを付けて露出計が働かないのだ。下級機ではフールプルーフのためにデフォルトでは非CPUレンズトラップが有効になっていても、せめてメニューから設定を変更できるぐらいの度量が欲しい。別に私が既に買ったZFレンズがCPUを内蔵していないからCPU搭載に反対しているわけじゃないんだからねっ(笑)。

一方、記事で言及されているのは、下級機の非CPUレンズで露出計が働かない話ではなく、非CPUレンズで露出計が働いてさらにレンズ情報があるとマルチパターン測光が可能という上級機の場合の話だ。レンズ情報を入れるのが面倒というのはあるかもしれないが、ボディ側で対処できることはなるべくボディ側でやって欲しいのだ。ボディ側で対処してくれるとCPU内蔵が期待できない古いレンズもマルチパターン測光が可能になるのだから。

『写真工業』2008年9月号がおもしろい2008年08月25日 00時00分00秒

写真工業2008年9月号表紙

今月の『写真工業』誌(2008年9月号)を買った。いくつか興味深い記事があったからだ。『写真工業』は、最近ではクラシックカメラ方面に力が入っていて、興味あるクラカメのときはいいのだが全然興味無いと買う気がしないのであった。しかし、今月号は現代的な問題で気になる記事がいくつかあった。

  • 変わる写真の常識/実践編 デジタルの撮影感度と解像度
  • そこが知りたい! レンズ周辺光量低下が補正される「ニコンD700」
  • そこが知りたい! 歪曲収差が補正される「リコーGX200」
  • この時期新規購入の皆さんへ テヒニカの使い方教えます
  • テストレポート/テクニカルテストレポート シグマ50mm F1.4EX DG HSM
  • 便利な小物:QPカード

「変わる写真の常識/実践編 デジタルの撮影感度と解像度」は、デジタルカメラの露出値を露出計代わりにしてフィルムカメラに移すと、そのままでは上手く写らないという話。フィルムとデジタルカメラの分光感度が違うことからくるものらしい。作例もあって詳しい。但し技術的な説明が少ないのがちょっと残念。

「そこが知りたい! レンズ周辺光量低下が補正される『ニコンD700』」は、35mmフルサイズのデジタル一眼レフがより手の届く価格になったとかニコンD3とどう違うのかといった記事が多い中、D700は周辺光量低下をどのように補正しているかという記事。ニコンの技術者の方が答えている。デジタル以前の設計のレンズもデジタルカメラで使いたいと考えている私には興味深い記事だ。と思ったら、D3やD700の周辺光量低下補正「ヴィネットコントロール」はDタイプとGタイプのレンズでしか機能しないそうだ。距離情報が必要なのだろう。残念。

「そこが知りたい! 歪曲収差が補正される『リコーGX200』」は、ズームレンズ搭載で、GR DIGITALに比べれば歪曲収差があるGXシリーズで画像処理の歪曲収差補正の話。画像処理での歪曲収差補正は、周知されていないだけでかなりのコンパクトデジタルカメラで導入されているらしい。公言していてかつON/OFFできるのは、リコーとニコンぐらいだそうだ。ON/OFFできるというのがミソだと思う。前にも書いたが、レンズの設計上で光学的に歪曲収差をできるだけなくすようにするのが本筋で、これはあくまでも補助的な手段にして欲しい。

「この時期新規購入の皆さんへ テヒニカの使い方教えます」は、できれば一冊の単行本にしてほしいぐらいだ。「このぐらいのカメラを使う人はそんなアンチョコをみないで使えるのが当たり前」といった建前は捨てて説明してくれているのがありがたい。どんな人でも使えるような解説書を用意しないとじり貧になって廃れてしまうかもしれない。大幅加筆で単行本化に期待。マスターテヒニカ、一回使ってみたいんだよねぇ。何を撮るかが問題(笑)。撮るもの決まってから機材の欲望を出せよ>自分(笑)。

「テストレポート/テクニカルテストレポート シグマ50mm F1.4EX DG HSM」は、開放からも安心して使える50mm F1.4レンズのレポート。これで絞りリングがあればなぁ。

