ニコンの35mmフルサイズデジタル一眼レフカメラ登場は近いのか ― 2007年02月01日 00時00分00秒
以前から、ニコンのAPS-Cサイズの撮像素子(DXフォーマット)を持つデジタル一眼レフカメラにはなにか躊躇するものがあるといい続けてきた。それは、DXフォーマットでの広角単焦点レンズのラインナップの少なさや、ファインダー像の大きさやピントのヤマの見え難さなどが主な理由だった。だから、DXフォーマット用の広角単焦点レンズを出さないのなら、従来の35mmフィルム時代からある広角レンズがそのままの画角で使える、35mmフルサイズのデジタル一眼レフを出して欲しいと思ってきたのだ。
コメント欄でちらほら書いてきたが、このところ、メカライターを兼ねる写真家の方々が急に35mmフルサイズを語り始めた。例えば、今月号(2007年2月号)のアサヒカメラの「『大胆予想』2007年のカメラはこうなる!?」という座談会ではニコンに関してはほとんどがフルサイズの話題だ。
―最後に今年出てくるカメラへの期待を教えてください。「山田」は山田久美夫氏、「赤城」は赤城耕一氏、「河田」は河田一規氏、「桃井」は桃井一至氏
山田 ペンタックス、オリンパス、ソニーはレンズのラインアップがそろってないので、なんとかしてほしいですね。個人的には、フルサイズ派なので、ニコンから出てくると選択肢が増えてうれしいな。
赤城 フルサイズはわかりやすくていいですよね。ニコンもキヤノンもシンクロ接点がついていてゴミがつかなくて、もう少し軽いやつが出てくれば仕事がラクになる。
河田 繰り返しになりますが、EVFでコンパクトなのが出てくると、新しい時代って感じでいいですよね。
桃井 表の意見としては私も河田さんと同じだけど、本音はやっぱりフルサイズですね。慣れてるから仕事で使うのに助かります。
山田 ニコンのフルサイズの期待が高いね。じゃあ、名前はD3ではなくF7ってのはどう?
赤城 そうなるとF6使っている俺としてはつらい。(笑)
(アサヒカメラ2007年2月号209頁)
また、日本カメラ誌でテストリポートを担当されている写真家の那和秀峻氏もホームページでたびたびフルサイズに言及されている。
以前からの私の持論であるが、デジタル一眼レフのハイエンド機種は35ミリフルサイズであるべきだと思う。それは実焦点距離がそのまま使えるというメリットと、ファインダーが無理をしなくても広く大きく見やすいということだ。さらに付け加えれば、画素数を高めるにはやはりもともとの撮像素子が大きいほうが画素ピッチも大きくなり、いろいろな意味で有利だからである。
徒然なるままに(2007年1月31日の項)
参考リンク:徒然なるままに(最新ページ)
アサヒカメラの座談会にも登場する山田久美夫氏は、デジカメWATCHでもニコンのフルサイズ機の必要性に言及されている。
■ フルサイズニコンはあるのか?
──ニコンもオリンピックに向けてハイエンド機種の更新が予想されています。
ええ、ニコンは35mm判フルサイズのボディを出さなきゃいけないでしょう。発表会のたびにニコンの人は「35mmサイズのデジタルカメラをやらないとは言わない。まずはDX(APS-Cサイズ)をひととおりやって、次のステップでより大きなセンサーを」と言っています。D40、D80、D200、D2Xsと、各クラスが第2世代に進化したので、そろそろ次のステップに進んでもいいんじゃないでしょうか。
【インタビュー】山田久美夫が占う2007年のデジタルカメラ(後編)
おそらく、ニコンから35mmフルサイズのデジタル一眼レフの発表が近いのだろう。楽しみになってきた。ただ、APS-Cサイズのデジタル一眼レフも継続するつもりなら、是非AF-S DX Nikkor 18mm F3.5Gといった薄型の広角レンズも用意して欲しい。まあ、私が買えるような値段のフルサイズ機は今年中には出ないだろうが(爆)。
【追記:2007年8月23日】
ニコン、ついに35mmフルサイズデジタル一眼レフ「Nikon D3」発表か! ― 2007年08月23日
【追記ここまで】
コメント
_ MANA ― 2007年02月01日 22時17分46秒
_ Haniwa ― 2007年02月02日 08時33分50秒
そうですよね。フルサイズデジ一眼楽しみですが、新しい機種が出るたびに画像がよくなっているというサイクルには私もついていけません。撮像素子部分がフィルムのように規格化されてユニットで交換できるとか、規格化されなくてもフォトミックファインダーのようにメーカー内で進化するような仕組みだと、少しは長く使えそうですが、そうはいかないんですよねぇ。
