日本の所得格差指数、貧困率は何故高いのか2005年09月13日 00時00分00秒

私の専門じゃないんだが、気になるレポートが。
日本の所得格差指数、貧困率は何故高いのか

日本の所得格差指数(ジニ係数)はOECD25カ国(含むメキシコ、トルコ、ギリシャ)のうち第10位、貧困率の高さは第5位と高位グループに属し、また日本のこれら指数は90年代後半に増大している。2005年2月公表の「OECD諸国における所得分配と貧困」と題した「OECD ワーキング・レポート22」(OECD Social,Employment and Migration Working Paper 22. www.oecd.org/els/workingpapers)は以上のような興味深い国際比較分析を示している。

日本の可処分所得ジニ係数、貧困率が高いのは何故であろうか。この「レポート」の分析から、以下二つの要因が指摘できる。その一つは、政府の社会保障給付(児童手当・失業給付・生活保護など現金給付のみを分析)および税による所得格差の縮小策が、日本は他のOECD諸国に比べ極めて貧弱なことである。 (中略) つまり、ヨーロッパ諸国は、税および社会保障給付によって低所得者の可処分所得を引き上げ、貧困率を引き下げている。一方、日本はその再分配政策が極めて弱く、その結果として可処分所得の貧困率は高くなっているのである。

二つめの要因は、日本における広汎な低賃金(パート賃金)の存在がある。子どもがいる片親世帯の貧困率は、日本よりも米国、英国、カナダ、オーストラリアまた地中海諸国が高いが、働いている片親世帯の貧困率は、日本がトルコとともに60%以上で群を抜いて高い(米国でも約40%)。また、生産人口における貧困層においても日本は2人働き世帯所属の貧困者がその4割弱、1人働き世帯所属の者が3割強を占め、無業者は1割強である。一方他の先進国の貧困層では、2人働き、1人働き世帯所属の貧困者の比率は大幅に小さく、無業層が中心となっている(原図12)。さらに高齢者の貧困層においても、日本の場合には約半数が働いており、他の先進諸国には見られない特異な特色を見せている。すなわち、日本ではパートなど低賃金労働が広汎に存在し、この勤労層が低所得層を形成し貧困比率の高さを生み出している。

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