「QPカード」は、カラーテストチャートなのだが、QP colorsoft 501というフリーソフトと併せて使うと、自動で「色相の歪み」を補正してくれるのだという。ホワイトバランス補正や単純な色補正よりも色相全体のバランスを補正してくれるという。デジタルカメラだけではなく、フィルムをつかうときもQPカードで1枚撮っておいてフィルムスキャン後にQP colorsoft 501で補正してみたらどうなるのか興味が出てきた。そんなに高いカードではないので、買ってみて試してみたい。しかし、そんな補正をしてみたら、せっかくフィルムごとに特徴ある色相を持っているのに、どのフィルムで撮ってもどのレンズで撮っても変わらない無味乾燥な画像ができそうで不安なのだが(笑)。何のために色々レンズを持っているのか、何のためにフィルムを変えて楽しんでいるのか、意味が失われる危険性が(笑)。

ニコンマウント28mm単焦点(どっちのレンズショー:月刊カメラマン2008年9月号)2008年08月26日 00時00分00秒

Nikon F3 + MD-4 + Ai Nikkor 28mm F2.8S + L37c + HN-2

MANA様に今月号(2008年9月)の月刊カメラマンに、ニコンFマウント28mmレンズの対決が載っていると教えて戴いて、月刊カメラマン誌を買ってみた。MANA様情報ありがとうございました。

比較されているレンズは、以下の4本(ニコンFマウント)。ボディはニコンD700。撮影:解説は諏訪光二氏。

  • Ai AF Nikkor 28mm F2.8D
  • Ai Nikkor 28mm F2.8S
  • SIGMA 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO
  • Carl Zeiss Distagon T* 2/28 ZF

逆光ポートレートでは、Distagon T* 2/28 ZFが色再現と階調再現で勝っていて、以下Ai Nikkor 28mm F2.8S、SIGMA 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACROの順で、Ai AF Nikkor 28mm F2.8Dはシアンがかって柔らかく眠い階調再現なのだそうだ。

中距離での風景では、F2.8での解像力がSIGMA 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACROが一番で、ほぼ差がなくAi Nikkor 28mm F2.8Sで 3番目にCarl Zeiss Distagon T* 2/28 ZF。Ai AF Nikkor 28mm F2.8Dはかなり甘いらしい。周辺光量低下は、SIGMA 28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACROが一番少なく、次いでAi AF Nikkor 28mm F2.8D。Ai Nikkor 28mm F2.8Sは中央からなだらかに光量が低下、Carl Zeiss Distagon T* 2/28 ZFは周辺部で急激に周辺光量が低下するんだそうだ。

あとは、APS-C機での人物撮影と最短撮影距離の比較がある。以下はカメラマン誌をご覧ください(笑)。

この記事で不満なのは、作例が小さ過ぎて、作例からは自分で比較して確認することがほとんど不可能なこと。名刺大の作例しかない。周辺光量の比較以外は作例では違いが明確ではなく、根拠の不明な諏訪氏の記述を頼りにするしかないのが残念。主観的なものか客観的なものか読み手は検証のしようがない。

あと些細なことだが、表記で「Ai-D」というのも気になった。「AF-D」の方がわかりやすくないだろうか。あと明らかな誤植もあった。103ページの最短撮影距離のところで、一番寄れるのがシグマという記述のあとに、「次いでAi-S、カールツァイス、Ai-Sの順。」とあってAi-Sが重複している。というか、そういうのは撮らなくてもスペックをみれば分かることなので、こういうので字数を費やすのはなんか不満(笑)。

月刊カメラマンは初めて買ったのだが、読んでいてなんか違和感があった。漠然とした違和感だったのだが、後でよく考えて気づいた。それは、載っている写真はきれいで上手なのだが、それ以上でも以下でもないということ。何か深く考えさせられたり、琴線に触れるような写真はない。読み手によって解釈が分かれるような多義性もない。社会性もない。きれいなおねえさんときれいな景色や花だけなのだ。このあたりがアサヒカメラや日本カメラとの大きな違いなのだろう。佐々木希ちゃんはきれいで不満はないのだが(笑)。じゃ、お前の写真は社会性があるのかと言われると返事できないのだが(笑)。批判するのは簡単、実践するのは難しい。それを承知であえて書いてみた。だからといって、アサヒカメラや日本カメラが上で月刊カメラマンが下などというつもりはない。こういう雑誌があってもいいと思う。しかし、わたしは物足りなさを感じた。おねえさんはきれいで満足なのだが(←しつこい)。