デジタル画像だと好みに調整できるといっても、手間とノウハウの蓄積が大変です。フィルムのように違うフィルムを入れると簡単に別の感じになるほうが楽です。デジタルにはデジタルのよさが、フィルムにはフィルムのよさがあるので、たとえニコンから満足のいくデジタル一眼レフが出たとしても、フィルムでの撮影は続けていきたいですね。
自分でもどこに書いたか分からなくなるので、リンク貼っておきます(笑)。
http://haniwa.asablo.jp/blog/2007/01/25/1137429#c1156618
_ ケイ ― 2007年02月02日 14時27分36秒
それはさておき、フルサイズで周辺部まで良好な画質を実現するのは相当な困難が伴うと思います。キヤノンのデジタル対応を謳っている高価で巨大なLレンズでさえ絞らないと周辺部の画質は低下します。そんなこんなで、今ではDXフォーマットの方が好ましいとさえ思うようになりました。小型のレンズでも良い性能が出せますからね。(ボケは期待できませんが)
ニコンがなかなかフルサイズ機を出さないのはFマウントでも完璧な性能を出せるカメラを目指しているからだと思います。期待して待ちましょう。私も、今はDXフォーマットの方が好ましいと思っていますが、D80とDXニッコールの大きさ重さで画質十分のフルサイズ機が登場したら、多少高くても迷わず飛びつきます。
_ Haniwa ― 2007年02月02日 17時05分01秒
キヤノンからニコンに戻られたのですか。りー様と同じですね。
フルサイズ、撮像素子とフィルムじゃ違うので、周辺部の画質が難しいのでしょうね。私も絶対フルサイズ派というわけではなく、DXフォーマットで広角単焦点レンズとファインダーでのピントが見易ければ、DXもありだと思っています。でも全然レンズもファインダーも進展しないので、それだったらフルサイズ出してくれ、という心境です。
>D80とDXニッコールの大きさ重さで画質十分のフルサイズ機が登場したら
おそらく多くのユーザーが飛びつくでしょうね。早くそんな時代が来ないかなぁ。あっ、でもそうなるとフィルムが危なくなりますか(笑)。フィルムも楽しみたいです。
_ りー ― 2007年02月02日 20時46分06秒
でも、カメラに求めるものは人それぞれです。
今日一緒に飲んだ50代後半のカメラマンの人は、周りがほとんどNikonの時代に真っ先にEOSを使い、CASIOのQV-10を発売と同時に買った、という新し物好きの人ですが、「FUJIのクラッセを買おうかなあ」なんて言ってました。なんだかとっても嬉しかったです。
_ りー ― 2007年02月02日 20時55分43秒
要するに、F4をマニュアルで使っていた私たちに「まだ手でピント合わせてんの?」と言い、デジタル導入が遅れてる私に「いやーもうフィルムは使わないなあ」などと言っていたその人が、そんな事を言ってたのが嬉しかったのでした。
_ MANA ― 2007年02月02日 22時02分49秒
デジタルの良さって、その場で見られたり、撮影途中でISO感度を変えられることだったりするわけですよね。
ひらめきました!!!
まずは、ポラロイドな裏蓋を買って、その場で見られるようにすればいいのです。そして、ISO感度を変えられるようにいろいろなフィルムを入れたボディを用意すればいいのです。
これで、新しい散財の仕方ではなく、購入の明確なイイワケを発見しました!完璧です。ボディを増やせます<意味不明
ケイ様
凄い納得の文章です。(実は私は(も?)、Uターンではありませんが、キヤノンからニコンのIターン組です)
私は買えないかもしれませんが、そんなフルサイズなカメラをニコンが出してくれることを待ちたいと思います。
_ Haniwa ― 2007年02月05日 10時02分13秒
いいですね。フィルム回帰の傾向がでてくれば、なんとか趣味として続けられそうですものね。その人がフィルム回帰するということは、これからのトレンドはフィルム+単焦点ということです(きっぱり)。
MANA様
おお、交換ボディ、それだぁ!ポラバックが使える手持ちボディはF3だからF3をあと数台とポラバック買えばいいですね(笑)。単焦点1本にポラバックとF3を3台。フィルム数種類。これからは、これだぁ!(笑)。
MANA様もキヤノンからニコンへ変えられたのですか。高まる35mmフルサイズデジタル一眼レフへの期待。私も買えないかもしれませんが(爆)。
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ただ、別のコメントでHaniwa様が書かれている様に「いろいろなフィルムを楽しめる」という楽しみは、デジタルにはないですよね。
次から次へと出てくる新しい機種が良い画像を吐き出す状況に貧乏人の私はついて行けません。だから、地味にフィルムで楽しむのもアリですよね。