ニコンF100の自動露出とオートフォーカス2007年02月02日 00時00分00秒

Nikon F100 + Ai AF Nikkor 50mm F1.4D

今日は、ニコンF100の自動露出(automatic exposure:以下AE)の傾向とオートフォーカス(以下AF)について。ニコンF100が発売された当初(1999年ごろ)は、やや露出がオーバー気味だというコメントをよく見かけた。写真家の大西みつぐ氏もF100ユーザーだが、「露出がオーバー目」だと「こだわりカメラのスナップ流儀」(毎日コミュニケーションズ2000年)というムックで書かれていた。

しかし、しばらくAFのCPU内蔵レンズでマルチパターン測光のAEで撮ってみたが、私の個体はオーバー目ではなかった。主に使ったレンズは、Ai AF Nikkor 50mm F1.4DとAi AF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)のDタイプレンズとSIGMAのHigh-speed Wide 28mm F1.8 Aspherical(I型・CPU内蔵非Dタイプ)だ。Ai AF Zoom-Nikkor 35-70mm F3.3-4.5Sは装着してはみたが1枚も撮らなかった。

このマルチパターン測光は、かなり進化していて、フォーカスエリアに主要被写体が来ている分には、その他の部分がかなり輝度差があっても、主要被写体が適正になるような感じだ。もちろん主要被写体が真っ白や真っ黒なものだと駄目なのだが。まあ、中庸な露出といえなくもない。普通に撮る分にはマルチパターン測光お任せでもいいな、と思った。

F100のいいところは、MFレンズ(非CPUレンズ)でもスポット測光ができること。私の持っているほかのボディ(F-501やF3)ではスポット測光はなかったので、ありがたい。もちろん従来の中央重点測光へもペンタ部横のダイヤルで簡単に切り替えられるので使いやすい。

次にオートフォーカスだが、Ai AF Nikkor 50mm F1.4DやSIGMAのHigh-speed Wide 28mm F1.8 Asphericalだと、一旦行き過ぎて戻りすぎて最後にジャストの点へ到達というオーバーシュート気味の挙動である。悪い個体なのかとも思ったが、アサヒカメラのニューフェース診断室(1999年5月号)でも指摘されているので、F100のAFの癖なのだろう。F5がバシュッと合うのに比べてなんかイマイチな感じが…。ところが、Ai AF Zoom-Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)やAi AF Zoom-Nikkor 35-70mm F3.3-4.5Sだとあまりオーバーシュートではない。若干最後に微調整しているが、先の単焦点のように大幅に行って戻ることはない。これはピントリングの回転角の問題なのか、レンズのF値の問題なのか不明。というのは、50mmや28mmは回転角が大きいので、同じ距離分を行き過ぎたとしても、後者のズームレンズに比べて大きくピントリングが回転するから、オーバーシュートが目立つからだ。オーバーシュートの量は多いときと少ないときあるいはすっと合うときとがある。被写体によるのだろう。オーバーシュートが多いといっても、距離1.5mのときに3mに行って50cmに戻ってまた1.5mに収束するというようなものではないのでご安心を(笑)。もっと細かい動きなのだが、行きつ戻りつすることは確かだ。

まあ、オーバーシュートのないF-501なんかは、ウイーンと一発で合わせてくれるのはいいのだがそこはジャストピントではない(笑)ということがあるのに比べれば、F100の方は結果的にはきちんと合焦しているのでいいのだろう。

これと関連して、動体予測機能がある。動体予測は、たとえば接近してくる電車を撮影する時にAFが合焦したと判断した時と、実際にシャッターが切れて露光する時とのタイムラグの間に電車がさらに近づいてきてピンボケになるのを防ぐものだ。被写体の動く速度を計算して露光時のピント位置まで持っていくのである。これは自動で判断されて、ON/OFFできない。

そのため、たとえば静体を撮影している時に、頭がぐらぐら前後に動いたりすると動体と判断されて動体予測が働くときがある。かなり敏感な機能だ。AFのオーバーシュートも、実は手持ちの自分がぐらぐら前後に動いていて動体予測が働いているという場合がかなりあるのかもしれない。

オートフォーカスもF1.4開放やF1.8開放といった条件で使ってみたが正確で、被写体が動くものの場合はマニュアルフォーカスよりもピントが正確だ。まあ、私の腕がアレなだけなのだが(苦笑)。ただ、フォーカスエリアが若干ファインダーに表示されている枠よりも外側にも効いているようで、フォーカスエリアのすぐ外側に少し距離の違うものがあるときにそちらに引っ張られることがあった。大幅に距離が違う場合は引っ張られない。私が普段からファインダーでピントがよく見えないと困ると言っているのは、こういう50mm F1.4の絞り開放で撮るようなときに、微妙なピント位置の違いが分からないと困るからなのだ。その点F100のファインダーはピント位置が分かってよい。

コメント

_ かのぷ~ ― 2007年02月04日 23時43分13秒

はじめまして。かのぷ~と申します。
以前よりblogを拝見させていただいていましたが、初めてコメントします。

F100ですが、私もちょっと前から気になっていました。
そこへHaniwaさんのF100の記事……
我慢できず買ってしまいました。(笑)

入荷待ちでしばらく先だと思っていたディスタゴン25mmも今日入手できてしまったので、合わせて今週末が楽しみです。

それでは失礼します。

_ Haniwa ― 2007年02月05日 10時12分27秒

かのぷ~様、はじめまして。コメントありがとうございます。
F100ご購入おめでとうございます!\(^o^)/

F100って、フィルムカメラの中ではフラッグシップ以外では値段が高いと思って敬遠してきましたが、これだけ安くなると、コストパフォーマンスが高いカメラです。ファインダー倍率が低いですが、DK-17Mで解決です。

わー、Distagon T* 2.8/25 ZFご購入おめでとうございます!\(^o^)/
是非インプレをお聞かせください。よだれたらしておまちしております(笑)。いいなぁ。

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