デジタル一眼レフの視野率(追記あり)2008年08月27日 00時00分00秒

キタイワトビペンギン:Nikon F100、Ai AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>、プログラムAE、スポット測光、Kenko L37 Super PRO、富士フイルム Sensia III(RA3)、Nikon SUPER COLLSCAN 5000ED

写真家・田中希美男氏のブログと、写真家・那和秀峻氏のサイトで、D700の視野率が100%なかったことをきっかけに、デジタル一眼レフの視野率の話が熱く展開されている。
D700の視野率95% ―― その1
D700の視野率95% ―― その2
D700の視野率95% ―― その3
D700の視野率95% ―― その4
D700の視野率95% ―― その5
徒然なるままに2008年8月21日(木)と2008年8月25日(月)の項

田中希美男氏は、D700の視野率95%を非常に残念に思っていて、かつ、やれば100%にできたはずだとニコンを叱咤激励している。

ニコン一眼レフのフランジバックは46.5mmなのに対して、キヤノンのそれはもっとも短い44.0mmである。つまりフランジバックだけを見てみれば、カメラボディ内のメカの配置についてはキヤノンよりニコンのほうが“余裕”があるはず。にもかかわらず、1Ds Mark IIIのゴミ取り(セルフクリーニングセンサーユニット)は撮像センサーの前にある赤外吸収ガラスを高周波振動させる方式にしている。D700はローパスフィルター、1Ds Mark IIIは赤外吸収ガラスの違いはあるにしても、基本的構造も必要となるスペースもそれほど違わないはずだ。
 でも、1Ds Mark IIIは視野率100%だ。セルフクリーニングセンサーの機構も搭載している。

 なぜキヤノンにできてニコンにできないのか、そのへんの事情はぼくにはよくわからない。マウント径の大きさのおかげか(キヤノンのほうがだいぶ大きい)バックフォーカスのせいか、あるいは1Ds Mark IIIには水晶タイプの厚いローパスフィルターではなく極薄のニオブ酸リチュウムのそれを使っているからかもしれないが、ま、それはともかくとして、実際に1Ds Mark IIIでは視野率100%でゴミ取り機構も内蔵しているのだ。キヤノンはエラいではないか。D3は視野率100%だけどゴミ取り機構がない。ゴミ取り機構のあるD700は視野率95%だ。ニコンにはもっとがんばって欲しい…。
D700の視野率95% ―― その3

1Ds Mark IIIは、ゴミ取り機構を内蔵ながら視野率100%であるだけでなく、ファインダー倍率とアイポイント長にも注目したい。視野率100%のD3(こちらはゴミ取り機構なし)のファインダー倍率は「0.7倍」、アイポイント長は「18mm」である。視野率95%のD700のファインダー倍率は「0.72倍」、アイポイント長は「18mm」だ。

対して1Ds Mark IIIはといえば、ファインダー倍率は「0.76倍」、アイポイント長は「20mm」である。くどいようだが1Ds Mark IIIは視野率100%。ファインダー倍率やアイポイント長は数値的にはわずかの違いだけど、文句なしにファインダーは1Ds Mark IIIのほうが“見やすい”。というわけで、ニコンはファインダーまわりのあれこれを、もう少し向上させるべきだし、その努力を惜しまないで欲しいというのが、えんえんとD700視野率95%のハナシをして言いたかったことのもうひとつのこと。
D700の視野率95% ―― その4

アサヒカメラでニコンの人が赤城耕一氏に「アイポイントの関係でファインダー倍率が上げられない」と答えていたのも苦しい言い訳というのがよく分かった(笑)。ただ、倍率が高くなってもファインダーの歪曲が大きくなると使いにくいので、そのあたりニコンとキヤノンとで考え方の違いがあるのかもしれない。ファインダースクリーンの性質についてもそうだ。

