議論無しに先行するPlaceEngineに恐ろしさを感じる2007年11月13日 00時00分00秒

さつまいも4:GR DIGITAL、28mm相当、1/68sec、F3.5、ISO64、-0.3EV、プログラムAE

デジカメWATCHのサイバーショト DSC-G1の測位機能を試すをみて、ああ、ついにデジタルカメラにまでPlaceEngineが搭載されてきたか、と前から漠然と抱いていた不安感がさらに大きくなった。

ソニーのPlaceEngineというサービスというか技術は、私の理解だと、無線LANのアクセスポイントのMACアドレスを収集してそれを位置情報と結びつけて管理し、受信したMACアドレス情報から現在地を割り出すものである。MACアドレスはネットワーク機器のハードウェアに原則として世界中で唯一の固有番号が割り当てられている。

それで、全国に無数ある無線LANアクセスポイント(いわゆる親機)のMACアドレスをどうやって収集しているかというと、最初はソニーの人が全国というか全世界を回ってせっせと集めたのだろうが、以後は、PlaceEngineを使って自分の位置を調べる際に受信した無線LANアクセスポイントのMACアドレスを、PlaceEngineのサーバーに送ってどんどん登録していっているようなのである。PlaceEngineを使う人が増えれば増えるほど情報が蓄積されて正確になるという。DSC-G1の場合はカメラ内に情報を蓄積するのでPlaceEngineサーバーに情報は送らないようだ。

GPSが使えないような場所で位置がわかるというのは素晴らしい技術だとは思うが、勝手にMACアドレスと所在地とを結びつけて登録されてしまうところになにか怖さを感じる。わたしなどは24時間無線LANのアクセスポイントを付けっぱなしにしているので(皆さんもそうされていると思う)、PlaceEngineを使っていなくても登録されるというところがなんか嫌というか不安である。

独立行政法人産業技術総合研究所の高木浩光氏がこの問題を分析してくれている。
PlaceEngineのプライバシー懸念を考える(高木浩光@自宅の日記)
ユビキタス社会の歩き方(2) ストーカーから逃れて転居したら無線LANを買い換える(高木浩光@自宅の日記)
デイリーポータルZ 記者の家を探しに行く(高木浩光@自宅の日記)
自分の無線LANがPlaceEngineに登録されていないか確認する方法(高木浩光@自宅の日記)
無線LANのステルス機能ではPlaceEngineに登録されるのを阻止できない(高木浩光@自宅の日記)
ユビキタス社会の歩き方(4) 他人から貰う無線LAN機器に警戒する
ユビキタス社会の歩き方(5) [重要] 自宅を特定されないようノートPCの無線LAN設定を変更する(高木浩光@自宅の日記)
位置特定につながるSSIDの割合は約17% (東海道新幹線沿線2007年8月調べ)(高木浩光@自宅の日記)
PlaceEngineの落とし所について考えてみる(高木浩光@自宅の日記)
AOSSの普及が進むとSSIDで検索されてしまう?(高木浩光@自宅の日記)
【追記:2007年11月20日】
続・ユビキタス社会の歩き方(5) Windows以外の無線LAN機器の場合(高木浩光@自宅の日記)
【追記ここまで】

読むのが大変かもしれないが、問題点が客観的に整理されている。こういう勝手に自分の無線LANアクセスポイントのMACアドレスを登録されて所在地と結合させて記録されているということを周知しないでやっているというところにもなんか嫌な感じがする。もちろん、PlaceEngineの利用者には規約で周知しているのだが、それとは無関係な無線LANアクセスポイント設置者は知らないところでこのようなことが行われていることになる。PlaceEngineを使うことと引き換えに自分の情報を登録するというのなら分かるし、使わないけど別に構わないよという人の情報を使うのもいいと思うのだが、了解取らずに情報が知らないうちに蓄積されていくところになんか不安がある。個人的には、PlaceEngineの落とし所について考えてみる(高木浩光@自宅の日記)の(a)と(b)の併用あたりにして欲しい。

ちなみに「嫌な感じ」「不安」といった主観的な言葉を私が使っているのは、PlaceEngineがプライバシーの侵害にあたるのか自分ではまだよく分からないからである。明確に法的には整理できていないのだが、なにか避けた方がよさそうだという動物的な勘がPlaceEngineに対して働いているのだ(笑)。

いまは自宅ではノートPC用に無線LANを常時付けっぱなしにしている。Zaurus用の無線LANアクセスポイントも別に持っているのだが、これは使うときだけ電波を出している。というかザウルスでは滅多に自宅で無線LANは使わない。電池の減りが早いからだ。

それで、ちょうど自宅を改装する機会があったので、家庭内LANは全部有線LANにすることにした。前からもう無線LANはやめにしようかと思いはじめていたところにPlaceEngineが出てきたので、踏ん切りがついた。前から無線LANをやめようと思い始めていた理由は、IEEE 802.11b/gが結構混雑してきていて、2.4GHz帯は混信であまりスピードが出ないからだ。無線LANが普及してきて自宅付近では2.4GHzのほとんどのチャンネルに電波が出ている。それで5GHzのIEEE 802.11aの方を使っていた。こっちはまだ他に使っている人はいないようだ(他の人の電波が自宅に届いていないだけかもしれない)。しかし、最近パワーの強い無線LANアクセスポイント(親機)や3つのチャンネルを同時に使うような機器が発売されてきて、それでなくても混雑しているIEEE 802.11b/gはもう駄目だろうと思っている。そしてIEEE 802.11aも積極的に使う製品が出てきているので、IEEE 802.11aが混雑でスピードが出なくなるのも時間の問題だと思う。

そこへきてPlaceEngineである。私にとってもう自宅での無線LANは終わったと思う。これからは有線LANの時代だと思う(笑)。


写真は記事とは関係ない。
さつまいも4:GR DIGITAL、28mm相当、1/68sec、F3.5、ISO64、-0.3EV、プログラムAE
ぱにー様の呪詛にもめげず(笑)、ここまで成長した。プランターに植えたので、芋はあまり大きくならなかった。とりあえず観葉植物的に扱ってみた(笑)。

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