Nikon BR-2Aリング・BR-3リング2007年06月29日 00時00分00秒

Nikon BR-2A (right) and BR-3 (left)

デジカメWATCHのデジカメアイテム丼でニコンの接写用リバースリング、BR-2Aリングとリバース時にフィルター装着を可能にするBR-3リングが紹介されていたので、それを取り上げることにする。
ニコン「BR-2A/3リング」~マクロレンズよりも大きく写せるアクセサリー(デジカメWATCH)

BR-2Aリングは、ニコンFマウントのオス側(レンズ側)マウントが片側についていて、反対側には52mmのフィルター溝のオスが付いている。そのことによって、52mm径のフィルターサイズを持つレンズのフィルター枠にBR-2Aをねじ込むと、対物側のレンズ(いわゆる前玉)の前にニコンFマウントのオスが付いた状態になる。それで、前玉をボディ側に向けて逆向きにレンズを装着できるというわけだ。レンズを逆向きにつけると、大きな被写体を小さなフィルム(撮像素子)に写し込むように作られたレンズが、反対に小さな被写体を大きくフィルム(撮像素子)に写し込むことができる。だから広角レンズほど逆向きに付けるとより大きく写せることになる。

残念なことに、最近のニコンのアクセサリーカタログにはどのレンズを逆向きにするとどのくらいの倍率で撮影できるかという表が掲載されなくなってしまっている(以前は掲載されていた)。非CPUレンズで露出計が働かないボディが増えたので、BR-2Aリングをあまり勧めたくないのかもしれない(CPU内蔵レンズであっても逆向きにつけると接点が接しないので非CPUレンズと同じ扱いになってしまう)。わたしが普段から、非CPUレンズでもボディの露出計が働くようにしろと言っているのは、こういうリバースリングや接写リング(延長リング・エクステンションチューブ)やベローズ使用時に困るからでもある。上記のデジカメWATCHの記事でも木村英夫氏は、非CPUレンズで露出計が作動しない「D80でレンズの逆付撮影を行なうのは、容易とは言えなかった」 と書かれていて、結局非CPUレンズでも露出計の作動する富士のFinePix S5 Pro(ニコンFマウント)を使われている。

BR-2Aの説明書から、各レンズを逆向きにした場合の倍率を転載しておく。これらは買う前に情報が得られるのが好ましいので、カタログに掲載すべき情報だと思う。

レンズ名撮影倍率
Ai AF Nikkor 20mm F2.8S *3.4×
Ai AF Nikkor 24mm F2.8S2.5×
Ai AF Nikkor 28mm F2.8S2.0×
Ai AF Nikkor 35mm F2S1.4×
Ai AF Nikkor 50mm F1.4S1/1.1×
Ai AF Nikkor 50mm F1.8S1/1.4×
Ai AF Micro Nikkor 55mm F2.8S **1.2×
Ai AF Micro Nikkor 60mm F2.8S *1/1.2×
Ai AF Nikkor 85mm F1.8S *※1/2.8×
Ai AF Zoom Nikkor 24-50mm F3.3-4.5S *3.0-1.0×
Ai AF Zoom Nikkor 28-70mm F3.5-4.5S2.2-1/5.6×
Ai AF Zoom Nikkor 28-85mm F3.5-4.5S3.0-1/27.5×
Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F2.8S *2.3-1/1.9×
Ai AF Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S2.1-1/6.1×
Ai AF Zoom Nikkor 35-80mm F4-5.6D1.7-1/18.6×
Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S1.8-1/6.1×
Ai AF Zoom Nikkor 35-135mm F3.5-4.5S2.2-1/31.7×
Ai AF Zoom Nikkor 70-210mm F4-5.6D *1/1.6-1/∞×
Ai AF Zoom Nikkor 75-300mm F4.5-5.6S *1/1.2-1/∞×
Ai Nikkor 20mm F2.8S *3.4×
Ai Nikkor 24mm F2S2.6×
Ai Nikkor 24mm F2.8S2.5×
Ai Nikkor 28mm F2S2.2×
Ai Nikkor 28mm F2.8S2.1×
Ai Nikkor 35mm F1.4S1.8×
Ai Nikkor 35mm F2S1.6×
Ai Nikkor 35mm F2.8S1.5×
PC Nikkor 35mm F2.81.6×
Ai Nikkor 50mm F1.2S1.1×
Ai Nikkor 50mm F1.4S1/1.1×
Ai Nikkor 50mm F1.8S1/2×
Ai Micro Nikkor 55mm F2.8S1/1.1×
Ai Noct Nikkor 58mm F1.2S1/1.2×
Ai Zoom Nikkor 28-85mm F3.5-4.5S *2.9-1/35.8×
Ai Zoom Nikkor 35-70mm F3.3-4.5S2.1-1/6.1×
Ai Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S1.8-1/6×
Ai Zoom Nikkor 35-135mm F3.5-4.5S *2.2-1/14.9×
Ai Zoom Nikkor 35-200mm F3.5-4.5S *2.2-1/∞× ***
* BR-5を併用
** AF Micro Nikkor 55mm F2.8レンズを逆向きで使用する場合、レンズを繰り出した状態でレンズの絞りリング側に横方向の強い力が加わりますと故障の原因となりますので、十分ご注意ください。
*** 1/∞×付近では描写性能が劣下(ママ)します。
※ 引用者註:説明書では「Ai AF マイクロニッコール85mm F1.8S」とあるが、「Ai AF ニッコール85mm F1.8S」の間違いと思われる。

【追記】
なお、Haniwaのページのはにわの写真は実物が135フィルムのパトローネと同じ高さの小さなものをBR-2AとAi AF Nikkor 50mm F1.4Dで撮ったものである。
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D(Haniwaのページ)参照

DNP CENTURIA 100,Nikon BR-2A ring and Haniwa
【追記ここまで】
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WWW を検索 haniwa.asablo.jp を検索
asahi-net.or.jp/~sp5j-hys/ を検索
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