話を視野率の方に戻すと、私は前にも書いたが、視野率100%の方がよいに決まっているが、必ずしも100%でなくても92~3%ぐらいでもいいから、ファインダー倍率が高くて、大口径単焦点レンズでピントの山の見えやすいファインダースクリーンを優先して欲しいと思う。ただ、私はフィルムカメラとコンパクトデジタルカメラしか使っていないからそう思うのかもしれない。フィルムはネガの場合プリントすると撮影フォーマットの縦横比と用紙の縦横比が異なるのとネガキャリアの関係から、撮影した画像のすべてをプリントすることは少ない(そういう指定をすればできなくはない)。またリバーサルフィルムも、マウントすれば周囲が隠れるし、スリーブのままでもニコンのフィルムスキャナでは少し周辺がスキャンできない(改造で最周辺部までスキャンは可能だが)。それで、92,3%ぐらいあればなんとかなるのであった(いい加減)。GR DIGITALでは、背部の液晶モニターで100%なので問題ないし、外部ファインダーだと視野率がどうのという以前に撮影範囲がアバウトである。それで視野率100%のF3と視野率92%のF-501、F-301と視野率96%のF100とを混ぜて使ってもあんまり困っていないのであった。もちろん視野率を意識して撮ることはある。F3にネガカラーフィルムを入れているときは周囲に余裕を持たせるとか。

他方、那和秀峻氏は以下のように仰る。

一眼レフの視野率は約100%がたしかに理想である。だが、視野率約100%はノートリング前提、自動プリンタを使わないことが前提、そしてファインダー接眼部を正しい角度で覗くことが前提だ。さらに言えば、カメラが大型化したり、価格が高くなることも了解ずみでなければならない。小型のボディーで、しかも低価格な視野率約100%の一眼レフを要求するのは現時点では無理である。一例だがペンタプリズムは大型化するし、ファインダー光学系(ミラー、スクリーン、ペンタプリズム)とイメージセンサーをぴったり合わせ込むにはコストがかかるからだ。どうしても視野率約100%で、35ミリ判フルサイズで、ある程度小型なボディーで、しかも価格は30万円以下というなら、フィルム一眼レフを使ったほうがいいだろう。イメージセンサーはまだまだ高価で、ましてフルサイズのセンサーのコストはデジタル一眼レフの全体のコストの大きな割合を占めている。だから、ニコンがD700をあの価格で出したのは企画開発がずいぶん苦労したと思うし、D300ベースで作るというアイディアが良かった。視野率約95%が嫌ならD3を買えばいいのであって、第一に視野率は最優先事項ではない。デジタル一眼レフにはほかに優先させるべき項目がたくさんあり、ニコンD700は多くの項目で高い評価を得ているのだ。私なら、D3を2台にするか、あるいはD700を2台にするか、あるいはD3と望遠効果を得るためにD300を併用するか、この中から好きに選べばいいと思う。D3とD700を併用することは避けたほうがいいし、それならむしろD700とD300を併用したほうがましである。いずれにしても、一眼レフファインダーは視野率よりもファインダーの明るさとか、マニュアルフォーカスのやりやすさ(AFでもピントの確認のしやすさ)、表示のわかりやすさのほうが重要であると思う。「視野率至上主義者」には液晶モニタのライブビューでいつも撮影するか、大きさ・重さや価格に文句を言わずにハイエンド機を買うことをおすすめする。

徒然なるままに2008年8月25日(月)の項

わたしも那和氏の意見に賛成である。視野率が100%の方がいいに決まっているが、それよりも前にファインダーでちゃんとピントが見えるようにして欲しい。小型で廉価でファインダーでピントの見えるニコンEMのようなFX機が出たら、もうニコンの天下だ(笑)。もちろん、非CPUレンズで露出計は動くようにしておいてね、ボディ内モーターも省略しないでね(はぁと)。

【追記その2:2008年8月29日】
写真家・阿部秀之氏が田中希美男氏に反論しているようだ。
ニコンD700のファインダー視野率

ニコンD700のファインダー視野率が100%でなかったと、毎日ぼやいているブログがある。D700の視野率が100%でないのは、「D700クラスのユーザーは視野率100%にはそれほど気にしないだろう」とニコンが高を括ったから」でも、「ニコンの優秀な企画担当者のじょうずの手から水が漏れた」わけでも、決してない(笑)

以下(8/28追記分)の田中希美男氏のブログは、この阿部秀之氏の反論掲載後に書かれたものと思われる。
しかし、「降りかかる火の粉は払わねばならぬ。」って、いつから阿部氏はニコンの中の人になったんだ?(笑)

阿部氏の反論は、営業上の理由からなので、わたしはあまり賛成できない。ただ、営業上の理由で視野率100%にしなかった可能性があること自体はそうだと思う。

それにしても、これほどまでに視野率100%にこだわって、95%はダメだというなら、世の中にある一眼レフのほとんどがダメなカメラだと言うことになる。使えるカメラなんて数えるほどしかないだろう。

というあたりは、阿部氏の仰るとおりだと思う。ただ、ファインダーのピントの見えについて阿部氏がきちんと言及していないあたり、赤城耕一氏や那和秀峻氏の方が正直だと思う。阿部氏はなんかメーカー寄りな感じがする。
【追記その2ここまで】

【追記:2008年8月28日】
田中希美男氏のブログに視野率100%の補足と蛇足が掲載された。

老婆心でありますが、「視野率なんぞ適当でイイんだ」、なんてことだけは、大きな声で言わないほうがよろしいですぞ。自分がいかにいい加減にフレーミングして、ぞんざいな構図で写真を撮っているかを公言しているようなもんです。

おお、辛口キター!(笑) でも実際に視野率100%のカメラってそんなにないよねぇ。視野率は適当でいいとは思わないけれども、100%でないカメラも使い込むと見えない周囲があとどれぐらい入るのか、どこまでがL判のプリントに入るのか、自分の使うマウントだとどの辺までなのか分かるようになる。見えない周囲はカメラを振って確認する。そういうことを視野率100%でないカメラを使うときにしてるんじゃないのかなぁ、少なくともプロの人は。田中希美男氏はいつも突っ込まれるのを分かって極論や論理矛盾することをわざと書いているようだから、反応したら思う壺なんだけど(笑)。
【追記ここまで】


写真は記事とは関係ない。
キタイワトビペンギン(※京急油壺マリンパーク):Nikon F100、Ai AF Zoom-Nikkor ED 80-200mm F2.8D <NEW>、プログラムAE、スポット測光、Kenko L37 Super PRO、富士センシアIII(RA3)、Nikon SUPER COLLSCAN 5000ED ※は2020年11月17日追記

視野率96%のF100だ。私がいい加減なのか、100%でなくてもあんまり気にならない。スポット測光でプログラムAEなのは、逆光シーンでスポット測光でマニュアル撮影したあとに戻すのを忘れたからだ。本人はマルチパターン測光で撮っているつもりだった(笑)。ペンギンの顔がはっきりしなくて残念。

ニコン、動画が撮れるデジタル一眼レフ「D90」(デジカメWarch)2008年08月28日 00時00分00秒

今日は更新が遅くなってすまん。昨日ニコンがD90を発表した。
デジタル一眼レフカメラ「ニコンD90」の発売について(ニコン)
ニコンD90製品情報(ニコンイメージング)

交換レンズ
・非CPUレンズ:撮影モードMで使用可能(ただし、露出計は使用不可)、開放F値がF5.6より明るい場合フォーカスエイドを使用可能
ニコンD90主な仕様

なあんだ。じゃ、そういうことで、また明日(笑)。

というのは冗談で、非CPUレンズで露出計が働かない仕様はいただけないが、注目は動画撮影機能だろう。

720pのHD記録に対応

最大の特徴となる動画記録は、Motion JPEG、AVI形式でのHD記録に対応。ニコンでは「Dムービー」と称する。記録できるのは1,280×720ピクセル(16:9)、640×424ピクセル(3:2)、320×216ピクセル(3:2)の3種類で、いずれもフレームレートは24fps。

Dムービーはライブビューを応用した機能で、ミラーアップしたまま動画を記録。動画の色味やコントラストは、静止画でのピクチャーコントロールと同様になるという。モノクロでの動画撮影も可能だ。

記録時間は、HD記録720pの1,280×720ピクセルのみ約5分。そのほかは約20分の記録となる。フォーカスはマニュアルのみ。音声はモノラル。本体にマイクとスピーカーを備えており、本体内での再生も可能。

多彩な交換レンズを装着しての動画記録が特徴で、開放F値の明るいレンズなら、民生用のビデオカメラでは不可能な、ボケを活かした記録が可能になる。魚眼レンズ、シフトレンズ、超望遠レンズなどでの撮影も可能。動画記録中は、レンズ内式の手ブレ補正機構「VR」も作動する。
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/08/27/9083.html

GR DIGITALに動画撮影機能があるが、そんなもの不要という声が結構あった。私はたまにGRDIGITALの動画を使っていたので、別にあってもいいじゃないかという立場。何を撮るかというと、動いているものを撮る(笑)。街を歩いていると面白いものを発見することがあって、それが動きが面白いものの時に使う。あとは、イベントなど。GRDの動画は画質があんまりよくないので、あくまでもこういうのがあったよ、ぐらいのものだ。

しかし、カメラの動画撮影機能も、それがきれいに撮れるのなら、世間のお父さんお母さんは一眼レフとビデオの両方を持たなくて済んでいいのではないか。

ただ、HD記録720pの1,280×720ピクセルでは約5分、そのほかでも約20分の記録時間というのが残念。メモリカードや電池の残量ある限り撮影し続けられるようにならないと。私のCoolpix2500にも動画撮影機能があるのだが、これは音声が入らずしかも最長15秒というものだった。音が入らないのは諦めるとしても15秒というのは、「おっ、なんか面白そうだ。動画で撮らなくちゃ」と思って撮り始めていままさに面白いというところ、あるいは面白いことが始まる前に撮影が終わってしまう生殺し機能だった(笑)。GR DIGITALで時間制限無しに音声ありで動画が撮れるようになって感激したものだ(笑)。撮影時間の制限は今後の発展に期待したい。みんなで動画撮影機能をべた褒めすれば、すぐに改善されるだろう(笑)。

このD90の動画撮影機能が、コンパクトデジタルカメラと違うところは、レンズが交換できるという点だろう。普通は高倍率ズームを使うのだろうが、明るい単焦点レンズでボケを活かしたり色々工夫できる余地があるのがいい。

ということで、DXフォーマットで広角単焦点レンズに困るし、ファインダーでピントの山もつかみにくそうだし、非CPUレンズで露出計が働かないから、D90を買う気はないが、動画機能は今後に期待したい。FXフォーマットのファインダーのよいカメラに動画機能を搭載してくれてもいいよ(笑)。今回は「こんな動画機能付けるぐらいなら非CPUレンズで露出計働くようにしてAi連動しろよ」とは言わないことにする(笑)。

DNP撮りっきり(レンズ付きフィルム)がいつの間にか値上げ(追記あり)2008年08月29日 00時00分00秒

DNP CENTURIA 撮りっきり800 39枚撮り:GR DIGITAL、テレコンGT-1使用40mm相当

MANA様に今日の記事の予測をして戴いたのだが、予想に反してかねてから用意していたネタを(笑)。

DNPが発売しているレンズ付きフィルム「撮りっきり」シリーズを久々に買ったのだが、パッケージのデザインが変わっていて、値段もかなり上がっていた。

たしか、「CENTURIA 撮りっきり27枚撮り」(以前は名前が「Torikkiri Do Shot」だった)は税込315円だったように記憶している。それが、いつの間にか税込450円に。「CENTURIA 撮りっきり39枚撮り」は税込550円になっている(ヨドバシカメラの場合)。定価がもともとオープン価格なので、消費者向けに値上げの告知はなかったように思う。

富士の「写ルンです シンプルエース Flash 27枚撮り 2P」が税込980円なので、1個あたりの価格は富士とDNPとであまり差がなくなった。DNPのいいところは非常に廉価という点だったのに。この価格差ならば富士の方を買ってしまう。なぜなら、DNPの撮りっきりはストラップを通す穴がないからだ。フラッシュがスイッチをOFFにしてもチャージした電気が残っていると発光してしまう問題は解決したか未確認。今度試してみて追記する。【追記:2008年9月2日】やはり一旦フラッシュのチャージをすると、チャージボタンをOFFにしても発光してしまう。仕様は全然変わっていない。OFFにした場合パイロットランプも消えてしまうのだが、内部のコンデンサには電気が溜まっていて、それがシャッターレリーズ時に内蔵フラッシュに流れるので発光してしまう。放電するまで待たないといけないが、どれぐらいで放電するのか、放電したのか確認する方法はない。欠陥だと思う。【追記ここまで】レンズ付きフィルムではなくて、135フィルム単体は相変わらず富士に比べて「非常に廉価」なのだが。

写真は上記で比較したISO400のものではなく、ISO800の「CENTURIA 撮りっきり800 39枚撮り」(税込650円)の方。レンズ付きフィルム本体の仕様は変わっていないようで、パッケージと本体に貼ってあるシールのデザインが変わった。

【関連】
DNP Torikkiri Do Shot はコストダウンし過ぎ ― 2008年03月06日
富士フイルム「写ルンです」サイトリニューアル ― 2007年10月17日

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